ポケモンのトキワの森に住むトランセルは他者に対して、愛を以て接することしかしらない。

他者に対して、憎しみを以て接することをしらないのだ。


だから、トランセルは“かたくなる”しか行なわない。


相手がいかなる攻撃をしてきてもトランセルは“かたくなる”しか行なわない。



憎しみは隣人愛にかてないことを必死にしめそうとするのだ。


ときには“ひのこ”をしかけられ身を焼かれ、死にいたっても彼らは他者に対して愛を以てしか接しない。


心無い人間がポケモンのレベルをあげるために彼らをレベルあげの道具として使う。



弱いポケモンから執拗に弱い攻撃をうけつづけた時、彼らは初めてたちあがる。



そして、“わるあがき”という攻撃を行なう。



彼らが初めて他者に対して暴力をつかった。



だから、彼らは自らの身を削る思いで攻撃するのだ。


この暴力は他者への憎しみからではない。愛故の行いなのである。彼らだって暴力は使いたくない。相手に暴力をふるうたびに、彼らの心は引き裂かれる。攻撃の反動である。



そして、今日も彼らは他者へ愛をそそぎつづける。







そして、その彼らを僕はリザードンの“かえんほうしゃ”で焼き払うのであった。