先日、2018年の冬季オリンピックは韓国江原道(カンウォンド)平昌(ピョンチャン)という街に決まった。これで韓国はまた、国としてひとつの大きな目標ができ、その成功に向けて官民あげて邁進していくだろう。


2000年代に入り、ヨン様ことぺヨンジュンが出演した「冬のソナタ」が大ブームになって以来、韓国ドラマが今も尚根強い人気を誇っている、また今やKポップは日本の芸能界になくてはならないものになっている。スポーツの世界でもゴルフは男女とも数々のスタープレーヤを輩出している。


ビジネスでは、もはやサムスンやヒュンダイの世界戦略は日本のマスコミで報道されない日はないぐらい功を奏しており、造船、鉄鋼、化学、機械、電機、輸送機、サービスなどの分野でも日本と同等、或いはそれ以上の実績を残している。


韓国では、歴史の授業で「半万年の歴史」つまり「5000年の歴史」という言葉をよく使うが、この悠久の歴史の中で、21世紀が始まって間もないこの時代が韓国史上もっとも力のある時代と言えるのではないか。


だが、問題はこれから。中国などの新興国が後ろから凄まじい勢いで追いかけてきており、当然、日本や欧米先進国が画期的な技術の開発によって巻き返してくるのは間違いない。「サンドイッチ状態」というビジネス用語が韓国にあるが、その可能性は常に消えず、逆にそのことが韓国企業の危機感を仰ぎ力の源泉になっているのも事実だ。


韓国は日本以上に少子高齢化が進み、2010年中頃から猛烈な人口減少社会が到来する。これを克服するために、中国の朝鮮族や東南アジアからの移民の受け入れを始めている。韓国は日本と同じく1国家1民族1言語で、他民族の構成率はほとんど数字にならないほど低い。その体制を変えようとしているが、これについては、日本もぜひ参考にして頂きたいと思っている。


さて、話は大きく変わり、今日のブログの本題になるが、「韓国人が歴史上もっとも尊敬する人物は誰?」だろうと調べてみると、1位は文禄慶長の役で豊臣秀吉の軍隊を「亀甲船」という自ら発明した船に乗って大いに破った“李スンシン”。2位が世界でもっとも合理的な文字といわれるハングルを作りその後の李朝の基礎を築いた稀代の名君“世宗大王”。


この世宗大王のことを少し話そう。


文字を作るというのは並大抵のことではない。日本にも“ひらがな”や“カタカナ”があるが、これは平安時代に中国から入ってきた漢字を崩し簡単に書ける文字として作ったものだが、ハングルは文字の原型がない。敢えて言うなら、口、唇、歯、喉、舌などの形だろう。


大王は、全国から有能な人材を集め、ハングルの発明だけでなく、あらゆる分野で改革を強く推し進めたまさに名君であった。


また、伝統ある韓国の鷹狩り文化を歴史上もっとも高めたのも大王であった。当時、明国から朝鮮半島北方に生息する鷹、“海東青(蒼いハヤブサ)”を所望する声が今まで以上に強く、鷹狩りに精通する人材を育てざるを得なかったという理由もあるが、自らも鷹狩りに出かけることも多く大いに楽しんだようだ。大王が韓国の伝統文化として根付かせたことは、日本における徳川家康と同じくひじょうに大きな功績であったといえるだろう。


こう考えると、勃興し隆盛する国には、それ相応の人物の存在が必要不可欠だが、それには必ずしも政治力や経済力といった強情な力だけでなく、文化や伝統芸能などソフト分野を育てる力を強く持つことが国家を安寧にし後世に引き継がせる要素であることが、よくわかるではないか。


この2人の英雄、李スンシンの国に対する忠誠心と世宗大王の類稀な進取の精神が今日韓国人の心の拠り所になっていることは確かだ。


         (滋賀県高島市白髭神社にて)

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