深く染まりゆく
夏 雪
飛ぶ夢を見たくて
思う存分飛べる場所を見つけたくて
また 旅に出る
わたしの背中には翼がないけれど
レプリカの夢の果実は 苦い
辛くももぎとった事実は 清々しい
茹だる暑さの中で 眩暈
胸の奥が絞られるように 疼き
檸檬に似た果汁が染みる 痛み
自分の現実が何処に有るのか?
目を逸らさずに見つめた場所に
希望は存在している
そんなあたりまえのことに
ようやく気づいて滲んでいく光
いま「恥ずかしい自分」と ようやく
正面から目を合わせているんだ
いつまでも無くならず共に在り続ける
そんな不安と
ゆっくり少しずつ 手を繋いでいくんだ