マレーシアの複合リゾート施設Puteri Harbourには屋内型パークSanrio Hello Kitty Townがあり、2012年10月から営業している。そのパークに2017年5月27日に訪れてみた。

ピューロランドやハーモニーランドと比べると規模は断然小さいが、少なくとも自分はパレードを途中までしか見られなかったこともあり、いつかまた行く予定である。東京からシンガポールへの直通便もあり、シンガポールからパークへの往復バスもあるのでお手軽に行ける。言語も英語だけで済み難易度が低く、屋内側のため天候の影響も受けない。ピューロランドやハーモニーランドとはまた異なるショーを見られる貴重な場所なので、行かれてみてはいかがだろうか。

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更新履歴

  • 2017-06-10
    • 初版
  • 2017-09-05
    • 9月1日と2日に行ったので、簡単に補足できるところのみ追記した。

突如の営業スケジュール変更

時期の関係で訪れる前から想定外の事態が発生した。訪れる予定であった5月27日は2017年のラマダン(1か月にもわたるイスラム教の断食)開始日であり、それに伴いHello Kitty Townの営業時間やショーの時間が変更になった。通常の土日祝であればパレードは1日2回あるが、ラマダンのために閉館時間が18時から17時に変更され、パレードは閉館間際16時30分からの1回のみとなっていた。スケジュールの比較は下表である。パレードが1回減らされた分、メロディのグリーティングが1回増えてはいる。

時刻 通常営業の土日祝 ラマダン営業の土日祝
10:00 開館 開館
10:30 グリ MM1+XO1
11:00 グリ MM1+XO1 グリ KT1
11:30 グリ KT1
12:00 ミニショー1
12:30 ミニショー1
13:00 グリ KT2 グリ KT2
13:30
14:00 パレード1 ミニショー2
14:30 グリ XO2
15:00 グリ XO2 グリ KT3
15:30 ミニショー2 グリ MM2
16:00 グリ KT3
16:30 パレード1
17:00 パレード2 閉館
17:30 閉館
18:00 閉館 閉館

ラマダンによる営業時間変更アナウンスは直前になされたようである。パークからバス会社に伝えられたのが25日の11時で、それに合わせてバス会社からバス予約者にバスの時刻変更が伝えられたのが26日の11時であった。営業時間変更とバス運行時間変更は突然のことだったようで、バスのチケットに書かれている時刻が修正テープで直されていたほどだ。Facebookでの告知も当日27日の12時だった。ラマダンの時期に各社で就業時間が変わるのはよくあることではあるが、その告知がここまで突然なことになるとは想定外であった。

このため、パレードは1回だけで、しかもバスの時間の関係で途中までしか見られず、パークの出口の外にあるお土産エリアに立ち寄ることもできなくなった。まあそういう文化圏なのだから仕方ない。文化の違いに腹を立て日本との違いを根拠にクレームを言いまくる人は海外に向いていないので、そういう人は行くこと自体をあきらめたほうが賢明である。文化の違いなのだから理解と諦めが肝心。

往復バスでの行き方

Hello Kitty TownのあるPuteri Harbourはマレーシア半島の南側にあり、シンガポールと海を挟んだ向かい側である。日本から行く場合には、シンガポール経由かクアラルンプール経由かの大まかに2通りに行き方があるだろう。

自分はシンガポール・チャンギ空港でのNordic Adventuresのイベントも兼ねていたこともあり、シンガポール経由で行くことにした。クアラルンプールに比べシンガポールからのほうが距離も近く飛行機の便数も多いので、仮にNordic Adventuresがなくてもシンガポールから行っていただろう。5月26日の金曜日にNordic Adventuresで7キャラが登場し、27日と28日の土日にキキララのグリーティングがあるため、間の27日の土曜にマレーシアに日帰りで行くことにした。

シンガポールからPuteri Harbourに行く場合には、WTS Travelというツアー会社が提供している往復バスを利用するのが簡単だ。シンガポールからバスで直接Puteri Harbourまで送ってもらえ、Hello Kitty Townのチケットもついてきて、シンガポールにまで戻ってくることができる。Hello Kitty Townのチケットは85MYR(1マレーシアリンギッドを26日本円とすると2200円程度)し、チケット込みのバス代が時期によって50SGDから54SGD(1シンガポールドルを80日本円とすると4000円から4300円程度)であるため、値段も安い。常時利用できる10%オフのクーポンコードも存在する。

この往復バスにシンガポールから乗るには、シンガポール中心部のSingapore Flyerとシンガポール西部のBig Boxの2か所から乗ることができる。Singapore Flyerは高さ165メートルある観覧車で、2014年までは世界一の大きさを有していた。シンガポールの中心部にありランドマークとしても分かりやすいSingapore Flyerから乗るほうが簡単だろう。

このバスで行く場合には、バスに乗ってシンガポールとマレーシアの国境を超えることになる。日本に住んでいると陸路で国境を超えるイメージが付きにくい。簡単に説明するとバスでシンガポールからマレーシアに移動するときには以下の手順となる。

  1. シンガポール領土内でバスを降り、出国審査を受け、再度バスに乗る。
  2. バスの乗客全員が揃ったら、バスで橋を渡ってマレーシア領土に移動する。
  3. バスを降り、預け荷物を持った状態で入国審査と荷物検査を受け、再度バスに乗る。
  4. バスの乗客全員が揃ったらマレーシア国内を走る。

このためバスの移動だけではなく入出国の時間も必要となる。また全員揃ってからでないとバスが発車しないので、一人でも入出国に手間取るとバス全体が遅れる。自分が行ったときには移動と入出国の時間を合わせて2時間15分かかった。Singapore Flyer発のバスは9時と10時30分の2つの時間があり、早いほうの9時発のバスであっても開園の10時に間に合わせることは絶対に不可能である。開園から行きたければ別の経路か前日入りが必要だろう。Puteri Harbourにはハローキティルームが12室もあるホテルのHotel Jen Puteri Harbourもあるので、そこに宿泊して2日連続でHello Kitty Townに行くのもよいだろう。

またこの往復バスはLegoland Malaysia Resortとの往復バスも兼ねている。自分が乗ったバスでは8割がたの人がLegoland Malaysia Resortで降り、Hello Kitty TownがあるPuteri Harbourまで行く人はごくわずかだった。

施設の概要

Hello Kitty Townはこの建物の2階(マレーシアの数え方では1階)にある屋内型パークである。

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3階と4階には機関車トーマスやその他のキャラクターのパークもある。左手奥にハローキティルームのあるHotel Jenがある。吹き抜けに書かれている絵のとおりに階とキャラクターが一致している。

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言語は全て英語だけで済む。むしろ英語以外を見ることもなければ聞くこともなかった。

入場

バスで到着したのが11時15分。11時からキティのグリーティングがあるはずだったので、Puteri Harbourにある他の施設に目もくれずにHello Kitty Townに向かった。グリに間に合うかわからないが、そうするしかなかった。

1階でチケットのQRコードをスキャンされ、パークに応じたリストバンドをつけられる。そしてこのHello Kitty Townの入り口でそのリストバンドを目視確認する。

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パークの再入場はFAQによるとできないとなっている。

Re-Entry into the Park
Tickets to SANRIO HELLO KITTY TOWN and THOMAS TOWN are only valid for single entry.

一方でPDF注意のRules & Regulationsには再入場ができるとなっている。

Please retain entry tickets at all times during visit to the Park. Tickets are required for re-entry into the Park on the same day.

どちらが正しいのか不明だが、自分が訪問した時点では前者のFAQしか読んでいなかったので再入場はできないものだと思っていた。

グリーティング

グリーティングでキャラクターが登場する時間は事前に決まっており、公式サイトのスケジュールで確認できる。場所はDream Photo Gardenという庭園内の小さな神殿みたいな施設で行われる。

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自分が参加したグリは、14時30分のばつ丸2回目、15時のキティ3回目、15時30分のメロディ2回目だけである。11時のキティ1回目には間に合わなかった。13時のキティ2回目の時はシナモンカフェで食事をしていたため遠くからチラ見しただけ。15分で帰るとは思っていなかったので、余裕こいて食事をしていたらキティは既に帰った後だった。

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キティの衣装がドリームレビュー2のレビューパートのものだった。この衣装はピューロランドで7年前の年末イベントがあった後のグリーティングで見たのが自分では最後なので、マレーシアの地で見られたことには驚かされた。

食事の関係で参加しなかった13時のキティは紫色の衣装だったので、この衣装とは別の衣装だった。OMOIYARI TO YOUの衣装だっただろうか。13時の時点では15時も同じ衣装だと思っていたため、カフェから望遠で写真を撮ることすらしていなかった。FacebookやFlickrやInstagramを探ってみると他の衣装のキティも見かけるので、時期ごとに変えていたりすると思われる。

グリーティングの時間は15分で、ピューロランドの20分や30分に比べると短めである。一応は整列形式ではあるが、キティ以外の時は列が途切れまくりなので、あまり整列形式という感じはしない。これは暇をしているばつ丸。

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グリーティングスケジュールにキティとしか書かれていなくてもダニエルがセットになっていることもある。少なくとも15時の時はダニエルとセットだった。11時の時はダニエルがいたかは確認できていない。またキャラによって出入り口が異なる。キティとダニエルはキティズハウスの裏口から直接フォトスポットに移動し、メロディとばつ丸はPurrfect StageとCinnamoroll Caféの間にある扉からフォトスポットまで歩いて移動する。

スタッフは決してゲストのカメラを預からない。スタッフに預けようとしていた人を何人か見かけたが、いずれも断られていた。自分のカメラで撮ってほしければ、同伴者や他のお客さんにお願いしなければならない。おかげで自分はいろんな人の写真を撮りましたよ。

(2017-09-05追記:撮影補助のスタッフがいたらカメラを預かってもらえる。撮影補助ではないスタッフは決してカメラを預かろうとしない。)

スタッフはCanonのデジタル一眼レフカメラであるEOS 7Dを持っており、それで撮られると整理番号を書かれた紙をくれ、Dream Photo Gardenの隣にあるKawaii Photo Centerで写真を購入することができる。またスタッフが揃いも揃って7Dを使っている理由は、かつてDream Photo GardenのスポンサーがCanonだったためだろう。

ミニショー

Purrfect Stageでキティ・ダニエルおよびダンサー数名のステージが1日2回開催されている。そして2回とも演目が異なる。ショー本編は10分ないしは15分で、本編が終わっていったんキャラとダンサーが袖に引いた後、整列させて出演者全員とのグリーティングになる。時間は5分。

Hello Kitty's Heartful Journey

ショー本編の時間は15分でダンサーは男1女3。マレーシアから旅を始め、ロシア、アメリカ合衆国、フランス、日本と巡り、各地でお友達を作るお話。

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録画はしたけれども設定が間違っていてピントが大きく外れている。それでも見たければ https://www.youtube.com/watch?v=yfb3wQ-xV5Q で。2013年に録画された https://www.youtube.com/watch?v=uo4m6x9j2aQ のほうが断然見やすいだろう。どうでもいいことだが2013年の頃はステージ上部の飾りがキティとミミィではなくエディとエミィだったようだ。

使用曲はどれも日本のサンリオでも使われていた曲で、歌詞は英語になっている。聞きなれた曲を、違う歌詞で違う演出で見られる楽しみ。

Hello Kitty's Starlight Sing-A-Long

ショー本編の時間は10分でダンサーは男0女3。家で歌って踊ることは好きであるが、ステージで歌って踊るのはやったことがないから出来ない、と躊躇しているキティを応援する話。

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今度こそは設定を間違えずに録画をしたが、2曲目の冒頭で数秒動画が切れてしまっている。それでも見たければ https://www.youtube.com/watch?v=IPHQ8xYSCDQ で。ダンサーが5人の時4人の時もあるようだ。

先のショーとは違いサンリオ曲ではない曲で構成されている。歌詞でググっても何の曲か分からなかった。

シナモンカフェ

館内にはシナモンカフェであるCinnamoroll Caféがある。

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メニューはこんな感じ。小さくて読めないと思うので、Flickr上で拡大して読んでください。

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自分はKitty Treasure WaffleとRainbow Creamを注文した。ワッフルは注文してから焼いてくれ、ワッフルに乗せるアイスクリームは6種類の味から選べる。やはり焼きたてはおいしい。一方のRainbow Creamは出来合いのものが出された。パサパサすぎてちょっといまいち。

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どれも値段がとても安く、最高額であるKitty Treasure WaffleとKitty Istimewa Fried Riceの2品はそれぞれ19MYR(約500円)ぽっちである。Rainbow Creamは12.90MYR(約340円)だ。なので注文した2品でもたったの840円しかしない。日本やシンガポールのキャラクターカフェだとこの3倍はする。

ただし安いがゆえの罠もある。安すぎるためにクレジットカードが使えないのだ。クレジットカードはVISAとMasterとAMEXが使えるが、20MYR(約520円)以上の決済のみで利用可能である。また現金はMYRのみでSGDは使えなかった。現金のMYRを一切持っていなかったし、シンガポールからマレーシアにバスで移動したため、普段の海外なら空港のATMでキャッシングするものだがそれが実行できない。Puteri Harbour内にはATMがあったようだが、Hello Kitty Townに入ってしまうとATMには行けない。

Puteri Harbour公式サイトのFAQには以下の記述があったが、Cinnamoroll Caféの運用はそうではなかった。クレジットカードやSGD現金の制限が写真購入やグッズ購入でもあるのかは不明。まあ最低金額が20MYR(約520円)と低いので特段気にする必要はないだろう。足りなければ商品を追加すればよい。

Following credit cards are accepted within the park: VISA, MasterCard, American Express and Debit cards. Payments in cash can only be accepted in MYR and SGD.

アクティビティ

Wishfull Studioではアクセサリをデコレーションしたりするアクティビティに参加できる。

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各アクティビティには1回ずつ参加でき、入場時に受け取るアクティビティカードにスタンプを押されることでアクティビティが実施済みかを管理している。日本からわざわざ来てやるようなことではなかったため、自分はどれにも参加せずアクティビティカードはまっさらなまま。

アトラクション

Hello Kitty's House

キティの家であるHello Kitty's Houseがある。これは何回でも入れる。家の中にはライブキャラクターのキティはいない。

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内装は2013年4月7日までピューロランドにあったキティズハウスや、現在も存在するハーモニーランドのキティキャッスルとだいたい同じ。部屋の間取りは、エントランス、リビング、キッチン、風呂、寝室その1、クローゼット、寝室その2の一本道となっている。この写真はエントランス。

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寝室に飾られている6枚の絵を自分は見た記憶がなかった。同じ絵柄が2017年5月時点のハーモニーランドのキティキャッスルにあるようだ。どちらが先かは分からないが、マレーシアではハーモニーランドよりも絵が大きく縁も切られていないので、マレーシアのほうが絵は見やすいと思われる。

Tea Cup Rides

ライド系のアトラクションはコーヒーカップのTea Cup Ridesが1つあるのみ。

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ヨーロッパ各地でもこれと同じものがある。マレーシアは屋内なこともありコーヒーカップの上にアジアっぽい屋根がつけてあった。コーヒーカップが回るときにどぎつい色で照明が照らされる。

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イギリスのDrusillas ParkにあるHello Kitty Secret Gardenで同じものに乗ったからスルーした。

Hello Kitty in Oz

ピューロランドのエンターテイメントホールやストロベリーホールでやっているゲーム型のアトラクション。入場する時刻が決められていて、その時刻までに並んでおけば入れる。アクティビティカードのスタンプ確認をしていた様子があったので、1日に1回しか入れないのかもしれない。

入場時刻が各時間の15分や45分といったところに設定されていて、入ってから15分以内に出てこられる確証がなかったため、今回は入らなかった。時間があるときにまた。

Friendship Land

Friendship Landは柔らかい地面のアスレチックで、ハーモニーランドのニンジャトライアルみたいなもの。3歳から6歳までの年齢制限があるので私は利用できない。遊び盛りのお子様を遊ばせておく場所としてよいはず。

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パレード

Candy Paradeというタイトルのパレードで、2017年3月に始まったばかり。今回の訪問の目玉。

ミニショーやグリーティングでは始まる前から人が集まるようなことがなかったが、パレードはそれらとは異なり始まる前から座り見と立ち見の両方が発生するくらいに人が集まっていた。リストバンドを見ると3階や4階からパレードの時間を目指して集まってきているようだ。ダンサーの登場数も多く、ダンサーの追っかけもいるようだった。

今回はバスの時間の関係で途中までしか見られなかったので、どのようなストーリーなのかはまだわからない。曲はサンリオの曲ではなく独自の曲のようである。屋内なのに泡だらけ。

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始まったばかりなためかパレード全編の動画を適当に探しても見つからなかった。前のパレードであるHappy Carnival Paradeは https://www.youtube.com/watch?v=rNb71SnK4Gchttps://www.youtube.com/watch?v=0qhnizyAhS4https://www.youtube.com/watch?v=Y33T7bwLt0M で見られる。

肝心のパレードを途中までしか見られなかったので、いつかまた見に行かなければ。

(2017-09-05追記:パレード本編は10分程度。本編の後にDream Photo Gardenに移動してキャラ含め出演者全員との撮影会が5分間開催される。)

無料エリアのグッズ売り場とカフェ

1階にグッズ売り場のOfficial Hello Kitty Merchandise Storeがある。Merchandise Storeはチケットがなくても入れるエリアになっており、いったんパーク側に入場してしまうと、パークから出る必要がある。パークは再入場はできないので、ショーやグリのあいまにグッズエリアに寄ることはできない。

この日はパレードを途中で抜け、すぐにバスに移動したため、Merchandise Storeを素通りしなければならず、どのようなグッズがあったのかは把握できていない。後になって思えば、朝のグリーティングにはどうせ間に合わなかったので、パークに入る前に無料エリアを回ってグッズを見ておくとよかった。

(2017-09-05追記:ショップにはHello Kitty Town限定の商品が多数ある。限定品以外では日本や香港の商品を扱っている。クレジットカードの最低決済額は30MYR(約780円)であった。)

また無料エリアにはRed Bow Caféというキティのカフェもある。メニューはCinnamoroll Caféと一部は被っているが別のものもあったと思われる。再入場できないので、入る前に寄るか帰る時に寄るかだ。写真はHello Kitty Townがある2階のマッサージルームから吹き抜け越しに見たRed Bow Café。

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Flickrアルバム

この日のFlickrアルバムは以下にある。