私が高校生の時に、ファミコンが発売されたようです。私の周りでは持っている人もいず、あまり話題にはなりませんでした。私がファミコンを買うのは、ずっと後です。

あるとき大阪へ行き大型書店に入ると、ゲームブックが大量に並んでいました。もしかしたら書店の外に並べられていたかもしれませんし、外から見えるような位置だったかもしれません。なんだか薄っすらと、そんな記憶があります。

そのゲームブックというのは「火吹き山の魔法使い」という本です。この時点で私は、まだゲームブックという本を知りませんでした。生まれて初めて見る種類の本でした。もしかして類似の本を見たことがあるかもしれませんが、あるとしても本格的なゲームブックではなかったはずです。

本の表紙を見たとたんに興味を惹かれた私は、パラパラとページをめくってみました。その内容に読書好き、ゲーム好きの私は、いっぺんに魅了されました。

ゲームブックの説明は必要ないと思いますが、要は本の中にストーリーが書かれていて、一つひとつは短い場面なのですが、その中にだいたいは選択肢があって選んだ選択肢によって次に読む箇所が指定されます。

そうやって読んでいくと、ひとつのストーリーが完成するというものです。自分の選択やサイコロの目などによってストーリーが変わっていく本です。

さっそく買いました。当時、ファミコンなど家庭用ゲーム機を持っていない私にとって、家でゲームが楽しめるゲームブックは本当に魅力的な存在で、この手のゲームブックを読むことで、ゴブリンとかドワーフという存在を知りました。

今でこそ、ドワーフもゴブリンも一般に認知されていますが、昔はそうではありませんでした。ジブリの「耳を澄ませば」にも、主人公がドワーフを知っていることを珍しいというニュアンスで描くシーンがあったぐらいです。

この「火吹き山の魔法使い」がヒットしたことにより、ゲームブックは各出版社から続々と刊行され、ゲームブックブームとなりました。

ただし、ほとんどのゲームブックは駄作と言ってもいいような、あまり面白くないものでした。さながらゲームブックバブルで、あのアタリショックを思わせるような状態でした。

ストーリーが面白いのは「火吹き山の魔法使い」と同じ作者によるファイティングファンタジーシリーズぐらいだったと記憶しています。ただ人によっては、「火吹き山の魔法使い」以外は面白くないと言う人もいます。

ファイティングファンタジーシリーズの「火吹き山の魔法使い」の次の作品は、「バルサスの要塞」だったかと思います。私はこのシリーズを次々と買い、遊びました。

同じ作者の「丘を越えて」という4部作も買いました。「丘を越えて」はシリーズ名だったか、第一巻のタイトルだったかは忘れました。後に復刊されて「シャムタンティの丘を越えて」というタイトルになりました。

この作者以外のゲームブックも、いろいろ買いました。先ほども言いましたが、ほとんどが駄作です。それでも買いました。遊んでみないと、駄作か良作かは判断できないからです。

ホラー映画を元にしたゲームブックも買いました。「バタリアン」だったか、記憶が曖昧なので正確には書けませんが、本当にいろいろなゲームブックを買いました。

その「バタリアン」だったかのゲームブックが印象に残っているのは、当時は確かホラー映画ブームだったような記憶があるのと、途中にちょっとふざけたセリフがあって、シリアスな感じのストーリーだったのに急に地の文でおふざけが入ったのが面白かったからです。

後はファイティングファンタジーシリーズ以外で記憶にあるのは、大航海時代だったかのストーリーで、壊血病とかクジラから竜涎香を採るとか、そんな内容のゲームブックがあったと思います。

ゲームブックに夢中になったのは、今でも思い出として残っています。