スーパー歌舞伎『もののけ姫』
7月、8月と2か月にわたった公演。
私は3回観劇しました。
そして千穐楽に生配信された公演のアーカイブも、昨日でとうとう終了。
本当に終わってしまったんだなと思うと、なんとも言えない寂しさが残ります。
ひとつの演目を3回も観に行ったのは、今回が初めて。
それでも観るたびに新しい発見があり、まだまだ観きれていないところがたくさんあって、「もう一度観たい」という思いは募るばかりです。
中でも心に残ったのは、やはり團子ちゃんのアシタカ。
これまでも團子ちゃんの舞台を拝見してきましたが、今回のアシタカには、これまでとはまた違う大きな成長と存在感を感じました。
凛とした立ち姿、まっすぐな眼差し、力強さの中にある優しさ。
アシタカという人物がそこに本当に生きているようで、登場した瞬間から舞台に引き込まれました。
回を重ねるごとに役が深まっていくのも感じられ、千穐楽では冒頭から胸がいっぱいに。
若さだけではない、役者としての確かな力を見せてもらったように思います。
そしてもうひとつ、忘れられないのが團子ちゃんのシシ神さま。
アシタカとはまったく違う佇まいで、舞台に現れた瞬間、空気が変わったように感じました。
静けさの中に漂う神秘性と、近寄りがたいほどの神々しさ。
言葉ではなく、その姿と存在だけでシシ神さまを表現している團子ちゃんに、ただただ見入ってしまいました。
アシタカの瑞々しさと力強さ、そしてシシ神さまの静謐で神々しい存在感。
この二つを同じ舞台で見せてくれたことにも、團子ちゃんの役者としての魅力をあらためて感じました。
これからどんな役者になっていくのだろう――。
ずっと舞台を拝見してきたからこそ、今回の『もののけ姫』で見せてくれた姿が本当にうれしく、これからのさらなる活躍がますます楽しみになりました。
もちろん、サン、エボシ御前、ジコ坊、モロの君、乙事主をはじめ、澤瀉屋の皆さんがつくり上げた世界も本当に素晴らしかった。
世界や人々を取り巻くさまざまな問題が、ますます複雑になっている今だからこそ、『もののけ姫』が伝えるものを、より多くの人に観てもらいたいと思います。
この素晴らしい舞台をリアルタイムで観ることができたことに、心から感謝しています。
いつの日か、またアシタカに、サンに、そしてあの森の世界に会えることを願って。
再演を心から待ち望んでいます。
「会いに行くよ、ヤックルに乗って…」
あの言葉を、もう一度劇場で聞ける日が来ますように