夏、いきなりMAXですね!カキ氷カキ氷カキ氷

 

 


『生き物の死にざま』

稲垣 栄洋 著

草思社

2019年7月15日 第1刷発行

 

 

まるで今の季節にぴったり。「セミの死体が、道路に落ちている。」という一節から始まる本著は、陸海空に生きる29の生き物の生き様を解説した、29のコラムからなる一冊でした。

 

 

一つの種を深く研究している人もいれば、こんなに幅広く語れる著者って何者? 奥書きによると「専門は雑草生態学」とのこと。ほー。。。(←わかったようなわからないような)

 

 

読んでみると、生き物の生き様、死に様、それはつまり、生、交尾、出産、死。これに尽きる感じ。いかに危険を乗り越えて子孫を残すかが、生まれてきた意味の全てか!みたいな勢いで、各生態がコンパクトに綴られてました。

 

 

又、これだけ色々進化した様に見える2020年でもなお「解明されてない、謎の生態」がこんなにあるのか!!と逆に驚きました。身近な存在のセミですら、土の中で何年も幼虫として過ごしてる間の事はあまり解明されてないなんて。

 

 

日頃、野良猫や鳩やカラスやすずめやムクドリやカモメや(鳥が多いな・・・)などの生き物は、生きてる姿を目にする事はあっても、死んだ様子を見ることはほぼなく、(それでも目が割といい自分は植え込みの下でそっと御臨終してる野鳥に気付いてガーン!( ̄▽ ̄;)!とか時々なってるのですが・・・)彼らはいったい死期をどこでどう迎えてるんだろう??という、日頃何となく抱いてた謎が、この本読んだら何かわかるかな?と思って読んでみたのです。

 

 

結果的に野良猫や鳩やカラスやすずめやムクドリやカモメの死にざまはよくわからなかったですけど、おかげでメスの蚊の壮絶な苦労を知った今、多少思いきり蚊に刺されても、よくやり遂げたね!みたいな、メスの蚊の使命に多少思いを馳せる事ができるようになったかもしれません。。。痒いけど。。。

 

 

ブロイラーとしてのニワトリの項とか読んでしまうと(ものすごく詳しく描写されてるわけではなくても)、死の迎え方が人間の都合に合わせた酷さで、一瞬もうベジタリアンになってしまうかも?と思いました。たぶん思っただけです。。

 


それと多くの生き物に「感情」はないかもしれないですが、時々それを夢想して、小説の様な文章になってる著者はきっとロマンチックな人なのかな。学術的というより、物語的な本でした。

 

 

読むだけで夏休みの自由研究をやった気分です。生き物の生態って、奇跡と不思議のつまった世界ですね。もちつもたれつ生きている命の不思議に触れた一冊でした。

 

 

 

 

 

今朝のべるばら。