最近、あるベンチャー企業の社長と話しをする機会があった。その社長は「今度、中国人の留学生を入社させる事にしました。彼には日本の学生にない目の輝きがあるので、すごく気に入りました。」と嬉しそうに語っていた。日本人の学生も何人か面接したが、覇気がないという理由で不採用にしたそうである。中国人留学生は、日本人学生が昔忘れてしまったハングリー精神というものを根強く持っていると言われている。実際、大学の先生が中国人学生を前に講義をすると質問攻めに遭うなど、中国人学生の向学心の強さには脱帽したという話はよく耳にする。

 

中国から海外へ留学する学生の数は毎年10万人を超える勢いで急増している。留学生は海外の大学や大学院で習得した知識や技術をもとに現地の外資系企業へ就職する者やベンチャー企業を起こす者など様々であるが、最近の傾向として中国に帰国する例が増えている。

2003年の帰国留学経験者数は約2万人と前年比12.3%の増加となった。1990年代はその数が毎年1万人に満たない状況にあっただけに、優秀な帰国留学経験者の増加は中国経済に少なからぬ影響をもたらしているようだ。 

帰国留学経験者は、「海亀派」と言われ、研究機関での先端研究者として迎えられる者、国家中枢機関の主要ポストに就く者、ベンチャー企業を創業する者など、その活躍が大きく期待されている。中国政府は帰国留学経験者の増加を図るため経済面、生活面等で多くの優遇策を講じた。中でも留学人員創業園というインキュベーターを活用してベンチャー企業を起こす者も少なくなく、創業された企業数は5千社以上とも言われる。 

 

中国留学生の就職先として日本企業は他の欧米の企業に比べて人気が薄いという話がある。たとえ実力があっても日本人でないからという理由で昇進できても役員までは望めないという認識があるようだ。 そこで、先ほどの社長に「採用した中国人留学生が優秀な場合、将来は役員として抜擢する可能性があるのですか?」と聞いたところ、社長は「勿論です。」と答えた。どうやら、このベンチャー企業であれば、その留学生にとって働き易い環境が用意されているようだ。

優秀な人材の採用・確保が難しいベンチャー企業にとって、日本人学生が期待できないとすると、この会社のように優秀であれば国籍は問わないという人事方針も選択肢として大切なスタンスではないかと感じさせられた。

 

日本における社長の平均年齢は、ここ数年上昇を続け59歳9か月と、過去最高齢に達した(帝国データバンク調べ)。厳しい経済環境下、高齢の企業経営者が現役で活躍されている姿には頭が下がる思いである。しかしながら、そろそろ現役を退くことを準備し始めている経営者も少なくないだろう。今後、特に経営支配株を保有するオーナー経営者の企業では、如何にスムーズかつ効果的な方法で、次の世代にバトンタッチしていけるかが重要なテーマとなる。

オーナー系企業の事業承継を考える上では、「経営の承継」、「株式の承継」、の2点について充分な検討をしておく必要があると考える。この2点の引継ぎは単独で考えるのでなく相互に密接な関連があるため、総合的に判断する事になる。各々についての概要と留意事項を以下に説明しよう。

 

一つ目の「経営の承継」とは、新しく経営を取り仕切る社長を誰にするかである。現オーナーの在任期間が長期間である場合は、社内の意思決定方式や取引先との関係など多くの点で属人的に運営されてきたケースも散見される。その場合、新社長は引継ぎ後、経営ススタイルの大きな変更を迫られる。組織的な経営体制を構築することにより、ステークホルダー(役員・従業員、取引先、金融機関等)との信頼関係を醸成し、事業の発展に寄与する経営が望まれる。

ところで後継者については、一般的に子息を選択する例が多いと思われるが、昨今はオーナー系企業の中核をなす中小企業において、役員、従業員、他社など親族以外に事業承継させるケースが増えているようだ。親族外に承継させる理由には、「適任となる親族がいない」、「親族に継ぐ意志がない」などの理由があるのだろう。

会社の将来を思うならば、経営者を選ぶ際は、親族、親族外を問わず、真に引き継いだ後の会社を発展させてくれる「経営能力のある人材」を広く検討し、登用することも一考である。

 

二つ目の「株式の承継」とは、当該企業の株式を誰に引き継ぐかである。計画的な相続対策を施していないケースでは、法定相続の繰り返しにより株式が親族で分散する可能性がある。株式の分散化は、不幸にも株主間の対立が起きた場合、経営の不安定化を招きかねない。オーナー系企業では経営支配株主を社長が保有している場合が多いため、自分が元気なうちに、当該企業の株式を誰にどの程度保有してもらうべきかを検討しておきたい。特に経営を任せると決めた親族には、株主としての権利が行使できる一定規模の株式を譲り渡すなどのメリハリが必要となろう。親族以外に事業承継させる場合、株式そのものも譲渡してしまう手段もあり得る。そうした観点からMBOやM&Aといった手法が事業承継の解決策として注目を集めている。親族以外に、役員・従業員・社外招聘人材の中に経営者候補がいる場合は、MBOが有効であろう。MBOとは、Management Buyoutの略で、経営陣等が中心となり友好的に自社を買収することである。当該企業の事業を知り尽くす経営能力が備わった承継者が株式も保有する事で、機動力のある事業運営が期待できる。ただし、一般的に承継者にとって、株式購入資金は多額であり、資金面の壁があるため金融機関や投資ファンドなどの活用も必要となる。

 

一方、親族内外に後継者候補が皆無の場合、廃業という最終手段を選ぶことがない限り、会社の売却も、検討すべき選択肢の一つであろう。ここ数年は、中小企業のM&A市場も活況となってきている。社外の経営者に会社を譲り渡す場合は、売却金額の多寡ばかりでなく売却後の会社運営方針について(例えば従業員の処遇など)、納得できる買い手なのかを充分に見極めた上で推進してほしい。

事業承継を円滑かつ迅速に進めるためには、外部専門家の活用が有効となる。中小企業庁の調べによると約68%の中小企業経営者が経営課題について、顧問税理士・会計士に相談しており、同じ会社の役員や従業員へ相談するケースは僅か35%程度という結果であった。身内の社員よりも社外の専門家を相談相手に選んでしまう背景には、経営者と顧問先との親密な関係が伺える。よく、経営者は孤独であると言われる。最終的な経営の意思決定を自らで下さなければならない。そのプレッシャーは計り知れないものがあろう。日常的に資金繰りや税務の相談等を通じて信頼関係が構築された顧問税理士・会計士は最も身近で、資産節税対策から娘の縁談といった私的な内容まで腹を割って話しができる貴重な存在になっているのだろう。

 

特に「事業承継」というテーマは、今まで税理士のお家芸と言える分野であった。しかしながら、相続対策は勿論のこと、MBOやM&Aといった新しい承継手段も一般化し、デューデリジェンスの対処方法や後継者教育のあり方、円滑な経営引継ぎの方法、各ステークホルダーを意識した新中期計画策定の手法など相談対象となる分野は拡大し、その内容も複雑化・高度化している。もはや、顧問税理士の先生に何でもお願いするといった従来の手法だけでは解決できないケースも出てこよう。

日本経済が低迷する中、次代を担う経営者には、新たな市場を切り拓き経営革新を図る強いリーダーシップを発揮してもらいたい。事業承継は、まさに経営トップが交代し、新たなリーダーのもとで当該企業が生まれ変わる最大のチャンスである。現経営者には、真に経営能力を備えた人材を見極め、これぞという人材に経営を担わせてほしいものだ。

 

日本でもようやくカーシェアリング(以下、カーシェア)が普及してきた。交通エコロジー・モビリティ財団によると今年の1月時点で全国のカーシェア用車両の台数は3,911台、会員数は73,224人となっている。車両台数は前年の3倍、会員数は前年の4.5倍と大幅な増加ぶりである。

わが国のカーシェアリング車両台数と会員数の推移

カーシェアとは、1台の車を複数の会員で共同利用する形態の事である。
レンタカーとの大きな違いは、利用時間と貸出方法であろう。レンタカーは比較的長時間・長距離利用を前提としているが、カーシェアは短時間・短距離利用を前提としている。また、貸出方法について、レンタカーは「対面貸出し」だが、カーシェアは「無人貸出し」である。「無人貸出し」の場合、レンタカーの申込みや料金支払いなどで貸出店員の介在が一切ないため、車さえ空いていれば、自家用車に近い感覚で即利用できる。


近頃は、大手企業のカーシェア事業参入を背景に、駅の近くや住宅街、コンビニ、マンションなどに続々とカーシェア拠点が設置されている。また、携帯電話による利用直前のネット予約や24時間利用など利便性も向上してきた。
最近、私も徒歩3分圏内にカーシェア拠点ができたこともあり、あるカーシェア会社の会員となった。私自身は自家用車も所有しているが、駐車場が歩いて20分もかかるため、長距離や長時間使用の際は自家用車、短時間のちょい乗りの際はカーシェアを利用するという使い分けをしている。
実際に利用してみて、子供の送迎など日常の用事を済ませるのに大変便利なサービスだと実感する事ができた。更に、自家用車やレンタカーでは感じたことのない新たな二つの「気付き」もあった。


一つ目は、「共同利用会員としての自覚」である。カーシェアは、会員による共同利用のため、会員相互扶助に近い気持ちでないと他の会員に迷惑をかけてしまう事がある。先日利用した際、前利用者の飲み残しの缶コーヒーが置きっぱなしであった。レンタカーであれば店員さんが清掃済みの車を用意してくれるがカーシェアはそうでない。会員一人一人が共用の車を大切に扱うという精神がなければ、心無い利用者の行為が他の会員の不満指数を上げることに繋がる。ガソリンが不足していれば給油する、リクライニングを戻す、予約時間をオーバーしないなど最低限のモラルを守り、次の予約会員に気持ちよく利用してもらうための配慮が必要になろう。


二つ目は、「時間に対するコスト意識の自覚」である。カーシェアの料金システムは、利用した時間で課金される仕組みである。レンタカーのように8時間とか24時間といった長時間でなく、数十分単位での課金となる。よって、いかに目的を所定の時間内で達成できるかを事前に検討する必要があるわけだ。目的地に到着してから駐車場に入れた場合、食事や買い物といった車を使っていない時間も課金されるため、用事を効率的に済ませようという意識が高まる。自家用車の所有コストに比べればはるかに安い料金で利用できるのに係わらず、借りている時は常にコストを意識してしまう。
以上2点はあくまで個人的な感想であるが、カーシェアを今後利用しようと思っている方やカーシェア事業者の方に少しでも参考になればと思う。
日本のカーシェア市場は急ピッチで拡大してきているとは言え、6カ国で比較すると歴史は浅く、まだまだ発展途上段階にある。今後の更なる成長に期待したい。

 

1月10日は、私の誕生日です。

寒い朝に起きると、喉が痛い。「あっ、やばい」と風邪の初期症状をいかに克服するかを思案します。お茶でうがいしたり、カイロを身に着けたりと地味に家で過ごすことにしました。

せめて、ランチをかみさんと行こうかと、かみさんに「今日は何の日でしょう」と質問したら、わからないと言われてしまいました。「誕生日だよ」と言うと忘れてたと照れ笑い。さらに今日はママ友でランチの予定だから一緒に行けないと言われる始末でした。

愛犬モコだけが、祝福してくれました。

 

めげずに、これから1年はいい年にしたいと思います。