エレベーターホールにて。

 

 

濃い並び(^。^)


 

7階まで徒歩で・・・

 

 

 

 

 

 


今月、東京・有楽町のよみうりホールにて行われた、三遊亭円楽さん(師匠)と伊集院光さん(弟子)による二人会に行きました。ゲストは、昼の部がナイツ、夜の部は爆笑問題でした。



17才の時に円楽さん(当時の楽太郎さん)に弟子入りした伊集院さんが落語をやるのは約三十年ぶりだったとか。

 

 


私が参加したのは昼の部で、演目はこんな



クローバーオープニングトーク(円楽・伊集院)
クローバー三遊亭 一太郎「元犬」
クローバー伊集院 光「厩火事」
 〜仲入り〜
クローバーナイツ 漫才
クローバー三遊亭 円楽「一文笛」






一階の最後列で観ました。初めて生で見た伊集院さんの印象は、とにかく上背がでかい。声もでかい。着物が水色だったこともあり、個人的には大好きなすみっコぐらしの"とかげ"に似て見えて、ちょっとかわいいと思いました。コラッ!!




オープニングトークの第一声は師匠の、騙された人がこんなに来ちゃって、みたいな一言だったか。



相手が師匠だと、決して言葉を遮らず、話の腰を折らず、聞き役になっていて、なんなら話の補足をしたりして、とても丁寧な身構えで応対する伊集院さん。



この日のチケットは昼夜共に体感5秒位で即完していた事もあってか、円楽さんは秋以降の「第二弾」や、「地方まわろうよ」的無茶振りをのっけからしていて、最後にもまた念押し。肺がんを患った身で口調はゆっくりめだけど、ぬかりないトークで詰める、さすが師匠(笑)。



打ち合わせも無く突然そんな提案をされた伊集院さんは、いやですとも言えず、今日の高座でお客さんからの拍手の反応で気持ち良く思えたら(次も)あるかもしれない、と、なるべく明言せずに返すのでいっぱいの様子。



あと、何十年ぶりかでいきなり本番を迎えるのもナンだからって、事前に横浜にぎわい座の円楽独演会で二度シークレット出演したらしく、とにかくぎりぎりまで準備を重ねたらしい。



ちなみに、今日初めて落語を聴く人は?という質問に対して、挙手した人は8人くらいに見えました。




馬馬馬




開口一番は一太郎さん。やたら声の通る人だなぁと思ったら、今は声優業をメインでやってるそうで、今回の出演は伊集院さんから直接誘われたと。お互い久しぶりの高座だと思って来たら、ちゃっかり影練してた事をオープニングトークで知ってショックを受けてる様でした(笑)。久しぶりに聴いた「元犬」、ワンコが出てくるお噺で、切れ味鋭く面白かったです。




馬馬馬




高座は続いて、待ってましたの伊集院さん。浅草の老舗で大枚はたいて新調したという着物や帯や帯紐は爽やかなブルー。がしかし、腹の肉がかぶさってほとんど帯が見てもらえない(!)って思わず笑った〜。けど帯、見たかったですよ〜。このまま噺に入らず(枕を)ずっと喋っていたい、と、フリートーク本当に大好きなんだなぁ。満面の笑顔でじらしながらしばらく喋った後、すべりこんできたのは「厩(うまや)火事」。




この日を迎えるにあたり、私は伊集院さんがやると予言(?)していた「死神」と「厩火事」を、中身は何度か聴いて知ってはいたけど、念の為あらすじを読み直し、ネットにあがっている高座(どれも名人ばかりでした)を幾つか聴いた上で行くという、ほんとヤ〜な態勢の客だわぁ(≧∇≦)と思いつつ、でも余計な思考に気を取られたくないし、すべてを楽しみたくて、予習をしてました。



それなのにもかかわらず、初めて聴く心地がしたんです。



夫婦の人情噺「厩火事」に出てくるのは、今でいうキャリアウーマンな奥さんの「お崎さん」と、お崎さんから働かない亭主の相談を受けるお仲人さん。それに亭主もラストに登場。



ギャグや変化球をかましつつ噺は大変愉しく進んで行き、後半の山場に差し掛かる前の、なにげない繋ぎみたいなシーンのお崎さんの独り言が目頭に刺さり、グッと響いてなりませんでした。それは主に次の二点。



仲人の所に亭主の相談に行ったのは、「ただ愚痴を言いたかっただけなのに」、事態が大事になってしまって動揺するお崎さん。ほんと、この「ただ愚痴を言いたかっただけなのに」というのは女性のライトな感覚をよく言い表してるなぁって、膝を打ちました。具体的なアドバイスが欲しかったんじゃない、ましてや強い指示をされて困るお崎さん。アドバイスなんかより、話を聞いてくれりゃぁいいのに!っていう、、、伊集院さん、女心をわかってらっしゃる。。



さらに、愚痴を言いつつも亭主のことを本当は大好きに思っているお崎さんの心情について、全く思ってもみなかった解釈が差し込まれて、ハッとしました。果たしてお崎さんの心情を想像した時、そんな感じ方があるのかぁ、、、ぃゃあるかもしれない、ある、、あるわ! そこには哀しくも共感したくなる人の機微があって、伊集院さん自身の繊細さや気にしぃな人柄を垣間見る思いがして、ウーーンこれは伊集院さんだからこその「厩火事」だなぁ、、、とつくづく思い、目からウロコでした。てゆっか、ちょっと泣いた。



そして噺はいよいよ山場へ。お崎さんと亭主のハンさんの見せ場を真剣に演じる一方で、可笑しな「盛り」を最後までかますから(好き好き)思わず笑ってしいましたが、噺は無事クライマックスへとたどり着きました。




馬馬馬





落語って噺し手によって脚色が変わるから、(あらすじを)知ってはいても、受け取り方が全然違ってくるという愉しさがありますね。



だいぶ前に某談春独演会を聴きに行って、まさかの号泣してしまった時の感覚を思い出しました。でもその時の感動と、今回の感動は、自分の中で何かが違いました。



某談春さんの時は、自分が落語に対してまっさら過ぎて、目の前に描かれる情景にひたすら心打たれて打ち震えた感じ。強いて言うなら横に広く感動したかんじ。



この度の伊集院さんは、噺を深く読み込んでいる感じがすごいなと思い、又、その解釈の方向性が無性に心に響いてしまった。どちらかと言うと縦に深く感動したかんじ。



落語を聴く様になって二十余年、つかず離れずの距離感で愉しんできて、どちらかと言うと新作落語が好きになっていました。が、伊集院さんの落語から「古典落語を聴く意義」みたいなものを新たに受け取った気がしました! 意義なんて言うと堅苦しいけど、お馴染みの噺を、どう魅せるのか、聴かせるのか、上辺の「あらすじ」だけでは、計り知れない世界を聴く歓び。もし機会があるなら、「伊集院さんの解釈による落語」をまた聴きたいなぁ、と、ふぁっと思いました。



同時に、解釈を特段「セリフ」に落とし込まなくても、雰囲気や間合いで見せる噺家さんだって大勢いるだろうし、もしかしたら「解釈のお仕着せ」になりはしないか、紙一重にも思えるけど、それは各自が好きに受け取ればいいわけで。

 

 

 

それよりあまたある古典落語の中で、なぜ「厩火事」と「死神」を選んだのか、それが私には最大の関心事だったので、伊集院さんがやりたい落語を垣間見た気がしてとてもうれしかったです。色んな気持ちの詰まってる「厩火事」でした。



それと伊集院さんの話し方はとってもゆっくりめで、明瞭で、「会話」というより若干「語り」、「朗読」っぽさも感じたので、落語や話芸に触れたことのない人(ヤング世代とか)にも入りやすそうな印象を受けました。(前後のワードが合体しまくって潰れた様に聴こえるアメリカンイングリッシュではなく、一語一語言葉が立ってるブリティッシュイングリッシュみたいなイメージ。って無理があるたとえだな(≧∇≦) )




馬馬馬




長くなってますが、まだ終わりません。
休憩はさんで、ナイツでした。



生で観るのは久しぶりのナイツ。ほぼ全部、全ボケ、笑いっぱなし! 会場もドカドカ揺れてました。なんせ最後列だったから客席全体の空気のどよめきが手に取る様に見えました。際どい時事ネタは大変スリリング(笑)、塙さんと土屋さんの掛け合い、最高最幸でした!




馬馬馬

 




トリの円楽さんは、米朝さんから教わったという「一文笛」。お金が出てくるまでてっきり「一門笛」かと勘違いしてました・・・。会場は一転して水を打ったようにシーンとして、びくともしない、笑いは一切起きないマジな落語。

 

 

 

あまりのギャップに最初馴染むのに時間がかかっちゃいました。が、この落差は、円楽さんの敢えて狙ったところだったと、あとになって知りました。確かに、あそこで笑えるお噺を重ねられたら少し聴き疲れてしまったかもしれない。フルコースの最後のアイスクリームとコーヒーみたいに、まるで別世界に切り替わって、本日の会が着地しました。心地よい緩急でした。






 

 







 

 

 

 


終演後、
頭ぼ〜っとしつつ帰ろうとしたら、入口のあたりで何やら空気を放つ人達と居合わせました。咄嗟にガン見すると、その中の一人が三村さんでした。マスクを深くしててもわかるもんで!さまぁ~ずの三村さん、まさかの今年2度目(!)、通算3度目の遭遇。そんな事ってあるんですね。付き人なのか?(後輩の芸人さんなのか?)男衆に囲まれてて近づく事はできなかったけれど、階段でワンフロア降りるとビックカメラの人混みに紛れて行きました。そのルートで姿を消すの、うまいな。





ちなみに夜の部の演目は



クローバーオープニングトーク
クローバー二代目 三遊亭 楽大
クローバー三遊亭 円楽「行ったり来たり」
 〜仲入り〜
クローバー爆笑問題
クローバー伊集院 光「死神」






 





師弟二人会は、竹内香苗アナのなにげない問いかけを機に始まって、あれよあれよと実現してしまった。確かに竹内アナの振りは大きかったと思うけれど、落語をやめてからもずーーーっと伊集院さんの中に未練(?)や慕う気持ちや執念の灯が燃え続けていたからこそ、今に繋がったのではないかと思います。今後、伊集院さんの気持ちが明るく整って、又は、何らかの形で外堀をさらに埋められて(笑)、各地を巡る旅が実現したら本当にいいですねぇ。私もまたふらっと聴きに行ってみたいです。

 

 

 

 

 

 

当日のパンフレットです。

このブログをずっとちびちび書いていて

書き終わるまで読まずに置いてました。

で、さっき、読みまして

すごくイイ中身でした!(遅っ笑)








クローバー参考までに当日の感染症対策クローバー


・手指消毒&検温
・チケットは自分で半券を切って渡す(コレ嬉しいやつ・笑)
・チラシセットはテーブルに置いてある物を自分で取る
・連絡先を書いた紙を提出する
・物販は大盛況、長蛇の列で密でした
・トイレ等で再入場する時は再度手指消毒

・ロビーの椅子は間引き
・座席は隔席(格子模様ではなく、自分の前に人がいるパターン)
・退場は列ごとに時差退場
・演目の貼り出しは無し
(個人的には時差退場は大歓迎です)

 

 

 

 

 


 

クッキーのプレゼントおまけクッキーのプレゼント



伊集院さんが夜の部でやった「死神」といえば、 

米津玄師が新宿末廣亭の高座に上がってる

「死神」という曲が!

このタイミングで発表されてる!

(落語の「死神」にインスパイアされたみたい)

5日間で680万アクセスとか!!
 

 

米津玄師「死神」

 

 

 

 

 

寄席といえば、今日締切のクラウドファンディングが

当初の目標5千万円に対して1億円集まったと。

すごいこっちゃ。

どの寄席も毎月の赤字が何百万もかさんでたそうなので

よかったよかった、、、。

 寄席の危機に想いを寄せて

 

 

 

 

 

 

たいへん長くなりました。

それではまたです流れ星流れ星