【午前】
と言うざっくりとした空間に私はいる。漆黒の闇夜が解放され、東の空からだんだんと光が溢れていく様は、一つの過ちを責めるような、背中と胸を貼り付けた感覚を覚えた。所詮、人類はこの光景を絶えるまで拝み続け、ありがたみを勘違いしている愚か者だ。仕方ない、生きよう。

【午後】
と言ういい加減な表現の中に私はいる。全ての生き物が終末を迎えて、月に向かって手を伸ばしている姿は、実に滑稽である。見てみるがいい、暗闇に浮かぶ真っ赤になった満月を。あれは呪われているんじゃなく、人の本能と煩悩の象徴だ。お休みだなんて、悠長なことは言えない。さぁ、お行き。