にほんブログ村 地域生活(街) 中部ブログ 知多情報へ
にほんブログ村

1 知多 春の山車まつり(中日新聞より)
 知多半島に待望の山車まつりの季節が訪れた。週末ごとに各地で華やかに飾られた山車が勇壮に引き回され、春の訪れを告げる。(中日新聞3月18日)
 今年の七市町36地区の日程は、例年と異なるところがあるので注意を!

知多の山車まつり地図   山車まつり日程

2 山車からくり(中日新聞より)
山車からくり(中日新聞)
菊池健策氏
「山車まつり」に係る説明は、菊池健策先生が書かれています。先生は定年退官後、愛知県文化財保護審議会委員に就任されました。
 本文とは直接関係ありませんが、大野谷文化圏活性化推進委員会は紅葉車からくり人形復元修理に関して平成24年8月、菊池先生から「現在あるからくり人形の一部を使用して復元修理することが望ましいが、専門委員会の結論を尊重する」とのアドバイスをいただきました。そして、平成24年11月、紅葉車からくり人形修理に関わる専門委員会委員長鬼頭秀明先生(当時、愛知県文化財保護審議会委員)から、「常滑市有形民俗文化財であるからくり人形を修理し、常滑市無形文化財である『あやつり人形芸能』を後世に伝えるためには、復元修理ではなく『復元新調』することが必要である。」との答申を頂きました。その後、平成25年6月、橋詰町正・副町代の都築・大江氏に了承を得て、岐阜県大垣市在住の人形師後藤大秀先生に人形の復元新調を依頼しまた。


  彫刻、染織、金工、からくりなど、あらゆるものづくりの原点が息づく「山車・からくり人形」。その魅力を十二分に引き出す、祭囃子演者や曳き手たち祭人の心意気。まさに山車祭りは、他に類を見ない「技術と芸術の集大成」といっても過言ではありません。
 記録の上で山車が初めて登場するのは祇園御霊会(現在の祇園祭)だといわれています。室町時代以降各地に広がり、地域ごとの特色を備えながら今に受け継がれてきました。
 現在、日本全国に分布する山車の数はおよそ五千。特に中部地方は国内随一の集積地となっており、今なお多くの山車・からくり人形が現存しています。

地域と密接に結びついた「総合芸術」
 「祭り」とは本来、豊作や疫病退散などを祈願する宗教的色合いが濃いものでした。その際、お迎えした神様を賑やかにもて囃すために作られたのが「山車」であると考えられています。
 ここ中部地方は特に「山車」文化が盛んな地域。犬山祭や高山祭のように、数十万人に及ぶ見物客を集める大きな祭りから地域の小規模な祭礼まで、それぞれの伝統を守りながら今に受け継がれています。
 中部圏の山車で特徴的なのが人形山、つまり「からくり人形」を載せていること。ひとくちに山車からくりといっても地域ごとに特色があり、例えば知立まつり(愛知)では、からくり人形芝居と人形浄瑠璃(山車文楽)が同じ山車の上で演じられる珍しい光景を見ることができます。もちろん名古屋、犬山、知多をはじめとする各地域の山車からくりは、一つとして同じものはありません。個々のからくり人形の精巧な動きと美しさ、そして物語性にぜひ注目してください。
 様々な技術・芸術の集大成とも言える山車。工芸品という視点で見ると、そこには木工、金工、彫刻、漆工、染め、織りなど、実に多くの技が活かされていることがわかります。例えば彫刻では立川一門や彫常一門などの流派があり、幕では有名な絵師の作品が題材になっていたりと、山車ごとに異なる特色を比較しながら見物するのも山草祭りならではの魅力です。車輪部分も地域によって違いがあり、名古屋型は山車の構造体(台輪)の外側に車輪が付けられているのに対し、知多型は内側に付いています。こうしたちょっとした相違を覚えておくと、山車祭りへの興味が一層深まるでしょう。
  山車は基本的に地域内で作られ、受け継がれるもの。発展・定着するには、その土地に一定以上のものづくり文化が熟成していなければ成り立ちません。こうした意味で、伝統的にものづくり精神が息づく中部圏に山車やからくり人形が集中して存在することは、けっして偶然ではないでしょう。
 山車祭りの見どころは、山車そのものの美しさだけではありません。巡行にかかわる多くの祭人たちの心意気にこそ、祭り本来の醍醐味があります。まず注目したいのが、山車巡行を指揮する「宰領(さいりょう)」。その人の合図で動いたり止まったり、曳き回しの成否を担う重要な役割です。
 山車の向きを変える「どんでん」も祭りのハイライトの一つ。この方向転換の方法も地域により様々で、装束を身につけた晴れがましい男たちの最大の見せ場でもあります。そして山車祭りを賑やかに、ときに厳かに演出する祭囃子演者も見逃せません。季節の訪れを告げ、郷愁を誘う笛や太鼓の音色は山車祭りに欠かせない要素です。
 祭りは見物する人たちも含めて成り立つもの。今まであまり興味がなかった方もまずは実際に訪れ、雰囲気を味わってみてください。山車祭りが数百年にわたり伝え続けてきた文化と心に触れることができるでしょう。