公開当時、気にはなった作品

観まして

 

 

 

 

 

谷口ジローさんのマンガをもとに、フランスで映画化されたとのこと。監督はパトリック・アンベール氏。

(元々の原作は夢枕獏さんの小説らしいけど、マンガ化された時点で、話は一部改変されてるらしい。)

 

 

 

最初、海外の高峰を描いたシーンを見た時、これ写真か?映像か?と思うくらい、アニメーションと思えないくらいリアルな絵にとても驚きました。人物が出てくると、さすがにアニメだと思いましたが、景色は美しかった。あと細部では、ガスコンロの炎やライトの美しさ、湯気に見とれました。(寒くて物も限られた状況で、灯りやお湯の有り難さ、あったかさを思い出しました。)

 

 

 

登場人物の中で、クライミングに魅了され始めた若き「文太郎」君は、実在の加藤文太郎さんを模している様に見えたけれど、設定はフィクションの要素が強いと思い、

 

 

 

長谷常雄さんは、長谷川恒男氏(ハセツネ)ぽいけど、これもやはり都合よくフィクション化されて見えて、ムムー

 

 

 

あと登場人物のほとんどが中年男性で、正直キャラクターの区別がつきにくくて、私には声でも区別が難しくてみんな同じ顔に見えがち(⁠⁠≧⁠▽⁠≦⁠)⁠、それで帽子かぶったりゴーグルしたりすると尚更、、、。髪がグレーのおじさん(日本人ポーター?)以外は「この人、どの人だっけ?」と一瞬考えてしまって、変なところに意識がもってかれました。

 

 

 

ジョージ・マロリー等による「幻のエベレスト初登頂」と、明確な記録として残っている「エベレスト初登頂」、そこら辺の謎に踏み込もうとした物語なのかもしれませんが、マロリーが実際に持っていたとされる「カメラ」をキーポイントにしながらも、結局そこはあいまいにぼかされてて少し肩透かしをくらったような。

 

 

 

全体的にフィクションと史実の加減が気になってしまいましたが、(クライミング中の)墜落シーンとかは本当に一瞬なので、集中集中。宙づりアセアセから負傷した体で、身を確保するシーンは息を飲んだし、極限状態で幻覚を見るシーンはアニメならではの描かれ方でゾワッとして、けどなんでアイスアックス落としてしまったんだろう?とか、氷壁で3日と5時間も生きられるものなのか?!、、、とか、細かい謎な部分もあり。

 

 

 

「一度山に魅せられた奴はそこから抜け出せないものなんだ」みたいなセリフありましたが、先鋭的にクライミングしていた人(男性)が、(世界どころか国内で名を馳せる様なレベルではなかったけど、それでも)結婚を機に難易度の高いクライミングから足を洗った人もいたし、本作を見る限り何だか登山家=孤立も辞さない頑固者、世捨て人、っぽく見えてしまわないか。

 

 

 

山の高さ、ルートの難しさ、登頂する速さ、単独行かどうか、無酸素かどうか、等々、競争が激しくなっていった事にチラッと触れているのは(良い意味で)気になりました。実際そういう"競争"があったかもしれませんが、記録や名声に拘らないクライマーもたくさんいたと思うし、私はこれまでクライミングに関する作品は基本ノンフィクションばかりみてきたので、史実とフィクションの境い目がとてもあいまいな所がやはり気になってしまい、作品としての面白みも感じかけたのですが、スッキリ物語に入りきれなかったのは少し残念でした。イマイチだったというより、なんとも言えないもどかしさを感じた作品でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「神々の山嶺(いただき)」

仏題は「Le Sommet des Dieux」

英題は「The Summit of the Gods」

日本での公開は2022年

 

 

おにぎりおにぎりおにぎり

 

 

随分前に山で会った人が、「ザイルを切る、切らない、とかを描いた迫真の山岳映画がある」と強くオススメしてくれたのを、突然思い出しました。

探してみよう。