(以下、ライブレポートなので、当日行って驚きたい人は、読まないでください。)

Ladies and Gentlemen, からはじまる、パット・メセニーのライブ。今回のライブは、ラリー・グレナディア(b)とのデュオ・ライブ…だと思って行ったら、少々、違った。

1曲だけだが、あのオーケストリオンのコンパクト版、ミニラみたいなのがいました。やった!

しかもこの曲、2年前よりも進化していた。
  
イントロは、完全にフリージャズの様相。1音1音にパーカッションが入る。そして、パットがリフというかフレーズを順番に打ち込み、アンサンブルをつくりはじめたところで、場内が、ざわめき、そして、歓声。ここで、これまで暗幕で隠されていたオーケストリオン・ミニが披露される。しかも、パット、操作に慣れたのか、途中の転調とかバックの音を減らすとか、かなり巧みなテクニックをみせてもらった。


あの、一部の音楽ファンからは、あんな音聞きたくない、とまで言われたオーケストリオン。賛否両論で盛り上がったのは2年前だっただろうか。日本では、墨田トリフォニーホールでの演奏。私は、非常にエキサイティングだったと思うが、ああいう、変てこな装置や、打ちこみのようなものに、生理的に違和感を抱く人もこの世にはいるようで、ウェッブでは、あれは嫌!と断言する人も中にはいた。

今回、デュオでの登場なので、まさか、オーケストリオンはないだろうと思って、「安心して」来た人もいるかも。ははは。パットというのは、そういう人なのだよ。あきらめるんだな!

むしろ、私は、この、世界に、感謝したね~。

だって、ウッドベースとの味わい深いデュオを聞いたあとに、フリージャズいや、アバンギャルドジャズを聴けるんだよ、もう、たまりませんよ、私は。

まあ、そういう「幅」を楽しめて、うれしかった。もちろん、基本はラリーとの、かけあいデュオがよかった。

でも、ラリー。いつも、こんな恰好なの? 端正な音色とはうらはらな超ラフな服装。むしろオーケストリオン・ミニよりも、そちらの方が、私は驚きました。

オープニングは、「What's It All About」から、カーリー・サイモンのThat's The Way I Always Heard It Should Beではじまり、「
Secret Story」のAlways and Flowerやオーネット・コールマンとの「Song X」にあるThe Good Life、「More Travels」にあるThe Road To Youなど、あまりふだんやらない佳作が聞けたのがよかったです。

また、さすがに、Beyond the Missouri Riverの曲をやらないあたりなど、いろいろな配慮があるなと思いました。

アンコールはソロで、
「What's It All About」から、ビートルズのAnd I Love Her。

でも、ラリーとの「枯葉」が一番よかったかな。なんだか、また、新たなパットの「はまりフレーズ」みたいなのができていて、おもしろかった。正調枯葉ではないところが心にくかった。

ありがとう、パット!!

↓これは、先着でブルーノートからいただいた、ピカソギターのピン・バッチ

そういえば、今回はピカソギターが聞けなかったのは、残念だった。

What’s It All About/Pat Metheny
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