「シュガー・ラッシュ」 ラルフに先駆け!? 主役になった"悪役"のゲームキャラ達! | だからオイラはダメなんだ。
3月23日(土)に公開となる、ディズニーのアニメ最新作は、
テレビゲームの世界を舞台にした「シュガー・ラッシュ」

主人公のラルフは「フィックス・イット・フェリックス」というゲームで長い間、悪役を続けていましたが、ある日「もう悪役を止める!」と決めます。
「みんなから愛されるヒーローになりたい」という夢を叶えるために。



予告編が公開されると、そこに「ストリートファイターII」「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」などの、実在するテレビゲームのキャラクター達がそのままの役名(?)で登場するとあって、レトロゲーマーの間でも話題になりました。
…私も絶対に観たいと思っています。


…さて「ヒーローになりたい」という夢を持つラルフですが、
実は現実のゲーム界でも「悪役が主役になった」「敵が味方になった」というゲームがいくつか存在しているのです。

今回は、そんなゲームキャラクター達を紹介したいと思います!

※ 尚、こんなゲームは対象外としています
・格闘ゲームの続編やver.UP版などで、ラスボスなどが使用可能になった
・ゲームの演出として、敵として出てきたキャラが途中から味方として使用可能になる
・裏技や隠しコマンドなどで、敵キャラが自機として使用可能になる
・ゲームストーリー設定で、敵陣営のキャラが味方として登場している
・元々悪役やアンチヒーローが主役という設定で製作されているゲーム

…要するに、
・元々は敵として登場したが、後のゲームで主役として抜擢された
・前作では敵だったが、続編ではプレイヤーが自機として使えるようになった
といったゲームキャラを紹介しています。



●ドンキーコングJr.

主役になったゲーム : ドンキーコングJR.(1982年 任天堂)
悪役だった元のゲーム : ドンキーコング

このゲームは「ドンキーコング」の続編にあたり『前作でマリオに囚われてしまったコングを、Jr.が助けに向かう』というストーリーで展開していきます。
ですから、厳密には"悪役が主役になったゲーム"とは言えないのですが、
『ゲームルールやステージが異なっていて別のゲームになっていても、ストーリーやキャラクターや世界観が共通している、ゲームの中にある世界』をプレイヤーに認識させてくれた、ゲーム界初のタイトルと言えるのではないでしょうか。


●ドンキーコング

主役になったゲーム : スーパードンキーコング(1994年 任天堂)
悪役だった元のゲーム : ドンキーコング

そしてさらに時代を経て、新たな"ドンキーコング"が帰ってきました。
このゲームのコングは、初代「ドンキーコング」の孫という設定で、"ドンキーコング"という称号(!)を受け継いでいるのです。
当のマリオと死闘を繰り広げた「ドンキーコング」のコングは、"クランキーコング"という名で登場しています。
…ところで、Jr.はどこ行っちゃったんでしょうね?


●ワリオ

主役になったゲーム : スーパーマリオランド3 ワリオランド(1994年 任天堂)
悪役だった元のゲーム : スーパーマリオランド2 6つの金貨

マリオと違い"優等生的な"キャラクターではないので、ゲーム的な冒険をさせられるキャラとして、様々なゲームに登場しています。
例えば「ワリオランド」では、敵と接触してもダメージにならないという特徴を持っています。
強烈なキャラクターからか、「ワリオランド」や「メイドインワリオ」などシリーズ化したタイトルも多く、今では任天堂のメインキャラの一人にまでなりました。


●グロブダー

主役になったゲーム : グロブダー(1984年 ナムコ)
悪役だった元のゲーム : ゼビウス

「ゼビウス」に登場した戦車(水陸両用車)。「ゼビウス」で敵側に登場した時は、こちらに攻撃してこないキャラクターでした。
ところが一転、このゲームでは一撃必殺、超高速のレーザーを撃ち、一瞬で勝敗が決まる"バトリング"という競技世界に登場することになりました。
このゲームは難易度が高いことでも有名で、ステージセレクトが可能なのですが、何も知らないと99面を選んで1秒で死ねます。


●ピストル大名

主役になったゲーム : ピストル大名の冒険(1990年 ナムコ)
悪役だった元のゲーム : 超絶倫人ベラボーマン

「ベラボーマン」では、許しを請うフリをして再度攻撃をしてくるという卑怯なキャラクターとして登場しました。
但し、今作ではそれら設定は引き継いでいません。
ベラボーマンの製作時にこのキャラの存在感がウケた為、製作チーム内で「こいつでゲーム作ろうか、『ピストル大名の冒険』って名前で(笑)」という冗談話が誠になってしまったのがこのゲーム。
「源平討魔伝」や「ベラボーマン」といった名作を生み出した"源平チーム"であるが、この作品は難易度が非常に高く、市場への出回りも芳しくなく…クソゲーの烙印を押されています。
何故かパチンコのタイアップに使われた事もあります。


●モアイ・アレキサンドリア

主役になったゲーム : コナミワイワイワールド(1988年 コナミ)
悪役だった元のゲーム : グラディウス

「グラディウス」シリーズのモアイがプレイヤーキャラの一人として使えるゲームです。
武器もイオンリングを使えますが、モアイの巨顔に足が生えている、というデザインはシュールです。
また他にもコナミからは「モアイくん」という、モアイが主役になったパズルゲームも発売されています。


●ミカエル&ガブリエル

主役になったゲーム : 極上パロディウス~過去の栄光を求めて~(1990年 コナミ)
悪役だった元のゲーム : パロディウスだ!~神話からお笑いへ~

前作のパロディウスだ!の4面に登場した"天使ブタ"がデザインを一新して、プレイヤーキャラになって登場しました。
ウェーブ状のレーザーやオーラ状のバリアなど、「ダライアス」のパロになっています。


●ひかる&あかね

主役になったゲーム : 極上パロディウス~過去の栄光を求めて~(1990年 コナミ)
悪役だった元のゲーム : パロディウスだ!~神話からお笑いへ~

こちらも前作の「パロディウスだ!」の7面に登場したバニーガールがプレイヤーキャラになったものです。
「実況おしゃべりパロディウス」では再び敵となり、今度はシリーズ恒例の巨大女性ボスとして登場しました。
パチスロ「極楽パロディウス」では主役に抜擢されるなど、今ではパロディウスシリーズを代表するキャラクターとなりました。タコよりカワイイし。


●ドラキュラくん

主役になったゲーム : 悪魔城すぺしゃる ぼくドラキュラくん(1990年 コナミ)
悪役だった元のゲーム : 悪魔城ドラキュラ

「悪魔城ドラキュラ」のラスボスだった"ドラキュラ伯爵"の息子という設定なので、厳密に言えば悪役とは言えないのですが『悪側が主人公に』というコンセプトで作られている為、ここに掲載しました。
ステージ1のマップや曲が「悪魔城伝説」のアレンジになっていたりして、悪魔城ファンもニヤリとさせる仕掛けが盛り込まれています。
スーパーファミコン版「極上パロディウス」では自機として使えるようにもなりました。


●エース(シューティングスター)

主役になったゲーム : セクシーパロディウス(1996年 コナミ)
悪役だった元のゲーム : ツインビーヤッホー! ふしぎの国で大あばれ!!

「ツインビーヤッホー」でプレイヤーのライバルキャラとして登場したキャラが、今作でプレイヤーキャラとして登場(シューティングスターはエースが乗る戦闘機の名前)。
しかし、このゲームでは、デモで田植えしたり、金や女性に囲まれたりと、「ツインビーヤッホー」での精悍なイメージとは大違いな姿を曝しちゃってます。


●ティタ・ニューム(ビッグコアエグザミナ)

主役になったゲーム : オトメディウス(2007年 コナミ)
悪役だった元のゲーム : グラディウス

「グラディウス」シリーズを"擬人化"したかのようなシューティングゲーム。
このキャラクターは「グラディウス」でボスとして登場し以降のシリーズにも敵として登場する"ビッグコア"をモチーフにしています。
また、ビッグコアが主役になったゲームには、携帯電話のアプリとして「グラディウスNEOインペリアル」が発売されています。


●レッドアリーマー

主役になったゲーム : レッドアリーマー 魔界村外伝(1990年 カプコン)
悪役だった元のゲーム : 魔界村

「魔界村」シリーズで散々プレイヤーを苦しめてきたキャラです。
キャラは憎たらしいものの、ゲームそのものが面白かった為か、「レッドアリーマーII」や「デモンズブレイゾン 魔界村紋章編」などの続編も多く作られました。
昨今では「SNKvsカプコン SVC CHAOS」や「マーヴルvsカプコン3」など、格闘ゲームへの参戦もしています。


●フォルテ

主役になったゲーム : ロックマン&フォルテ(1998年 カプコン)
悪役だった元のゲーム : ロックマン7

Dr.ワイリー製ロックマンとも言える、ロックマンのライバル。
"アンチロックマン"的キャラはこれまでにも幾体か登場しましたが、フォルテは強烈な個性で一気にライバルキャラのポジションに上り詰めただけでなく、後のロックマンワールドのストーリーにも係わってくる、重要なキーマンとなりました。
自機として操作できるようになったのは、アーケードの「ロックマン ザ・パワーバトル」が初出です。


●トロン・ボーン&コブン
$だからオイラはダメなんだ。
主役になったゲーム : トロンにコブン(1999年 カプコン)
悪役だった元のゲーム : ロックマンDASH

「ロックマンDASH」では、敵…というよりは、憎めない悪キャラとして登場しました。
「天空の城ラピュタ」の"ドーラ一家"のような立ち位置でしょうか。
このゲームでは、トロンやコブンのキャラ設定を生かした、開発・育成やアクションパズルが楽しめるバラエティアクションゲームになっています。
この他「マーヴルvsカプコン2」で格闘ゲームへ参戦し、「マーヴルvsカプコン3」でも継続してプレイヤーキャラとして登場しています。


●スライム

主役になったゲーム : スライムもりもりドラゴンクエスト 衝撃のしっぽ団(2003年 スクウェア・エニックス)
悪役だった元のゲーム : ドラゴンクエスト

もはや説明不要な国民的ゲームの敵キャラクター。
キャラクターグッズやスピンオフ作品などは山ほどあったものの、スライムがゲームの主人公となったのは意外にもこのシリーズが初です。
シリーズ続編に「大戦車としっぽ団」「大海賊としっぽ団」があります。


●ぷよぷよ

主役になったゲーム : ぷよぷよ(1991年 コンパイル)
悪役だった元のゲーム : 魔導物語

このゲームの主役はアルルでは?…という声も聞こえてきそうですが、、タイトルにまでなっているキャラですので、ここで取り上げてみました。知名度も高いタイトルですし。
"パズルゲームのピースとなった敵キャラ"としては「コズモギャング・ザ・パズル」などもあります。


●ルルー

主役になったゲーム : す~ぱ~なぞぷよ ルルーのルー(1995年 バンプレスト)
悪役だった元のゲーム : 魔導物語

ディスクステーションに収録されていた、"詰めぷよぷよ"的ななぞぷよモードがメインになっているゲーム。
従来の主人公アルルの他、ルルーが主人公となって、『愛しのサタン様に好物のカレーをご馳走するために材料を集める』ストーリーが遊べるようになっています。
続編の「す~ぱ~なぞぷよ通 ルルーの鉄腕繁盛記」では、ルルーが一人で完全主役のゲームになっています。


●魔奴化

主役になったゲーム : 奇々怪界 謎の黒マント(1992年 ナツメ)
悪役だった元のゲーム : 奇々怪界

「奇々怪界」では妖怪軍団の親玉を務めていた化け狸でしたが、騒動後に改心して小夜ちゃんと友達になり、ゲームでは2Pの自機として登場します。
後に発売される「奇々怪界 月夜草子」や「奇々怪界あどばんす」などにも登場します。


●りき

主役になったゲーム : ダウンタウン熱血物語(1989年 テクノスジャパン)
悪役だった元のゲーム : 熱血硬派くにおくん
 
「くにおくん」では1面のボス"マッハパンチのりき"として登場しましたが「タイマンはったらダチじゃ~!」と、ヤンキーモノ定番の設定で和解後に親友となりました。
これ以降の「熱血硬派」シリーズでもくにおの相棒として活躍する機会が多く、ゲーム界の名バイプレーヤーと言えるでしょう。
そしてついに、3DSのダウンロードソフトとして、りきが主役の「りき伝説」が製作されるにまで至りました。


●ジャックフロスト、ジャックランタン、ジャック・リパー

主役になったゲーム : ジャック・ブラザースの迷路でヒーホー!(1995年 アトラス)
悪役だった元のゲーム : 女神転生

バーチャルボーイで発売された迷路探索型アクションゲームです。
ジャックフロストは「プリント倶楽部」での認知度の方が高いかもしれませんね。


●ローズ姉妹

主役になったゲーム : ピンクスゥイーツ~鋳薔薇それから~(2006年 ケイブ)
悪役だった元のゲーム : 鋳薔薇

「鋳薔薇」で各ステージのボスとしてプレイヤーを苦しめたローズ姉妹が主役になりました。
ボムに相当する"ローズクラッカー"を使いこなすなど、従来のシューティングゲームとは異なる攻略が求められます。
シューティングゲームにキャラクター性を押し出してきたケイブだからこそ、こういったスピンオフ作品も出せるんですね。




以上が、私が調べた限りの"主役になった悪役ゲームキャラたち"でした。

今回はアーケードと家庭用ゲームのキャラクターを見てきましたが、
パソコンゲームやアプリゲームまではチェックしてませんから、ひょっとしたらまだまだいるかもしれませんね。



あとこれは稀なケースだと思うんですが、ゲームの世界じゃ主人公だったキャラが悪役になる事もあるんですよね。

「ドンキーコングJR.」でのマリオとか、「トリオ・ザ・パンチ」のカルノフとか、「ドラゴンニンジャ」のカルノフとか、「シークレットエージェント」のカルノフ坂田とか、「ファイターズヒストリーダイナマイト」のカルノフとか。

…まあ…デコだから。



スピンオフ作品が作られるのも、それは敵といえども非常に魅力的で存在感のあるキャラクターであり、多くのプレイヤーに愛されたからではないでしょうか。

ゲームキャラに惜しみない愛を!










B00B700ZBQゲーム&ワリオ
任天堂 2013-03-28

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