最近開かれた、ある採用セミナーでの出来事だ。深センの病院の理事長が自ら来場し、
面接試験にちょっとひねった問題を出題した。われこそは、と応募してきた120人の修士と
300人の学士たちは、誰もうまく答えられなかった。

2問の問題は共に、短い物語から出題された。

まず1問目は「亀と兎がまた長距離競技をすることにしました。勝ったら賞金なんと100万元。
法律に違反しないことを前提に、亀はどうすれば再び兎に勝つことができるでしょう」

2問目は「あるところに8歳の男の子がいました。何も悪いことをしていないのに、
毎日継母にぶたれたり、罵られたりします。やはり法律に違反しないことを前提に、
どうすれば継母の折檻から逃れられるでしょう」

最初こそ油紙に火がついたようだった応募者たちも、この問題には言葉を失った。

幾人かはちょっと黙り込んで智恵を絞ったあげくに、さまざまな答えをひねり出した。
「亀はトレーニングに励むべきです。志あるところに道は開ける」
「出場を辞退するよう、兎を説得したらどうでしょう」「男の子は近所の交番に行くべきです」などなど。
理事長の楊玉山は、どの答えにも満足できなかった。

楊理事長いわく、出題意図は、応募者がリーダーシップを握ったり、様々な角度からものを考えたり、
活発に思考を展開できるかをみるためだという。では、模範解答はどうなるのか?
楊理事長は「ちょっと今は答えられません」。
当日充分に実力を発揮できなかった応募者のために、楊理事長は自分のメールアドレスを教えた。
応募者に1カ月の猶予を与え「ゆっくり考えて頭をすっきりさせてから、改めて答える」ためだそうだ。