今年最初の映画に

「PERFECT DAYS」、観まして。

 

(昨年最後に観たのは「アンネ・フランクと旅する日記」でした。)

 

 

 

 

 

 

 

ものすごい没入感でした。

完全に日常と切り離されて、映画の世界と自分だけになってました。

 

 

 

普段頭の中がいかに思考でパッツンパッツン!!!に詰まっているのかをいたく感じて、こんな風にスキマを持ちたい、スキマを起こしたい。頭の中も、見える景色も、減らしたい、軽くなりたい、つくづくそう思った鑑賞後でした。滞っていて、風が流れてない感じ。

主な感想は以上ですメガネ

 

 

 

 

 

 

自転車自転車自転車

 

 

 

 

 

役所広司演じる平山という男の日常は、1日単位、週単位で、ルーティン化されていて、いたってシンプル。

一番好きだったのは、平山が毎朝、家を出た時、空を見上げて柔らかく微笑むところ。時折りふと、空を、上を、見上げては、満足気に微笑むところ。

 

 

 

日々見上げる、木々の揺らぎ。

人との関わりによって生まれる、感情の揺らぎ。

 

 

 

景色も変わっていく。人も変わっていく。

「ずっとこのままでいられないこと」を受け入れながら誰もが暮らしてる。

 

 

 

眼差しが柔和な平山は、過去には何か事情があったかもしれない。詳しくはわからないけれど、今現在の彼は、淡々と、満ち足りて1日を暮らしている様に見える。その姿に、削ぎ落とされた日常に、生きる力を感じました。

 

 

 

選曲、最高なのね。

平山が仕事に行くとき、車の中でカセットテープでかける洋邦の名曲は、作品に寄り添い刺さり、リンクしてくる。渋いしカッコイイし、歌ってる人も、ギター弾いてる人も、なんちゅー選曲、人選なんだ。

 

 

 

 

 

 

車車車

 

 

 

 

 

 

細かな事では、平山の発する「シフト」のイントネーションが、平板ではなく、「シ」にアクセントがあったところ、リアリティあって耳が留まりました。これ、誰かの指示でそうしたのか、役所広司の感覚でそうしたのか、気になったけど謎のままでいい。

 

 

 

それと、平山の一人称が「僕」だったところ。「オレ」とか「おじさん」じゃなく、「僕」だったところがちょっと意外に思えた。(それはまぁ場面によって変わるか。)

 

 

 

役所さん以外の出演者を未確認のまま観たので、麻生祐未さんが出てきたときは、ふぁっ!!(嬉!!) 人生でたぶん最初に強く「好き!」と惹かれた俳優さん。「男女7人秋物語」(1987年)で好きになって以来、「テセウスの船」(2020年)のヤバ怖い役柄で「再会」した時はビビリました。

本作での麻生祐未さんは(役どころは複雑でしたが)削ぎ落とされていて、近年見た中で一番くらい美しく見えました。ちょっと胸熱。

 

 

 

ラジオで何度も「声」を耳にしていた柴田元幸さんが出ていたとは。見た目を知らなかったので、まさかあの役が柴田元幸さんだったとは!!(→後日パンフレットで知る)

 

 

 

古書店で平山が本を買う時、その本や作家について、店主が何か一言言ってくる。

あぁこういう感覚って、懐かしい!!

無人レジだったり、有人レジが大量に並んでいてお客さんを次々さばいていく大型書店にはない交流。

 

 

 

だいぶ前に地元の「商店街の小さめの本屋」で、探していた有島武郎の『小さき者へ』がピンポイントで置いてあって、うれしくお会計しようとしたら、店主がぼそっと「有島武郎とかもっと読まれてほしいもんだよ」みたいな事を言われて。私は初・有島武郎だったので、へぇそんな風に思われる人なんだ、でした。

 

 

 

その書店には『モモちゃんとアカネちゃん』シリーズの単行本が全巻、昔ながらの装丁の方で揃いで売られていて、近くの本屋にお目当てのものが無いと、そのお店まで足を伸ばすようになりました。ネットで本の在庫検索とかできる様になる遥か以前の事です。

 

 

 

 

 

カメラカメラキラキラ

 

 

 

 

 

話が逸れました。

OL役の長井短さんは「星降る夜に」、「ケイジとケンジ、時々ハンジ」、「最高の教師」で立て続けに見ていて、インパクトある存在感だなぁと思っていたところ、今回はセリフの無しの演技できた。(有名人の三大ガチャピン、トオル(武内享)、フルート奏者のcocomiさん、そして長井短さん。)

 

 

 

それと研ナオコが!研ナオコが出てたとは、最初観た時まるで気づきませんでした。エンディングクレジットは英字だったため追いきれず、研ナオコの役名、CAT LADYと書かれてた??

 

 

 

色んな俳優さんが散りばめられていて、製作スタッフには「キャスティング 元川益暢」とあり。「春に散る」や「流浪の月」にも関わった方たらしい。「流浪の月」は重めで感想文飛ばしてしまったけど、インパクトと余韻が強めの作品でした。

 

 

 

今日1日を満足して生ききる。

それを重ねていく事ができたら、なんて幸せなんだろう。

自然とチラシにある宣伝文句の一言にたどり着いてしまいました。

 

 

 

 

 

8軒目でやっと買えたパンフレット

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

余談ですが

 

スクリーンの入口で、このチラシ上矢印を見ている紳士から話しかけられました。

 

「ペル、ペル、、、これ、役所広司がトイレを掃除する映画?」

早口にそう聞かれ、そうですよと答えました。

 

「ペル、、、これ、役所広司がトイレ掃除する映画?」(再度確認)

「パーフェクトデイズですね、わかりにくいですよね」

「これ、役所広司なの?よく見えないね、わかりにくいね」 

そんなやり取りをしました。

決して「文句」じゃなくて、高齢の方のその感想に親しみが発生。

確かに私も映画館のHP見ながら「パーフェクトデイズ」で探してたので、「やってないな〜」と思ったら「PERFECT DAYS」かー、となってました。

 

 

 

役所さんの演技を観るのは「すばらしき世界」「VIVANT」以来3作目、日本にはすごい俳優さんがいるんだな。あ、瑛太監督のショートムービーにも出ていたな。

 

 

 

 

 

 

 

沢知恵 「The Line」

 

映画とは関係のない曲ですが、観た後、この曲を思いました。

 

 

 

 

最近読んでいる本が、森本貴義著『プロフェッショナルの習慣力 トップアスリートが実践する「ルーティン」の秘密』という本だったので、とってもタイムリーでした。

(森本さんは心理系の方ではなく、アメリカメジャーリーグに渡ってイチローに付いていた事もあるトレーナーさんという経歴の方でした。)

映画の予告に出てきた「変な家」という作品気になり、原作を探したら予約数膨大でのけぞり。

 

 

 

体調崩されてる方が多いですね。

明日もあったか系で、お元気で流れ星流れ星