タイトル:家が売れた

22年住んでいた家が、ついに売れた。

「良かった」——その気持ちが真っ先に湧き上がる。同時に、どこか寂しい気持ちもある。長年暮らした家と別れるというのは、想像以上に複雑だ。

今回の決断の目的は、住宅ローンからの解放税金からの解放そして、好きな場所に自由に移住できる未来のため

来年2月末に引き渡し予定。まだ先のようで、きっとあっという間なのだろう。


22年間暮らした家は、都内から少し離れた場所にある。駅からはバスで30分。車がないと買い物は不便で、誰もが敬遠しがちな立地かもしれない。

だけど——

静寂さは何よりの魅力だった。都内の街道沿いに住んでいた頃の騒音とは比べものにならない。最初は「毎日が日曜日みたいだ」と感動したものだ。静けさが心に染みた。

しかし、妻の希望は「もっと便利な場所」。駅チカ。賑やかすぎなければいいけれど、という思いもある。


今回の購入者は、定年退職を迎えた夫婦。これからの老後をゆっくり過ごすために、この静かな場所を選んでくれた。

ローンに縛られた22年から解放される。そう思うと、肩の力がふっと抜けた。

ただひとつ、まだ答えが出ない問いがある。


— 私の引退は、いつになるのだろう。