ラジオ書き起こし「武田鉄矢 今朝の三枚おろし」『なぜ人は幽霊が見えるのか』その1 | だからオイラはダメなんだ。
武田鉄矢のラジオ番組「今朝の三枚おろし」にて、興味深い本を紹介していたので、書き起こしてみる。

その本は、リチャード・ワイズマンの『なぜ人は幽霊が見えるのか』


4163749209超常現象の科学 なぜ人は幽霊が見えるのか
リチャード・ワイズマン 木村 博江
文藝春秋 2012-02-11

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【1日目】

少し前になりますけども、オウム真理教の逃亡手配犯が逮捕されましたけども、十何年間もマインドコントロールにかかるって、人間あるのかね?何か信じ難くてね。
「便利な言葉」って道具として非常に危険だよね。だって、どこまでも言い訳が出来るわけでしょ?全部『マインドコントロールされてるから』で片付ければ。
俺らが70年の大学で学生運動が盛んな時にね、よく学生運動やる奴らの中で流行ってた言葉に「洗脳」って言葉があってね。「あいつはなぁ洗脳されてんだよ〇〇のセクトに」とか言うと、何だか意味深い発言のように。
(アシ)私も『洗脳』とか『マインドコントロール』はされない自信があるんですけれども、そういう人に限ってされやすいって言いますよね

その辺を三枚におろせないかなと思って、まずは英国のハートフォードシャー大学の教授のワイズマンさんの御本から。

これ面白いのは「なぜ人は幽霊が見えるのか」…幽霊がいるかいないかではなくて「幽霊がなぜ見えるのか」という、超常現象の暴き本ですね。

まずは「プロの占い師の言葉遣い」。これはやっぱり技術があるそうです。
ゆっくりと相手を網の中へ追い込むような言葉遣いを本能で出来る人達…そういう言葉遣いの上手な人達っているんですな。

まずは相手の顔を見て、相手が聞きたがっている事を探る。
間違いがないのは、まず相手の長所を言葉にする。
例えば「あなたは想像力に溢れ、非常に個性を持った人です」その後にこれと真逆の事を言うんです。それがワンセットで占い師の上手な言葉遣い。
「あなたは想像力に溢れ、非常に個性的な人です。しかしあなたは時として一人で本をジーッと読んだりなんかして一日を過ごすことがある…そういうタイプでしょ」
これは、頭の『あなたは想像力に溢れ、非常に個性的な人』というのと『時として一人読書に耽って一日中本を読むことがある』という言葉は、実は矛盾しているんです。

矛盾してる2つ言葉を目の前に置くと、占ってもらおうとする人は、当たっている所だけチョイスして聞くんです。
だから、褒められて嬉しい言葉と貶されて嫌な所を、実はあたかも一人の人格について語るが如く話す力がある人なんだな。
そうすると、占い師の所に来た人は、いい所だけ、自分に当たっている所だけをピックアップして「あ、この人当たってる」とか「影の私を知ってる」とか、勝手に思い込むんだそうです。

一つの性格を正反対の言葉で指摘し、占って欲しいという人は、納得できる言葉のみを自分で選択している。
ですから、いくらでも言い様がある、ということです。

【明日へ続く】