生きた心地がしない夏

 

真夏はアトピー患者にとって

地獄。

 

噴き出た汗が

湿疹にしみる。

キズからしみ込む。

浸出液と混じりあう。

体のあちこちのチクチクとかゆみと痛みが止まらない。

 

砂漠のようにカラカラの皮膚に

汗がしみ込んでいくあの感覚。

 

汗の中の塩分に

肌がかぶれていく感覚。

 

我慢できずに掻きむしった後

そこからさらに汗がしみ込んでいく。

 

自分の汗に

かぶれていく。

 

汗をかいて湿った皮膚は

弱い。

爪を立てると

あっさりと

皮膚が壊れる。

 

傷だらけの皮膚に

お風呂はつらい。

 

汗を流したいが

お湯がしみて痛い。

 

お風呂から上がっても

汗がおさまらない。

 

もう

どうにもならない。

 

どうにもならない

不快な夏を

何回も繰り返してきた。

 

今、

汗は皮膚の上を流れる。

 

それだけで

穏やかに暮らせている。