*写真… Lovely Planetより引用
GATEを出て
まず目に飛び込んできたのは、一輪の花を持った幼い子供達の姿だった。
結構な数の子供達がそれぞれ花を手にして、アメリカ側から来る車🚗の窓を叩いて回っている。
というのも
GATEを潜ってもまだまだ渋滞していてなかなか前に進まず車もノロノロ動く程度の速度だったのだ。
私達の車の窓にも幼い女の子がきた。
大きな黒目がちの目。
肩まである焦げ茶色の髪の毛が埃を被って頭頂部が白く霞んで見えた。
あんなに美しかった空や海の色までGATEをくぐったとたんに違った色に見える。
少女が
トントンと小さな手でノックする。
思わず窓を開けかけたその時、
「NO‼️」
と強い口調でパパに言われ慌てて閉めた。
一瞬開けた窓から、
車の排気ガスと埃っぽさに
腐った生ゴミの臭いが混ざった様な異臭が入って来て思わず顔をしかめた。
パパが言うには
あの子達はホームレスで、雑草の花を摘んでは旅行者に売っているらしい。
一輪いくらかは忘れてしまった。
確か日本円にして5円位だったと思う。
そう言われて周りをよく見ると
道端にお母さんらしき人達が
所々に居て胸をはだけ、
赤ちゃんにおっぽいをあげていた。
パパが続けて言う。
「あの子供達の母親は
自分の子供に花を売らせている。
自分達が売るより、
幼い子供に売らせる方が比較的よく売れるからだ。
それでも殆ど売れる事はない。
何故なら皆んな買わないから。
1人から買うと皆んながその車に殺到して大変な事になる。
だから窓を開けてはいけない!」
「……」
何と言って良いのかわからなかった。
あの時の気もちを文字で表す事など出来ない。
敷いて言えばショックだったとか、やるせないとか悲しいとか…そんな言葉しか並べられない。
実際にテレビ📺でそんな光景は観たことがあったが、テレビで見るのと実際に自分の目で見て肌で感じるのとは全然違った。(臭いも含めて)
そして日本🇯🇵という国に
たまたま生まれ落ちた自分の幸運を想った。
それから暫くして渋滞が解消され
街中を巡りながら車で走り
私達でも入れそうなレストランを見つけてランチを食べた。
その間も私達はあまり喋らなかった。
普段お喋りな友人も別人の様に口数が少ない。
どこもかしこも埃っぽく何となく異臭があり正直早くアメリカに帰りたかった。
その私達の気持ちを察したのかランチした後
「帰ろうか?」
という事になり
また先程のGATEのある道へ。
そこも車は渋滞し
同じ様にお花売りの子供達に車の窓をノックされた。
私達はやるせない想いで
ずっと下を向いていた。
早くこのGATEを超えたかった。
全然車が進まない。
その間にも色んな子供達がその小さな手で窓を叩く。
「どうか、お花を買って下さい。私達は食べる事が出来ません…」
「ごめんね…」と心で詫びた。
そしてやっとGATEをくぐり
無事アメリカ側に渡る事が出来た。
渡った途端、心の中の重い物がふっと軽くなった気がした。
アメリカ側の海の色や空の青さは
行きと変わらずとても美しかった。
そして
あんまり美しくて涙がこぼれた。
〜続く〜
