11月3日、福王のイベントが高島市で終わった後、その日の夜に滋賀を出て福島に向かった。


名神高速の米原から北陸道で新潟へ、そこから磐越道で会津を経て福島に入るルートで休憩をはさんで約10時間、こちらからは3名で交代で運転しながらの夜通し突っ走った。


福島駅で午前中に、阪大の先生と洗浄剤のメーカーの担当者と待ち合わせることにしていたのだが、時間があったので線量計を出して放射能を測ってみた。駅前の植え込みにある木々で1.3μ㏜/h、年間換算にすると11.3m㏜で、国際基準である1.0m㏜をはるかに超えている。


「どのくらいになっていますか」と何度も女性から声をかけられた。放射能汚染への関心の強さは並大抵ではない。特に女性がそうだ。関西に住んでいる人には決してわからない光景だ。


その後、関西からのメンバー全て合流して、除染をしている個人宅に向かい、そこで今回の実証実験を行うことになっていた。すでに、宅配便で洗浄液を送っていたのだが、キレート剤を配合した洗浄液は今回車に積んで持ってきた。


さっそく土壌を測定した。屋根から“とゆ”を伝って雨水が落ちて溝に溜まって土壌はたいへんな濃度だ。もっとも高いところで18μ㏜/h、年に直すと157m㏜となる。


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今回の除染はこの家に住む人が自ら行ったのだ。福島市の中でも濃度の高いところであるそうだ。実際の現場を見るにつけ、放射性物質による被害に心が痛む思いだ。洗浄液の効果をいろんな形で試してみた。今回の事故が起きるまでセシウムを洗浄することや土壌から剥離することなど想定もしていなかったので、実際に進めていくとなると、いろいろな技術、周辺の環境、費用、制度などの制約や条件が重なりたいへん難しい問題が数多くあることがよくわかる。



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(除染した後の汚染土壌)


夜に、地元の環境管理をされている会社の社長からいろいろと話を聞く機会に恵まれた。福島の現在おかれている人々の心情、国や東電に対する考え、これからの福島のことなど、ここに来なければ絶対わからない話ばかりで、私たちの役割のひとつがこの惨憺たる状況をいかに伝えていくことなのだろう。



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(2.61μ㏜/hを示してる飯館村役場)


翌日もまた、除染の実験を続け、その後飯館村役場に行った。飯館に入ったとたん線量計の濃度がピンと跳ね上がった。地理的な問題でそうなるのだと阪大の先生は言っていたが、前回と同様未だに人が住む様子はない。役場へ行き、宿直の人と会話を交わしたが、役所の事務仕事は福島市でやっているとのこと。役所の前の線量計には、今の放射能の数値が出されている。


森に囲まれた飯館の放射能汚染を測定し洗浄するための手法を見出すための木々を拾い集め車に積んだ。


明日にこの続きを!