他人にかける言葉「大丈夫」
その言葉をかけてもらって、
心強くなる「大丈夫」とそうじゃない「大丈夫」があると思う。
先日、ある人の話を聴いていて。
その人は「わたしは母親から『大丈夫』って、背中を押してほしかったんだ」と話した。
それを聞きながら、わたし自身もそんな風に思った記憶が蘇ってきた。
わたしの母親はとても心配性で、
わたしが幼いころ、またわたしがいい年になってからでも、
「○○ちゃん(わたしの名前)、大丈夫?大丈夫よね」と言った。
母に「大丈夫?」と言葉をかけられると、逆にそうじゃない気分になってくる。
彼女のわたしにかける心配の気持ちは有り難いが、母の「大丈夫?」からは
「あなたは大丈夫ではない」という臭いを嗅ぎ取ってしまう。
そして結局、母の心配な気持ちを宥(なだ)めるために
わたしの口から「大丈夫」と言わせられるはめになる。
自分で自分のことを「大丈夫」と思えるときは、これでもいい。
しかし、自分で自分が「大丈夫」と思えないときもある。
このようなとき、相手のために「わたしは大丈夫」と言わなければならないのは、
結構しんどいことだ。
わたしは母から「大丈夫?」ではなくて、
心強い「(あなたは)大丈夫」という言葉をかけてほしかったのだ、と気がついた。
言葉をかけられた相手が心強くなるような「大丈夫」は、
言葉をかけられた本人にとって力強いサポートの言葉になると思う。
それは、相手の生きるちからを、
心から信頼しているからこそ言える「大丈夫」だから。
そして
自分自身に信頼をおいている人からの
「(あなたは)大丈夫」の言葉は力強い。
あなたもわたしも、大丈夫。
近頃は、年老いた母から「○○ちゃん(わたしの名前)、大丈夫?大丈夫よね」と
やっと言われなくなった。
少しは「わが子は大丈夫」と、わたしを信頼してもらえるようになったのだろうか。
つい最近、そのことに気づいて、そんな自分に自分で安心しているところである。
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