ネット大喜利の変遷を語ってみる その2 「みんな松本人志になりたかった」 | だからオイラはダメなんだ。
ネット大喜利の変遷を語ってみる その1 のつづき


ネット大喜利 参戦

一口に「ネット大喜利」と言っても、その方式は多種多様。

管理人がお題を出す所、参加者がお互いにお題を出し合う所、回答は厳選した一つしか送れない所、いくつ送ってもいい所、結果は管理人が決定する所、投票で決定する所、締め切りが毎週決まっている所、トーナメント方式や団体戦方式で大会を開催する所もありました。

おおまかな定義は一つ。

お題が出されたらボケる、評価する。それだけです。



様々な大喜利サイトの形式が乱立したのは、それぞれに一長一短があるからです。
ちょっとまとめてみましょう。


●管理人主導型

管理人がお題を出し、管理人が結果を選ぶという形式。
この形式のサイトで問われるのは、管理人のお笑いセンス。
管理人のお笑いセンスが低い・無いと、お題も面白くない、上位に選ばれた回答も面白くない、という"お寒い"事になってしまう。

管理人がルールという事は、管理人のお笑いセンスに合った回答が上位に選ばれる傾向にあるので、回答者は管理人とお笑いセンスが合致した場合にはとても面白いサイトになのですが、
その一方で、管理人のお笑いセンスと回答者のセンスが全く合わないと、全く上位に選ばれないので、面白くありません。そういう時は「ここは自分とはお笑いセンスが違うんだ」と割り切って、さっさと他のネット大喜利サイトに乗り換えるのが吉です。


●投票型

お題は管理人が出すが、結果は回答者の投票で決定するという形式。
管理人のお笑いセンスに寄らず、万人に「面白い」とされる回答が上位に来るので、平等なシステムである。

しかしその分、管理人ではなく回答者らにお笑いセンスが低い・無い者か多いと「面白単語」を使ったり、「時事ネタ」に頼ったような、安易な回答が選ばれ易くなってしまい、無難な回答が上位を占めてしまう、というデメリットもある。
一見では分かり難い内容に凝った回答や長文ネタ、元ネタがマニアックな回答などは選ばれ難くなってしまう。

また、回答者による投票システムに付き物なのが、自作自演の問題である。
管理人はipアドレスによる管理などの注意をしなければならない。事前登録制などを導入していたサイトもあった程だ。
ここで自作自演を放置するなどの管理を怠ると、真面目に大喜利レースを楽しもうと思っている回答者は次第に離れて行き、自作自演者に滅ぼされる事になってしまう。


●フリースタイル

誰でもお題を自由に出して良し、回答も気に入ったお題にだけ答えても良し、という自由なスタイル。
お題の出したまま結果の選出が無かったり、お題を出しても誰も答えてくれなかったり、という
不具合も多いが、積極的な参加者が多く集うことになれば俄然面白くなるスタイルである。
しかし、自由スタイルであるが故に、荒らしや勘違いした"お笑い評論家"も来て、荒れやすくなる傾向もある。
管理人は大喜利の運営ではなく、荒らし対策、削除権の行使などの掲示板としての管理が必要になる。



数々の大喜利サイトが乱立していた時代でしたから、掛け持ちでボケを投稿する参加者も多く、深夜ラジオに投稿する常連を「ハガキ職人」と言うのに倣い、「ネット大喜利職人」とも言える人達もいました。

そして、大喜利サイトの協力により、サイトの管理人や代表職人を選出し、大喜利サイトによる対抗戦やトーナメントが行なわれる事も数多く見られました。
ついには、大喜利サイトの投稿を収録した本「(笑) ~かっこわらい~」も発売されるにまで至りました。


また、携帯電話ではiモードなどのネットサービスを利用した、携帯電話ならではのネット大喜利サイトも登場しています。
大量の情報を掲載できない事から、簡単なお題、投稿の手軽さ、などから一気に参加者が多くなるのが、携帯電話大喜利サイトの特徴です。
しかし、投稿数が多くなる一方で表示出来る情報が少なく、他の参加者の投稿を見て楽しむというより、いかに自分の投稿が選ばれるか、といった、競技性が強くなってしまうサイトが多かったように思います。


しかし、一般人が趣味で運営しているの為、大きな問題が立ちはだかります。
時間とモチベーションです。

お題考案、サイト更新、締め切りからネタ選出、または投票の集計、結果とコメントのサイト更新、そして次のお題…というルーチンを、早いペースで繰り返さねばならないのです。
中々更新がされなければ、参加者も減っていってしまいますから。

斯様に、一概に大喜利サイトと言えど、簡単な運営が出来る物ではなく、寧ろ多くの参加者がいる為、その管理には多大な情熱と時間が必要な物であり、大喜利サイトは長続きしない事がとても多いようです。

それ故、管理人も参加者も、誰もが満足出来る、一般人運営・参加型の大喜利サイトは現在に至るまで存在しないと言っても過言ではないでしょう。



その3 へつづく










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