とぼとぼと歩くほとり

そんな風に見えたとしても
たしかな足どり

ほとりは境界線
湖のふちどりは
岸辺から伸びる世界へと
広がっているね

悲しみの涙を湛えた瞳の
滴やどる睫毛は

守っている心から
見つめる世界へと
まばたいて

吹き荒れる台風は
生まれることを許された怒りが
乱雲になって青空に
溶けていくね

とぼとぼと歩くほとり

きのうの心湛えた湖の   
いまの心の岸辺を

いまの心湛えた湖の
明日の心の岸辺を












(初出2017/11/8)