研ぎ揃えた爪先が

その背中を傷つけないように

あなたは嘘で わたしをあやす

自分を 守るために

 

あなたは わたしを

右手は 右手を

左手は 左手を

組み敷いて 頸すじを噛む

 

そうでなくては 歪んだその顔を 

見られてしまうから

 

愛へと溶けて

わたしの中へと 我を忘れて

あなたは あなたを

注ぎ込んでゆけなくて