渋谷駅が変わります。

東横線が所沢や川越と繋がってしまうので便利になりますね。私はあの東横線渋谷駅が無くなってしまう事に寂しさを覚えます。終着駅は、出会いや別れのドラマに出てくるシーンが似合います。今後はただの通過する駅になってしまうんですね。学生時代、東急東横店の中村屋で肉まんを販売する仕事をしていました。
仕事が終わってから、店長さんにガード下の一杯飲み屋に連れて行かれて、これから社会人になる心構えなどを教わったものです。当時の私と言えば、仕事はいい加減ですし、休みがちで、忍耐もなく、こんな学生が社会でやっていけるのかなと思ったんでしょうね。もはや、当時の場所に中村屋はありませんし、店長さんも多分定年されている年代です。そしてとうとう現在の終着駅も無くなってしまうんだなとしみじみ感慨深くこのブログを書いています。

 

今日の新聞でNECが携帯電話事業から撤退する記事がでていました。

携帯電話の歴史を思い起こすと、ドコモでNECが出したNシリーズは、業界最初の折りたたみモデルでした。現在はスマホが主流ですが、以前のガラパゴス携帯といえば、ほぼ全員が折りたたみ携帯を持っていましたよね。まさに栄枯盛衰です。今から10年以上前、経営コンサルタントをしていた頃に、設立されたばかりのストロベリーコーポレーションという会社を上場できるかについて社長から相談を受けた事があります。この会社は折りたたみ携帯やノートパソコンのヒンジというバネを作っていました。ちょうど、NECのNシリーズが売り出された頃で、折りたたみが少しブームになりかけていました。

私は、今後の携帯は大部分が折りたたみになるという予測をたてて、この会社を上場させるべきだと大和証券の公開引受部を巻き込み、とうとう上場させてしまいました。業績も読み通りウナギ登りでしたし、株価もITバブルの影響もあり随分と高騰しました。実は、現在この会社は業績不振で上場をやめてしまいました。全く折りたたみ携帯が売れなくなったのが大きな理由です。そんな経験があったので、今日の新聞記事は感慨深く読みました。

 

先週、奈良へ一人旅をしてきました。

法隆寺や薬師寺を訪れるのは高校の修学旅行以来です。1300年以上前に建てられた木造建造物や仏像はやはり圧巻でした。ところで、学生時代に薬師寺の思い出はお坊さんの説法がお笑い芸人のように面白かったという記憶です。奈良の思い出と言うと真っ先に思い出すのは、その事ばかりでした。あの時は、お坊さんが、「東京タワーは電波を飛ばしますが、薬師寺は鳩を飛ばします」みたいな話しに大笑いした覚えがあります。

今回、数十年振りに薬師寺を拝観してみると、何とお坊さんがお堂で偶然に説法をしています。お堂には40人ほどのお年を召した観光客が座っており30代位のお坊さんの話しを聞いております。途中から座って聞くと、これが落語家のように絶妙な話術で笑わせてくれます。ためになる話しあり、ボケやブラックユーモアありであらゆるテクニックが駆使されています。薬師寺はやはりお坊さんが親しみやすくて楽しいです。説法の最後にお堂や五重の塔の修復に多額のお金がかかり寄付が必要で、写経のセットを販売するので買って下さいと言われました。奈良時代はまだ寺が葬式をする風習がなかったため、寺には一切お墓がないそうです。ですから寺の収入源は拝観料とお守りなどの販売、寄付しかないようです。薬師寺は国宝が沢山ある寺ですが、法隆寺ほど古くはないし、東大寺みたいな大仏があるわけでないので、奈良での集客のポジショニングが微妙だとおっしゃっていました。

薬師寺のお坊さんの説法が面白いのは、建物や仏像の魅力だけでなくお坊さん自体を商品として顧客に訴求しているんだということが分かった気がします。私は、話術が素晴らしかったという理由だけでなく、応援したいという気持ちで、つい写経セットを二千円で買ってしまいました。他社とのポジショニングを認識して、自社のドメインを定めるところに学ぶべき点がありました。

 

実現性は疑わしいですが「首都圏の鉄道24時間化」構想があるそうです。

終電を気にしないで飲みに行けるとなれば、必要経費枠の拡大と相俟って、ネオン街は今より賑わう事になると思われます。バブルが再来するのでしょうか・・。日本がバブルだったあの頃、2次会3次会は当たり前で、終電後はタクシーをつかまえるのが一苦労でした。タクシー乗り場での長い行列や空車で走っているタクシーに群がる酔っ払いの姿を思い出します。

今回、電車が24時間化すると財布を傷めないで家に帰る事ができるので個人的には大歓迎ですが、一番打撃を受けるのはタクシー業界だと思います。たとえ景気が良くなってきても、電車を利用できるますます長距離でタクシーを利用する客は減る事でしょうね。景気回復の局面でも泣き笑いはありそうですね。

 

先日、静岡市の常葉大の学生さん向けに会社選びについて話しをしてほしいとの要請があり、約1時間半の特別講義をさせて頂いた。

 対象は主に大学2年生の生徒さん50人。就活にはまだ早い時期だし、授業以外はクラブ活動やバイトで忙しい若者に何を伝えようかといろいろ悩んだ挙句、以下の主旨のレジメを作成して思いっきり熱く語ってみた。

  • 1964年の東京オリンピックの時代から2019年までの経済状況と学生の就職人気ランキングの変遷を解説した。例えば、1964年は化学や繊維企業の人気が高く、1985年の自分の就活時代は日本IBMなどコンピューターメーカーの人気が高かったが、今ではGoogleなどIT企業の人気が高いなど、常に上位企業は入れ替わっていく。
  • 経済の変動やテクノロジーの進化により、現在の価値観は30年後には全く別の価値観になっている。自分の就活時代には、ソフトバンクもアマゾンもユニクロもなかった。つまり、現時点では想像できない優良企業が将来も誕生していくだろう。
  • だから、新たな変化の波にうまく乗り切れる「生きテク」を身に着けてほしい。社会人になっても、自分磨きをしていくことが大切である。
  • 皆さんが、今熱中している事やこれから経験する仕事が、いつか点と点で繋がることがある。一つの仕事を大成した時に、感じる瞬間だろう。だから、どんな仕事を選択しても、その仕事をまずは一生懸命に取り組んで欲しい。(点と点が繋がるという内容は、ステーブジョブズの講演から引用した)

 ランチ後の授業だったので、居眠りする生徒さんがいるのではと心配していたが、質問すると手を挙げて応えてくれる生徒さんや熱心に聞き入る女子生徒さんも多かった。グループで「生きテク」で必要なスキルとは何だろうというグループ討議も楽しそうに取り組んでくれた。

 常葉大学の草薙キャンパスは、私の子供の頃に住んでいた小糸製作所の社宅からほど近く、何とも地元の後輩に少しでも役に立てたかもという気持ちで帰路についた。

 

先日、アカデミー作品賞に輝いた「グリーンブック」を観ました。

グリーンブックとは黒人しか泊まれないホテルリストを載せた旅行ガイドのことです。

1962年のアメリカ南部では人種差別がひどく、黒人が利用できる施設は限られていました。そのような時代に、車で演奏ツアーをすること自体が非常にリスクのある事でした。

「黒人ピアニスト」と「差別主義者の白人運転手」の2人が最初は反発しながら、徐々にお互いを理解し合える関係になっていく過程が描かれていて、非常に感動的な作品でした。

1981年、私はアメリカに行きました。この映画の舞台になった時代から僅か20年後です。グレイハウンズという長距離バスでカントリーミュージックの聖地ナッシュビルを目指し、アメリカ南部を旅しました。当時のアメリカは景気が最悪で、特に南部の街は浮浪者も多く荒廃していました。

旅の途中、ニューオリンズの小さなシーフード店で食事をしたところで、大変な目に遭いました。料金を支払おうと店主のおばあさんにトラベラーズチェックを出したところ、「こんなトラベラーズチェックは見たことがない。現金で支払え」と言うのです。

当時は、東京銀行のみがトラベラーズチェックを発行していたのですが、アメリカ南部では余り流通していなかったようです。そもそも日本人が少なかった時代です。

現金を持っていなかったので困惑していたところ、店主は受話器のダイヤルに手をかけて警察に電話し始めました。絶体絶命の中、靴底に50ドルを隠していたことを思い出したのです。とっさに靴からお金を取り出し、支払うことができました。緊急用に隠し持った50ドルが私を助けてくれました。

もし警察に無銭飲食で捕まっていたら、すぐには釈放してくれなかった可能性もあります。

「グリーンブック」を観ていると、黒人ピアニストが何度か警察に捕まるシーンが出てきます。黒人というだけで警察からマークされるのですが、妙に昔の自分と重ね合わしてしまいました。

 

皆さんは、今でもラジオを聴いていますか?

 このような質問をすると、多くの方は「今はもう聴かなくなった」と答えるのではないでしょうか。

 実を申しますと、私は大のラジオフアンです。毎日2時間近くは聴いているヘビーユーザーなのです。特に朝のラジオ番組はビジネスマンに取って隠された情報の宝庫だと思っています。TBSラジオ、文化放送ニッポン放送の早朝番組を今回お勧めしたいと思います。

 1.TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう一直線」 午前5時から6時半 

    生島ヒロシの個性が発揮される長寿番組です。健康情報が満載で、順天堂大学の小林教授や諏訪中央病院の鎌田先生などテレビでも有名な医者が沢山出てきて健康情報を伝えてくれます。文化情報も充実していて、山本益博のグルメ情報や温泉観光情報、最新映画情報などもあります。経済情報では、森永卓郎寺島実郎などの解説者が登場します。

2.文化放送おはよう寺ちゃん活動中」 午前5時から7時 

    経済情報にとにかく強い番組で、日替わりで経済の専門家が出演します。その他、雑誌の紹介コーナーがあります。特に毎週木曜日は、週刊新潮週刊文春の発売日なので、週刊新潮はデスククラスの方が出演して読みどころの解説をし、週刊文春は新谷編集長がスクープ情報を解説します。競合する2社が同じ番組に出て、相手の悪口を言うのも聞きどころです。

3.ニッポン放送飯田浩司のOK!Cozy up!」 午前6時から8時 

    文化放送に対抗するように、最近この時間帯に夕方枠から引っ越して来た政治経済情報番組です。日替わりのコメンテーターは癖が強く、須田慎一郎や高橋洋一など歯に衣着せぬ解説者が多いです。司会の飯田アナはまだ30代ですが非常によく勉強していて感心します。

    以上の番組は時間帯が重なっていますが、チューナーダイヤルを回しながら聴き比べています。聴き終わると不思議に政界情勢や経済動向については専門家になったような気がします。

   もし、ご関心を持たれたら、久し振りにラジオの電源を入れてみませんか。

 

 カルロス・ゴーン被告が逮捕された事件は、世間を驚かせました。これから事件の真相が明らかになっていくと思います。

 今回、逮捕に動いたのは政治家汚職、脱税、経済事件などを独自に捜査する「日本最強の捜査機関」とも呼ばれている東京地検特捜部です。

一般的に東京地検特捜部という名前を聞いたことがあっても、なかなか普段の生活で係わる事はないと思います。

 実は私、東京地検特捜部から捜査協力を依頼された経験を持っています。その体験談を今回お話ししたいと思います。

  以前の会社で働いている時に一本の電話がありました。電話を取ると、「東京地検の〇〇ですが、以前〇〇株式会社の株式鑑定評価をされましたね。お話しをお聞きしたいので、東京地検までいらして下さい。」

 突然の電話に動揺しました。詳しい話しを聞いてみると、〇〇株式会社の増資に関して詐欺事件が起き、その捜査をしている中で、自分が作成した株式鑑定評価書が詐欺に使われたとの内容でした。

  出頭日が来ました。重い足取りで永田町に向かいます。東京地検の入り口は厳重な警備に守られていましたが、ビルに入ると一転、静寂と薄明りの広がる別世界でした。色が一切ないモノトーンの暗い廊下が続きます。シーンと静まりかえっていて誰一人歩いていません。ビルにいるだけで気持ちが沈んでいきました。この独特の雰囲気は妙に孤独感と不安感を掻き立てます。

 指定された部屋番号に着いて中に入ると、小部屋には検事と書記の2名が待っていました。私の緊張した様子を察したのか検事は笑顔で、「捜査にご協力ありがとうございます。大野さんが作成された株式鑑定評価書の内容を知りたかったのです。あくまで株式鑑定の方法を勉強したいと言うのが趣旨です。詐欺事件と無縁なことはわかっていますよ。」

 それを聞いて安堵感に包まれました。1時間ほど無我夢中で株式評価の方法論を検事に説明したと思います。東京地検のビルを出るときは、二度とここには来たくないと強く思いました。

 

 今から思い返すと、東京地検が与える異様な恐怖感は一種の演出効果が施されているからでないかと考えています。大物政治家や経営者と云えども一人になれば意外と弱いものです。東京地検特捜部の厳しい追及に耐えるのは大変な事です。今後、ゴーン被告の供述に注目したいと思います。

 

2018年に「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい」という本が売れました。タイトルに惹かれ本屋で手に取った方も多いと思います。

 中小企業の経営者の平均年齢は60歳台後半になっており、事業承継の一つとして第三者に会社を売却する選択肢が増えています。まさに小規模M&Aが注目されています。

  この本が売れた背景は、一般の方々に「M&Aが身近なものだ」と思わせたことと「僅か300万円程度で企業のオーナーになれる」という幻想を読者に抱かせたことだと考えています。

 サラリーマンは50歳以降になると役職定年やグループ会社への出向などもあり、会社人生に憂き目を見ている人は少なくないと思います。今さら脱サラして起業する勇気はないし、他社へ転職するのは簡単でないと考える人にとって、こんな選択肢があったのかと強い関心を持たれたことでしょう。

  さて、実際に会社を300万円で買うことができるでしょうか。

答えは、「イエス」です。

 買収対象企業のキャッシュフローや資産状況などを検討した結果、売り方と買い方の双方が売買金額に納得すれば、その金額で株式を買い取る事は可能だと思います。

  では、300万円以外にお金はかからないでしょうか?

 答えは、「多額にかかります」です。

 

 実際は、買収企業の会計や税務が正しいか、法的に問題ないか、ビジネス上でリスクはないかなどを専門家に依頼して精査するための費用がかかります。これをデューデリジェンス費用と言います。金額は数十万円から数百万円まで千差万別です。さらに、買収先企業を紹介してくれたアドバイザーへの報酬支払などもあります。

 つまり、300万円で会社を買うためには、それ以外の多額の費用がかかるわけです。

  忘れていけないことが、もう一点あります。買収先企業の有利子負債です。もし、買おうと思った企業が金融機関から借入をしている場合は、新しいオーナーが債務を個人保証しなければならないケースが考えられます。借入金が1千万あった場合、たとえ300万円で会社を買っても、1千万円の潜在的な借金を抱えることになるわけです。

 

 以上、一般のサラリーマンがM&Aに係わる難しさをお伝えしましたが、専門家に相談することでスムーズは事業引継ぎができる事例も増えつつあります。

 新たに会社のオーナーになりたい方は、是非ともチャレンジして欲しいものです。

 

いよいよ「平成」がもう少しで終わります。そこで、今回と次回は、私なりに平成という時代を振り返ってみたいと思います。

 先日たまたまアマゾンのプライムビデオで、17年前に放送されたプロジェクトX「国産コンピューター ゼロからの大逆転」を観ました。  富士通でコンピューター開発をした池田敏雄氏の物語です。とにかく感動しました。天才技術者池田氏は、研究に没頭すると遅刻や無断欠勤する問題社員でした。休んで河原に行って自作の模型飛行機を飛ばすなど逸話も多いですが、当時世界を席巻していたIBMよりも性能が高いコンピューターを開発し、富士通を一流企業に押し上げた立役者でした。

 昭和には、このような気概のある技術者が沢山いて、日本の製造業を創ってきました。シャープしかりパイオニア東芝しかりです。しかし、平成の時代は製造業が徐々に没落し、台湾や中国企業などに買収される衰退期となってしまいました。技術立国日本は復活できるのでしょうか?

 現在はコンプライアンスや服務規程などで池田氏のような自由な社員が活躍しにくい時代です。グーグルのような企業文化を日本の経営者は参考にし、新しい元号の時代には、是非とも再生して欲しいと願っています。