・知覚・認知心理学を受験しました

 

受験した単位

知覚・認知心理学

 

受験した日時

2023年 7月15日(金)

 

場所

オンライン受験につき自宅

 

知覚・認知心理学とは

【講義概要】
人間は「考える」能力を持っています。考える能力には、大切な事柄を記憶する、問題を解く、どちらが良いか判断する、旅行の計画を立てるなど、意識的に考える能力のほか、見る、聞く、驚くなど、無意識的に考える能力があります。この「考える」ことが、広い意味での、知覚・認知機能なのです。知覚・認知心理学は、このような、「考える」ことを科学する学問領域です。この講義では、認知の低次過程といえる感覚・知覚や感情などの無意識的な機能から、問題解決や判断・意思決定などのより高次で意識的な認知機能のしくみを、その発達過程や障害も含めて、解説します。

【授業の目標】
知覚・認知心理学は、実証科学の一員です。実証科学とは、実験、調査、事例研究を通して得られた事実(エビデンス)に基づいて、仮説やモデルを考案・検証する科学です。この授業では、単に、人間の認知に関する現象や事実を体験し理解するだけでなく、それらの背後に潜む人間の認知のメカニズムを、いかに実証するか、その方法論も併せて理解することが、目標となります。それを踏まえて、公認心理師の基礎科目として、その知識と理解が深まることを期待します。

【履修上の留意点】
履修にあたって、予備知識は特に必要としませんが、中学や高校の理系科目の知識があると、理解がより深まると思います。ただし、実証科学の一員として、論理的な思考は、不可欠です。レポートを書くうえでも、論理的なストーリー展開が、求められます。また授業の予習復習に、印刷教材には学習課題を用意してありますので、それを活用してください。

各回のテーマと授業内容

第1回 知覚・認知心理学の概要
-「考える」ことの科学-


知覚・認知心理学は、広い意味での「考える」ことの科学である。「考える」ことには、「意識的」に考えることと「無意識的」に考えることがあるが、日常生活上で「考える」ことの例を挙げ、その事を確認する。「考える」ことがうまく働くためには、何らかの仕組みが必要である。そこで、情報処理システムに触れ、それが、「考える」こととどのように関連するか、理解する。
【キーワード】
意識的、無意識的、順問題、逆問題、不良設定問題、情報処理システム、逐次処理、同時処理

第2回 知覚・認知の神経的基盤
-脳が考える-


意識的にせよ、無意識的にせよ、「考える」ことの担い手は脳を含む神経系である。今回は、脳神経科学の観点から、特に、中枢神経系の構造と機能との関係を中心に、「考える」ことの基盤を説明する。今回の内容は、第3回で紹介する研究方法の一部を理解するための前提となる。
【キーワード】
神経、活動電位、シナプス、大脳皮質、ブロードマンの脳地図

第3回 知覚・認知心理学の研究法
-「考える」ことをいかに科学するか-


知覚・認知心理学は、実証的な科学である。実証という意味は、データを基に、自ら立てた仮説を検証していくことである。今回は、「考える」ことを科学する実証的な方法として、行動実験的方法、脳神経生理学的方法、神経心理学的方法等を説明する。

【キーワード】
行動実験、脳神経生理学、神経心理学

第4回 感覚のしくみ


人は周囲の環境から感覚器(センサー)を通じて外部情報を取り入れている。今回は、知覚・認知の低次過程として、いわゆる五感(視覚・聴覚・体性感覚・嗅覚・味覚)につながる感覚器の構造と、感覚が発生する仕組みを概説する。

【キーワード】
視覚、光受容器、暗順応、受容野、聴覚、蝸牛、可聴域、嗅覚、味覚、体性感覚

第5回 知覚のしくみ

 

私たちの意識の世界では、大抵のモノの形や位置、材質などは安定している。しかし、それは当たり前のことなのだろうか。今回は、視知覚を中心に、私たちが安定した知覚世界を得るための巧妙な仕組みを理解する。また、多感覚の統合や、知覚と行為との関係について、その仕組みを探求する。

【キーワード】
第一次視覚皮質、知覚的体制化、多義図形、アモーダル補完、ジオン理論、知覚の恒常性、トップダウン処理、行為、多感覚統合

第6回 注意のしくみ


私たちの情報処理能力には限りがある。そのため、認知システムは、当面の課題に必要な情報に限定して、精緻な解析を行うしくみを備えているようだ。今回は、人の認知システムで情報の選択の役割を担う「注意」について、分類、代表的な理論、それに関連する実験パラダイム、注意と脳について説明する。

【キーワード】
外因性注意、内因性注意、選択的注意、フィルター理論、視覚的探索、マルチタスキング、見落とし
 

第7回 記憶のしくみ


記憶は、知覚から推論まで他の「考える」認知機能とも深く関わっている。まず、記憶のプロセスと様々な記憶の特徴を整理する。そのうえで、情報処理の観点から、記憶の神経的基盤に焦点を当てる。臨床研究などで解き明かされてきた脳と記憶の関係について、脳のマクロ(構造)とミクロ(神経)の双方の視点から説明する。

【キーワード】
マルチストアモデル、ワーキングメモリ、忘却、干渉、海馬、宣言的記憶、手続き的記憶、シナプス可塑性、へブ則、長期増強、長期抑圧

第8回 日常の記憶


記憶は、人が生きていくうえで、自己そして他者との間に一貫性や連続性をもたらす、なくてはならない重要な認知機能である。しかし、その記憶はコンピュータの「メモリ」とは異なり、かなり「創作的」であり、特に日常の記憶ではそれが顕著に見られる。今回は、日常の記憶に関わる様々な事象を取り上げ、①どうすれば覚えられるのか、②何を思い出すのか、③なぜ記憶は変容するのか、を中心に人間の記憶と行動の関係を理解する。

【キーワード】
レミニセンス、デフォルトモードネットワーク、検索手がかり、フォールスメモリ、フラッシュバルブ記憶、スキーマ、事後情報効果

第9回 推論のしくみ


人間の高度な認知活動の根底には、「推論」機能が関与している。今回は、主として、代表的な推論様式である「演繹的推論」と「帰納的推論」について説明する。演繹的推論とは、論理的な推論であり、帰納的推論とは、事実を基にして一般化する推論である。

【キーワード】
演繹的推論、帰納的推論、三段論法、ウェイソンの選択課題、実用的推論スキーマ、仮説検証、ベイズ規則、非形式的推論

第10回 問題解決と熟達化


われわれは、常に、様々な「問題」に直面し、推論機能を用いて、それらを「解決」している。今回は、知覚・認知心理学で扱う「問題解決」の古典的な研究、問題解決のプロセス、洞察問題や類推に焦点を当てる。さらに、問題解決と知識・経験との関係を扱い、熟達化のプロセスを紹介する。

【キーワード】
良定義問題、情報処理アプローチ、ゲシュタルト心理学、問題空間、ヒューリスティックス、洞察、類推、熟達化

第11回 判断と意思決定


人間は、合理的に判断し、決定を下しているのであろうか。合理的というのは、判断が正しく、その決定は最大の利得をもたらすものである。今回は、まず、合理的な判断・意思決定としての期待効用理論を説明し、それと対比して、人間の意思決定の特徴とそれを説明する理論を紹介する。

【キーワード】
決定木、確率判断、価値判断、効用関数、期待効用理論、価値関数、プロスペクト理論

第12回 知覚・認知と言語


言語は人のコミュニケーションや思考の重要な道具となっている。今回は、音声言語に関する言語産出や言語理解のプロセスを、知覚・認知の枠組みの中で、理解することが目標となる。あわせて、言語と思考との関係、および、言語の基盤である脳・神経系の仕組みを通して、言語に関する理解を深める。

【キーワード】
心理言語学、言語表象、スピーチエラー、言語産出、言語理解、統語分析、ガーデンパスモデル、言語決定論

第13回 知覚・認知と感情


感情は、「考える」ことと密接に関係している。今回は、人の認知機能・認知行動に、感情(情動)がいかに関わるのかを以下の3点に絞り、脳機能との関連を含めて、説明する。①感情の基本的特性と理論、②感情が認知(記憶や判断・意思決定など)に及ぼす影響、③認知が感情に及ぼす影響(つまり、感情への認知の調整機能)。

【キーワード】
情動、気分、基本感情モデル、次元モデル、ジェームズ=ランゲ説、キャノン=バード説、気分一致効果、扁桃体、前頭前野

第14回 知覚・認知の発達


人間は生物学的「ヒト」に生まれ、社会に生きる「人」へと発達する。知覚・認知心理学では、その発達プロセスを受精から死にいたるまでの脳の構造や機能の変化に伴う「情報処理メカニズムの発達」として捉える。今回は、乳幼児期を中心に、前半は知覚の熟達化について、後半は他者の心を推論する機能について、それぞれ先行研究を基に理解を深める。

【キーワード】
シナプス刈り込み、可塑性、知覚の熟達化、知覚的狭窄、社会的参照、共同注意、心の理論、誤信念課題

第15回 知覚・認知の障害


最終回は、知覚・認知に関わる障害を取り上げる。障害の症候的特徴と脳との関係を考察することで、これまで第1~14回で取り上げてきた様々な心理学的事象のメカニズムについて理解を深める。理解を促進すべく、それぞれの障害について、神経心理学・臨床神経心理学を中心に関連諸領域の研究を交えて説明する。

【キーワード】
高次脳機能障害、失語・失行・失認、幻肢・幻肢痛、相貌失認、半側空間無視、読字障害、認知症、自閉スペクトラム症

 

参考にした図書

・テキスト 知覚・認知心理学

 

受験してみて

本試験日 天候:曇り 気温:32℃

 

なにげに難しかったです。

 

まとめ

まだまだ続きます。

 

備え

期間:

4月26日(水)-5月 7日(日) 

7月12日(水)-7月15日(土)

 

時間:

15時間程度

 

結果

8月18日(金)

結果通知を受け取りました。○Aの結果でした。