ラジオ書き起こし「武田鉄矢 今朝の三枚おろし」『「だまし」に負けない心理学』その2 | だからオイラはダメなんだ。
武田鉄矢のラジオ番組「今朝の三枚おろし」にて、興味深い本を紹介していたので、書き起こしてみる。
香山リカの『「だまし」に負けない心理学』


4774150665「だまし」に負けない心理学 (生きる技術!叢書)
香山 リカ
技術評論社 2012-04-18

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【10日目】

香山さんが重大な事を仰ってるなと思いますけども、
「これが私」「かけがえのない私」「主体的な考えを持っている私」…こういう「私」を強調すれば、他人は私に隷属的になるという、そういう思い上がりが逆に騙しに引っ掛かってしまう条件なのではなかろうか、と。
「『私』というのは、あんたが思ってるほど、そんなガッチリしたもんじゃないよ」と。
…そりゃそうですわな。

「自己啓発」
これは人間性心理学による、トランスパーソナル心理学が、60年代アメリカで生まれて、日本にやって来て、日本でも「自己啓発セミナー」って流行りましたね。
これもね「自分をガッチリ作ろう」という、そして流行った言葉が、覚えてらっしゃいますかね?「自分探し」というのが流行りました。
80年代からは「癒し」、2005年ぐらいからは「萌え」、2010年は「姫」。これ米沢さんという人が作った言葉らしいんですけど「私は一生主役で、妻だろうが母だろうが、私は『姫』よ」と、だから、21世紀の女性達は「私萌え」。自分に萌えると。

それから、著者が問題視してるのは「ネット多重人格の出現」。びっくりしたんだけど「ネットオカマ」っているんだな。
ネット上で女性のフリをして、女性としている。
「ネットで別人格で生きる」っていう事が、今の…異様にしてるんじゃないだろうか、と。

2010年、大阪で2人の子供をマンションに置いて遊びまくっていた、23歳の母親の事件がありました。日記サイトには良いお母さんぶりが、毎日書いてあるんですね。
サイトに書いてあるのが、いつの間にか現実になってる。
それから、係争中の事件なんで軽々しくは言えないけど、2009年の「かなえキッチン」って、その人の周りには何故か、練炭で死んじゃったって男性がやたらいるんだけど、その人は37歳でサイトにおいしい料理の作り方とか、おいしい物を食べたという、セレブのブログを書いたっていう、だからこの人にとってブログの方が本当の自分だったんではないだろうか。

フェイスブックって、意外と日本では伸びないんだってな。
アメリカは伸びるんだけど、日本ではオンライン人口の僅か2%、200人未満で、これ面白いんだけど、日本では匿名性が担保されないと。
つまり、名前を隠していいっていう事が無いと、隠し持っている攻撃性、憎悪、嫉妬…香山さんが言っているんだけども、ネット上で病的な多重人格の人が、物凄く出てきている、と。
彼らの使う言葉は、呪いの言葉を使う、と。

香山さんが危険だと仰ってるのが、今この現代社会で蔓延ってるのは「分かりやすい方が正しい」っていう。
「分かりやすい話」というのは、どんどんその人の思考能力を落としていって、〇か×かで話をするようになっちゃうところで、特定の自分を非難してくる者を「バカ」と呼び捨てて、自分の事を罵る者を「敵」と呼べば、大体世界が出来上がってしまう、それじゃダメですよ、と。
「分かり易さ」とか「飛びつき易さ」の方に危険が潜むというのは、是非覚えていただければな、と思います。

【終了】