これまで読んだ全ての本の中でも

ベスト5か、ベスト3か、、、

ていうスピードで、一気読みしちゃいました。

 

 

話を象徴するかの様な表紙...

 

 

 

 

『洞窟オジさん』

加村 一馬 著

小学館文庫

2015年9月13日初版第一刷発行

カバー装丁 目黒雅也


 

 

 

本を読む時「いつ頃出版された本なのか」とりあえず奥書きを見てから最初に戻って、目次をパラ見して読み始めるという流れで、今回も一番後ろから開いたら、イラストがたくさん描かれたページがあり、何かな?と。

 

 

 

それは・・・山や川での野生の獲物のし止め方、食し方、洞窟での暮らし方、獣の皮の使い方、などなど。

解説付きでシンプルなイラストでとてもわかりやすい。けど、写真だったら直視できないかも、、、と思うくらい実用的でリアル。。。そんな様々な「サバイバル術」が網羅されていました。

 

 

 

著者の加村さんは群馬県で1946年に生まれ、8人兄弟の中でも、なぜか自分ばかり両親から差別があったり、虐待を受けたりしたという。

 

 

 

その苦しさから脱するため13歳の時に決心し家出をする。少しの食糧や塩や醤油、スコップ等を持って何日も歩き続け、ひょっこり後を追ってきた愛犬シロと共に、足尾銅山に見つけた洞窟に住みつく。

 

 

 

その後43年に渡り、関東甲信越の山や川べりを移動しながら、とにかく食いつなぐためにあらゆる生き物を仕留めたり、時には人の助けを借りたり、山菜を採ったり魚釣り等の特技を生かして、何とか生きながらえた、という、ちょっと信じがたい人生・・・

 

 

 

生きるため、加村さんが実際にしていたサバイバル術が先のイラストでした。

 

 

 

唯一心を交わせる存在だったシロが一緒にいてくれた事は、どんなにか救いだったろう。本当に本当に。

そんな家族・シロを亡くした悲しみをきっかけに、シロと暮した思い出いっぱいの洞窟を離れ、野山を移動する加村少年。

 

 

 

心優しい老夫婦に助けられた時は、本当に心温まる思いがしたけれど、迷惑をかけるんじゃないか、とか、人目に触れる事に不安を感じたりして、再び放浪生活に戻ってしまう。

 

 

 

熊に襲われた場面はハラハラした。その後、孤独感や希望の無さに死のうとして、たどり着いた富士の樹海の描写も恐ろしかった。先人達の姿、、、つまりは、白骨化した亡骸や、亡くなってまだ間もない遺体の過酷さを目の当たりにして、彼らの成仏を祈り、手を合わせ、自殺は思いとどまる事にした。。。

 

 

 

家出をする前、見様見真似で覚えた魚釣りは、放浪生活中、名人とか師匠とか呼ばれる程の腕前だったそうで、最初は「お金」を知らなかった加村さんが日銭を稼げる様になっていく。特技で身を助ける事の逞しさも見せる。

 

 

 

年代ははっきりとは書いてなかったけれど、30代後半頃になって、初めて読み書きを覚えた時は、ひらがなに始まって漢字まで、厳しい「先生」のおかげで徐々に覚えていくと、それまで絵にしか見えなかったものが文字として読める様になり、何て便利なんだと感動する場面も忘れられない。

 

 

 

そしてある出来事をきっかけに逮捕され、意図せず現代の暮らしを始める事になった加村さん。

 

 

 

人を信じられず、最初は獣の様な鋭い目つきだったのが、親身になってくれる方々にめぐりあえたおかげで、少しずつ心に変化が起き、何とか逃げ出さずに暮らしを続けてるという。

 

 

 

何だか超端折ったあらすじを書いてるだけになってますが、、、

 

 

 

現代でも親が育児放棄して保護された子供がトイレの仕方を知らずに、悪気なく洗面台で用を足してしまう事もあると耳にする事もある。

 

 

 

子どもの頃は「親=正しい」みたいな考えになり、苦しくても逃げることが出来ずに心や体が死に至ってしまう事もあるけれど、加村さんは自分を守ろうとする事ができた。逃げる勇気や行動力があった。愛犬シロがいてくれた。あらゆる知恵を働かせて生き延びる術を得まくった。ヤクザにボコボコにされても向かっていく度胸があった。最初はこわごわでも、人の情けに頼る事も知った。


 

 

本著は2004年に出版された『洞窟オジさん 荒野の43年』に、その後の経過が加筆されたものだそうで、テレビドラマ化もされたそうなので、知っている方も多いのかもしれないですね。

 

 

 

私はなんせ初めて読んだもので、とにかく驚きの連続でした。こんな一冊をどこでどう知ったのか、全く思い出せないのが残念...。ネットかラジオかなとは思うのですが...。

 

 

 

ちなみに、テレビドラマ化された時は、リリー・フランキーさんが加村一馬さんを演じたそうで、最後に二人の対談も載っていました。

とにかく読めて良かった一冊です。

 

 

 

 

 

 

 

熱波になってから室内に避難している植物たち。ローズマリーは一株残して、枯らしてしまいましたタラータラー昇天

食いしん坊の私は食べられる実のなる木を持つのが夢です。笑

 

 

 

来週は夏が復活してくるとか。

お元気で、

元気で参りましょうおにぎりおにぎりスイカスイカ流れ星流れ星