阪神は、



近く入団交渉に入ることを正式表明。



城島も阪神側の熱意に好印象を抱いており、



早ければ今月中にも「阪神・城島」が誕生する。





城島のマ軍退団決定を受けた阪神側の動きは素早かった。



大阪市福島区の阪神電鉄本社で定例のオーナー報告会を行い、



その席上で近日中に城島と入団交渉を行うことを決定。



坂井オーナーは「日本を代表する捕手。



是が非でも(欲しい)という気持ちだ。誠意を持ってアタックする」と正式に獲得表明。



さらに南球団社長も「数年先を見据えて、中軸が打てる右打者が必要。



これから本腰を入れて獲得に向かう。



直接お会いして、熱意を伝えていく」と興奮気味に話した。







今季は5年ぶりにBクラスに沈んだ阪神。猛虎再建へ、



最大の補強ポイントが捕手だった。



正捕手の矢野は今年12月で41歳を迎え、



今季は故障の連続で出場はわずか30試合。



代役を務めた26歳の狩野もリード、送球面に課題を残す。



そこで白羽の矢を立てたのが城島だった。



メジャー1年目の06年にア・リーグ新人捕手としては最多の



147安打を記録するなど日米通算259本塁打。



07年にはメジャー1位となる盗塁阻止率・465を記録するなど、



まさに強肩強打の捕手。



さらに阪神にとっては城島が右打者という点も大きな魅力だった。



甲子園は右翼から左翼方向へと浜風が吹き、左打者には不利な球場。



ここ数年はスペンサー、フォード、メンチと外国人獲得の際も右打者にこだわってきた。





このため今月上旬には城島の獲得に動く方針を固め、



既に4年総額20億円以上の契約を用意するなど準備を進めてきた。







城島はマ軍と09年から11年までの3年総額2400万ドル



(約21億6000万円)の契約を結んでいるが、



09年から各シーズン終了後に日本の球団でプレーする意思を示した場合、



残りの契約を破棄できる特記条項を含んでいる。



城島はメジャー3年目の08年4月に打率1割台と低迷し、



チームも連敗続き。球団の長期戦略が大幅に修正され、出場機会は激減。



今季は左足親指骨折などのケガもあってわずか71試合の出場にとどまり、



シーズン中にはクラブハウスで「体が何ともないのに出られないのはきつい」



と人知れず涙を見せることもあった。



来季もマ軍での位置付けは2番手捕手。



出たり出なかったりという環境では最大限の能力は発揮できない。



このため、「まだ高いレベルで競技できる今が帰国する潮時と感じた」と、



残り2年で得られる約15億円の年俸よりも出場機会を求めて日本球界復帰を決断した。








 城島も阪神側の熱意に好印象を抱いている。



18日に故郷の長崎県佐世保市で開催された



「第6回城島健司旗争奪軟式野球選手権大会」の開会式に参加した際には、



本紙の取材に対し「阪神が興味?選手として名前が出ることは光栄なこと」と話していた。






阪神側では同じ九州(福岡)出身の真弓監督の直接出馬の用意もあり、



国内他球団を大きくリードしての独走態勢。



城島が縦ジマのユニホームに袖を通すのは確実な状況だ。