お客様は神様です

昔、そんな言葉が
ありましたね。


同じように
お医者さんは神様

父や母は
いつもそう言っていました。


私が幼い頃
盲腸になり
発見が遅れ 腹膜炎になり
救急車で運ばれ
緊急手術になり

無事手術を終えた時

父は
「ありがたくて、本当に
お医者さんが神様に見えた」
よくそんな話をしてくれました。


私が早期の子宮頸がんで
32歳で手術を受けた時も

「先生に後光が差して見えた」
やはり、父はしみじみと
そう言っていました。


話は変わりますが


主人は長い
プロ野球選手のキャリアが
ありましたので

沢山の監督の元
選手として仕えてきました。
(主人はそう表現していました)


よく記者さんに
聞かれた質問は

「沢山の監督さんに会われて
いい監督だなと思うポイントは
どこにありましたか?」
というニュアンスのものでした。


その時の主人の答えは

「自分を使ってくれる監督!」
と、この一言だけでした(笑)


それを聞いた時は
笑ってしまったのですが

その短い言葉は
本当に単刀直入で
真理をついているなぁ

と、後になって
じわじわときたことを
思い出します。

主人の言葉には
そういう不思議な魅力が
ありました。



だから、きっと

「いいお医者さんとは?」
と聞いたら

「病気を治してくれるお医者さん」
と、答えるでしょう。



がんは
早期に見つかれば
私もそうですが、根治が
可能な病気になってきました。

でも、なかなか
根治に至らなかったり
治療法を模索しながら
長い間付き合わなければ
ならない、主人のような
患者さんもいらっしゃいます。


そんな患者さんにとっての
いいお医者さんとは?

その答えは
なかなか難しいですね。


私は、主人と共に
がんの治療に向き合ってきて
色々感じることがありましたが

そこに
もう少し目が向けられて

お医者さんと患者さんの
間にある、見えない壁
のようなものが
(私は壁を感じていました)

無くならないまでも 低くなり
いい形で行き来できる
そんな環境が出来上がると
いいな、と思っています。


すっかり涼しくなりました。


窓を開けて
外の風を入れています。