未知の得心



夏 雪





誰かに 

もっと

いいたかったのに 

いえなかったことが

たくさんある



けれど おなじくらい



誰かが

わたしに

わかってほしいのに

いうのも嫌になったことが

きっと もっと あったのだろう



ふと 

われにかえったような理解


理解までに必要だった時間が

かよいあった 心と心を

あたたかな ぬくもりを

過去にしてくれたのだろうか?


抜け出すことができなかった心の中に

すう、と 落ちてきた得心



記憶 
気づき

そしてまた記憶


重なっていくのは
積みあげていくのは 自分自身

いま ここ という

未知の時を