昔は娘さんたちが花嫁衣裳の、一つとして、生け花を習っていた。我が家の父も、鍛冶屋でありながら、
華道の先生と、茶道、謡曲のお弟子さんが、御稽古に来られていた。
頑固な一面、風流なところもある親父だった。74歳まで私の行きつけのスタンドで
はじめてカラオケにであった。
そのころは、歌詞カードを見ながらの時代だった。
目も悪かったので孫に大学ノートに大きく書いてもらっていた。
謡曲で鍛えた喉で高音の歌も平気でした。カラオケの覚え始めに,
親戚の結婚式で、いつもは謡曲の高砂や、から始まる定番があるが、
覚えたての{浪曲子守唄}を唄って、終生の語り草として残っている。
そんな親父も84歳で他界した。今頃は良くしてもらったお弟子さんと、
好きな酒を飲みながら、歌でも歌ってコロナもしらづに、
楽しく暮らしているいるだろう。
このはさみは、未生流庵家さんが、独自に職人さんに作らせた物と
思われます。どっしりと重く、持ち手にも細工がしてあり、よく考えてあります。
余談になりますが、
家元さんの何らかの行事にまとめて親父が鋏を送っていた記憶があります。
物の流通には色々あるものだと感心した。
大きな取引は無かったが、商売にはそれに近い取引があるのもだ。
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大貫刃物研ぎ処
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