元東大総長で、現在三菱総研の理事長で、環境問題に造詣が深い小宮山宏さんが、森林や林業に対していろいろ話題を提供しています。
「日本の林業を復活させれば、地域社会も活性化し、日本全体で50万人ぐらい雇用が生まれる。」
「日本では年間1億立方メートルくらい切り出ことができ、競争力のある林業をそだてることができる」
「膨大に出てくる製材端材をバイオマス燃料などで関連産業が育つ」
「よみがえった森林は観光や健康産業などのビジネスになる」
「その鍵になるのは林業の機械化、大規模化」などなど。
小宮山さんは、「スマート林業ワーキンググループ」という会を立ち上げ、森林簿を基に道作りや導入機械を検討するためのデータベースを開発したそうです。また、流通実態を分析し、生産拡大にあわせた最適なサプライチェーンも模索しているらしいのです。
ここにきて、小宮山さんをはじめ、三村新日鉄会長など著名な経済人たちが、「
森林再生」について、いろいろ前向きな意見を述べています。
ただ、現実はひじょうに厳しいですね。
特に、雇用の面でいうならば、多くの産業の中でも、「きつい」「きけん」な仕事の筆頭に上げられます。すぐさま、路網を作り、機械化をはかることはできず、車や機械などが使えない仕事がもっとも多い産業ではないだろうか。
これまでの森の現場での経験から、半端でない「きつさ」と「危険」がつきまとう。
これをいかに克服すべきか。たいへん難しい問題。この「きつい」「きけん」な仕事をいかに若い人にとっての希望に変換できるか?
これを解決しなければ、小宮山さんが言う50万人の雇用は絵に描いた餅に終わってしまうでしょう。
しかしながら、東大総長や財界人のトップが高い関心を持ち、具体的な行動を起こしているのは、すばらしいことですね。