もう今年の富士登山は終わってしまいましたが、8月に筋トレとダイエットを兼ねて旦那さんと富士山に登ってきました!

人生に1度は登ってみたいと思っていた富士山。

去年登ろうと思って、まず形から入る私は登山セットは準備しておいた。

靴、ストック、ライト、カッパ、リュックなど。


冬に高尾山の一番難しいコースを登って練習。

準備万端!

だけど、去年5月に膝を骨折し、断念…


その後去年の年末あたりから妊活に入ったので、もう富士山に登る事は無いだろう…

と思っていた。


だがしかし…

卵巣嚢腫手術を決めたので、7月後半から妊活を休業。

手術は8月末。

今年登らないと一生登る事はないと思ったので、これは行くしかないと決めて行ってきました!


富士山には4つぐらいコースがあって、一番人気の吉田コースは初心者でも登りやすくて、登り降りで12時間ぐらいとネットに書いてあった。

今年から登山規制が掛かっていて、吉田コースが人気過ぎて登れなかったら嫌だから、他の登り口を調べてみた。

須走コースは登り下りは約10時間ぐらい。




最初森林の中を通るらしく、日焼けしずらい。

帰りは砂走りと言われる道を通って帰ると下山は早いらしい。

初心者だし10時間じゃ下りれないとは思っていたので、12時間ぐらいで帰って来れたら良いなと思ったし、あまり人が多くなく初心者でも行けると書いてあったので、須走コースにしてみた。


朝6時に道の駅すばしりに到着。

ここからバスで須走5号目までバスで向かう。

6時半のバスに乗り、7時に須走5号目に到着。


さあいよいよ登山開始です!

富士山のアプリも入れたし、アプリ上では15時半ぐらいに下山完了出来るらしい。

きっと登山慣れしている人の計算だと思うんだけど、めちゃくちゃ早いな。

夕方には戻ってきたいと思いつつ、スタートから私はちゃんと登り切れるのか?と不安になりながら森林の中の岩の階段を登っていく。

日焼け対策で、長袖スパッツを履いて登ってるけど、暑い。

汗をかくので長袖を捲り、スパッツもたくし上げた。

まだ序盤なのに結構ハード。

標高はまだ2000メートルなのに、酸素は薄い気がする。









同じバスになっていた家族の子供達はスタスタと登っていく。

子供に負けた…


自分のペースで登る。

慣れている人は私をどんどん抜いていく。

アプリ上では1時間で登れる6号目に2時間掛かった。

大丈夫か?

ちゃんと登れるのか?

まだ6号目。

頂上までまだまだある。

こんな辛い道が続くのか?

と心が折れそうになる。


一生に1度は登ってみたい富士山だから、必ず頂上に行く!

今回で最初で最後!

もう2度と登る事は無いので、絶対制覇するっ!と心に決めて登って行った。


でも、キツイ。

少し登るだけで動悸息切れ。

さすが富士山。

空気が薄くて辛いぜ。


そして、体重が増加した身体が重い。

重過ぎる…


登山は自分との戦いだと思った。

諦めようと思えば諦めて下山する事も出来る。

だけど、最後と決めているから絶対登り切ると自分に言い聞かせて登って行く。


森林を抜けると何も無くなるけど、霧が掛かって周りが見えづらい。

多分結構な高さはあるんだろうけど、何も見えない。

これが下から見る富士山の雲の中なのかしら?


雲のおかげで下が見えないので、高所恐怖症の私は助かった気がする。

下が見えていたらビビって登れなかったかも。


休憩する場所なんて殆どない。

疲れたら岩に座るしかない。


山小屋があっても10分ぐらい休憩してすぐ出発する。

座ったら立ち上がれる自信が無くなる。

少し登るだけで、すぐに足がパンパンになってしまう。

動悸が止まらない。

喋る気力も無くなる。

自分と戦い、気合いだけで登って行く。


高山病が怖かった。

空気が薄いので空気がなかなか入って来ない。

大きく吸って、ふーと吐く事を繰り返し、酸素を沢山取り込む事を意識しながら登った。

旦那さんは高山病になったみたいで、頭痛がすると言って、ロキソニンを飲んで何とか頑張っていました。


一番キツイかったのは9号目から頂上まで。


吉田コースと8号目ぐらいから合流するんだけど、8号目からめちゃくちゃハードになっていく。

えっ?

このコースは初心者でも登れるんじゃないの?!

って思うぐらいハードになった。

こんな急な岩山を皆は登ってるの?

テレビで見るより急過ぎる。

自分に登り切る自信が無くなっていく。


それでも、軽装な外国人や子供達がどんどん登って進んで見えなくなっていく。

すげーと思いながら、尊敬しました。

そして私は負けている。

こんなんじゃダメだ!

と自分を奮い立たせ、一歩一歩登る。


この日の天候は良かった。

雨は降らなかったし、寒くもなかった。


9号目ぐらいから雲が晴れて、下が見え始めた時、

『私やっぱり高いところ嫌いだわ。怖い。どうしよう』

って恐怖と戦いながら、岩を登った。

マジで怖いから、立つ事は出来ず、這いつくばって頂上まで登って行った。


頂上に着いたのは夕方の5時。

頂上まで登るのに10時間も掛かってしまった。

ネットに5時間で登れるって書いてあったのに…

あれは誰が登ったら5時間ぐらいで登れるの?

登山上級者の時間だろうな。


本当は富士山の鉢を回りたかったんだけど、鉢を一周すると1時間以上掛かるみたいなので、断念。

とりあえず頂上に到着出来たのでよしとしよう。











頂上から見る景色は綺麗だった。

いつも見上げている富士山から地上を見下げてるなんて初めての経験だし、頂上まで来れた自分を褒めてあげたい。

私、良く頑張った!


まるで飛行機の中にいるみたい。

飛行機から見える地上だった。

綺麗だなぁ。


山小屋に泊まらず、その日のうちに下山予定だったので、なるべく早く下山しようと思い、30分ほど休憩してすぐ下山開始。


5時半には下り始めた。

下りは砂。

滑る。

山慣れしてる人は走って下りるらしい。

走って下りるなんて怖い。

転げ落ちたらどうするの?!と思いながら、一歩一歩ザッザッザッと滑り落ちない様にストップをしながら下りていく。


登りは少し登るだけで、動悸息切れがしたのに下りは動悸息切れがない。

その分楽だけど、足はパンパン。

砂に足を取られ、何回も転けて尻餅を着いた。





7時過ぎた辺りから真っ暗になった。

真っ暗の中、ヘッドライトと懐中電灯を頼りに砂走りを下りていく。

真っ暗じゃなかったらもうちょっと早く下りれたかもしれないんだけど、暗過ぎて、進むのもゆっくりになる。

砂の中にたまに大きな岩が出てるので、岩につまづかないように慎重に下りていく。


下っている時に、あまりにも暗くて看板を見落とし、途中ルートから外れた事をアプリが教えてくれた。

『ルートから外れました』

そうスマホから聞こえてきた時の絶望感よ。

このまま遭難してしまうのか?

戻った方が良いのか?

道は繋がってるのか?

とりあえず地図を見る。

結構下りてきてしまっている。

だけど、ルートではないけど、今歩いている道が7号目で下山ルートに合流出来る事が分かった。

一安心。

とりあえず真っ暗で怖いけど、合流出来ることを信じて進んで行く。


足を止めたらいけない気がして無言で下りていく。

でも、たまに砂で滑ってしまいそのまま尻餅を着き、しばらく立ち上がれなくなる。


夜の8時。

私たちの他に誰も降りて来る人は居ない。

下の方に灯りが見えるけど、遠い。


ずっと砂を滑り落ちないように慎重に降りて行く。

お互い無言。

ただ下りる事に必死。


外れたルートから元のルートに戻れた時の安堵感。

良かった。

ちゃんと元の道に戻れた。


宿に泊まらないで下りる弾丸ツアー。

甘く見てたし、舐めてたわ。


富士山は大敵だった。

ご飯をろくに食べず。

というか疲れ過ぎて食べれない。

水分ばかりを飲んでいる。

2人で7ℓ持ってきた水分はどんどん無くなっていく。


アプリでは9時に下山到着予定なのに、全然5号目に到着しない。







山の上だから電気が無くて星空はめちゃくちゃ綺麗だった。


5号目まであと少しって頃に、登山しにいく人とすれ違う。

何組かとすれ違った。

今から登ってご来光見るんだなぁ。

こんな真っ暗な中登って行くなんて無謀だわ。と思いながらすれ違って行く。


やっとスタート地点の5号目に着いたのは22時半。

登り始めてトータルで15時間半掛かったわ…

マジで舐めてたな。

5号目に降りても、タクシーが全く居なくて、自分たちの車のある所まで下りられない。


ちょうどタクシー待ちの人達が居て、タクシー会社に電話しても捕まらなくてやっと一台捕まったと教えてくれた。

その方達が乗って行くタクシーの運転手さんにまた戻ってきてもらえる事になった。


無事に下山出来た事にホッとした。

アプリを入れていなかったら遭難していたかもしれない。

登山する時はひたすら頂上を目指し、下山する時はひたすらスタート地点を目指した。


楽しかったか?って聞かれたら、全然楽しくなかった。

ただただ辛かった。

ただただ自分との戦いだった。

もう二度と登らない。

だけど、人生で一度登る価値はあった。

それも登ったのが旦那さんだったから良かったと思った。

結婚生活も人生山あり谷あり。

めちゃくちゃ高い山を2人で乗り越えた。

これ以上の山を乗り越える事はない。

困難を乗り越えられたから、この先もきっと一緒に乗り越える事が出来るんだろうなと思った。


富士山は2人共登ってみたかったけど、私が須走コースを選んだ。

もし途中で『なぜこのコースにしたんだ』とか『登らなきゃ良かった』とか言われてたらキレてたな。

登ってる時は『疲れた』『足が痛い』ぐらいしか喋ってなかったけど、目標は一緒『もう二度と登らないから登り切る』だった。

なので、最後までやり遂げた。


明るいところで、腕を見たら日焼けをしていた。

日焼け止め一回だけしか塗らなかったから、めちゃくちゃ焼けていた。

あまり日が照ってた訳じゃないから焼けるとは全然思ってなかったわ。

山の上だから?

日が近いから?

変な焼け方をしてしまった…


富士山は舐めた自分を殴りたい。

初心者で登りに行く人はちゃんと調べてからが良い。

ご来光を見たくて登った訳じゃないので、山小屋に泊まる予定は組まなかったけど、弾丸はやめておいた方がいい。

時間に余裕を持って、自分との戦いに勝てる精神力がキーとなる。


人生一度切り。

富士山を登るっていう目標は制覇した!

もう二度と登らない!