昨年の世界の「カーオブ・ザ・イヤー」に韓国のヒュンダイの自動車が選ばれました。この賞は、技術もさることながらデザインや機能性など、あらゆる面で高い評価を得た車だけに与えられるものです。


このことは一昔前の韓国を知る者なら考えられないことです。これまでのように日本に追随するだけなら、再び亡国の道を歩むと危機感を持ったのが今から20年ほど前のことでしょうか。


日本の良いところは真摯に学びながら、独自に技術やデザインを開発し、世界中をマーケットとして売り込んでいきました。


特にIMF体制に組み込まれた1990年代後半以降から今世紀の初頭にかけてありとあらゆる産業分野で、自国の技術や製品、サービスについて必死になって研究してきました。電機、半導体、車、鉄鋼など。その他いろいろ。例えばK-POPもそのひとつといえるでしょう。


そして、その陰には日本の人材が数多く貢献してきました。日本の技術者たちが玄界灘を渡り、韓国製品の技術向上のためにどれほど尽力してきたことでしょうか。


今、日本では原発の稼働がたいへん大きな問題になっています。おそらくこのままでは日本の原発は全て休止することになると予想されます。そうなると電力会社に勤める原発関連の技術者たちの役割はほとんど終わることになります。方や、中国も韓国もこれから原発を国の基幹エネルギーとして位置付けています。また他の新興国も同様です。


日本の先端的な知識と経験を有する技術者たちは、それらの国々にとっては垂涎の的となり、海外で活躍する人たちがますます増えていくことになるでしょう。


これをどう見るかですが、様々な環境の変化や時代の流れの中で、これらを「必然」として受け止めていくことが大切だと思います。逆に日本にとって不足する人材を海外から来てもらうことを考えるべきで、水が上から下に流れるように、必要としている国々に必要とする人々が移り住むという当たり前で自然なことがこれからますます起きてくるのは間違いありません。