ボードゲームのウォーシミュレーションゲームの思い出を書きます。

「第三帝国」(経済面に焦点を当てた欧州での第二次大戦ゲーム)については、すでに書きました。

「太平洋の覇者」(太平洋戦争の海戦)も書きましたが、米国製のゲームなので、日本の軍艦も英語表記です。私はこれで、太平洋戦争時の日本の軍艦の名前を覚えました。選択ルールで、信濃も登場します。

この選択ルールというのもボードシミュレーションゲームの特徴のような気がします。

本来は信濃はすぐにアメリカの潜水艦に撃沈されたため、ゲームには登場しないのですが、やはり信濃を登場させたいから、特別に登場させるため(ちなみにアメリカ人が作ったゲームですが、やはり太平洋戦争のゲームを作る人なので、日本人同様に信濃にも魅力を感じるのでしょうか)、選択ルールとして追加ユニットが有りました。

選択ルールというのは他にも、シミュレーション性を高めるためのちょっと複雑なルールであるとか、上級のルールなどを追加するなど、ゲームが複雑になったり手間がかかる等するものを、基本ルールとは別に制定しておいて、プレーヤー同士が合意したら導入するというもので、いたずらにゲームを難しくし過ぎないためなどにあるものだったりします(私はそう理解していました)。

「太平洋の覇者」であれば、機動部隊による索敵も選択ルールだったはずです。いくつかのユニットでグループ(機動部隊)を作り、サイコロの目で敵を発見できたか否かを決定して、おそらく先に発見したほうが先制攻撃ができるみたいなものだったように思いますが、さすがに細かい部分は覚えていません。

たぶんミッドウェー海戦の日本側が敵艦隊を発見できなかった、あの感じを再現するための選択ルールだったのではないかと思います。

他にも真珠湾攻撃の前の事前通告に関する選択ルールもありました。日本側は事前通告する予定だったのに遅れてしまった事実をもとに、もし事前通告があったならというもので、これは信濃の登場と同じくifに属するものなので選択ルールにしたのでしょう。サイコロの目で事前通告の有無を決めるもので、何回かサイコロをふった記憶があります。つまりゲームであっても何度も偶然が重ならないと事前通告は行なわれないというものだった記憶があります。

この「太平洋の覇者」と同じゲームシステムなのが、「英独大西洋の戦い」です。そのシステムというのは、軍艦(空母を含む)や潜水艦には攻撃回数が能力に応じて設定されていて、敵を攻撃したらその回数だけサイコロをふって、6が出たら攻撃が命中。6の時はさらに続けてサイコロをふって損害値を決め、それが艦船の装甲値を上回ったら撃沈されるし、装甲値以内ならダメージは受けても撃沈はされず(ただしダメージは蓄積していくので、何度も攻撃されると沈められてしまう)、戦闘が終わっても撃沈されてなければ基地に帰って修理も可能。ちなみにサイコロの5は戦闘不能をあらわし、攻撃側のサイコロの目が6でなく5であれば敵にダメージは与えられない代わり、その敵の艦艇は戦闘が終わるまで攻撃ができなくなります。つまり戦闘でサイコロをふって6か5を出す単純なシステムです。どこの基地(港)にいるかで出撃できる海域が変わりますし、「太平洋の覇者」であれば日本軍は本土とトラック基地でしか修理ができないので(しかもトラック島は修理の能力が低い、反対にハワイは修理能力が高く米艦はアメリカ本土に戻らなくても十分な修理が可能)、どこに艦を置いてどこに出撃させるかが戦略となるゲームですが、かなり簡単に遊べます。また新しい軍艦が実際に竣工した時期になると登場してくるのも楽しいですが、アメリカ艦隊は戦争末期にはとんでもない数が登場してきますので、日本はとても太刀打ちできません。

「英独大西洋の戦い」はその名の通り、第二次大戦の大西洋での英独の海戦を上記の「太平洋の覇者」と同じルールシステムで再現したゲームで、おそらくこちらが先に発売されたのではないでしょうか。イギリスとドイツだけでなく、イタリア海軍も登場しました。

私はこのゲームで、ドイツ艦隊の船の名前をいくつか覚えましたし、イタリアの軍艦の名前を少し知りました。

ちなみに「太平洋の覇者」にも、オーストラリア海軍の艦船がいたはずですし、オランダ海軍はどうだったかな?

そうやってイタリア、オーストラリアなど米英日独以外の艦隊が出るのも楽しかったです。

以上はアメリカのアバロンヒル社のゲームです。

日本のホビージャパンからは、「1JN」という太平洋戦争の海戦のゲームが発売されました。かなり面白いゲームでした。サボ島だったか、島もあって、紙に描かれた島をシナリオによってはマップに置きます。

この島が間にあると敵を攻撃できないとかのルールがあったはずです。

日本製のゲームなので、当然のことながら日本海軍の艦船名は漢字表記です。それが嬉しかったし、日本製のシミュレーションゲームのレベルが高いことがわかったのも嬉しかったです。

アバロンヒルのゲームに戻りますが、「宇宙の戦士」というゲームもありました。ハインラインの同名の小説を元にしたものです。クモ(だったか?)のような異星人が作る地中の巣のマップを、自分で描いたり(つまり自分で敵の拠点を制作して、そこに友達などの地球軍側をやるプレーヤーが侵入してくるという、小規模ながらも自作のマップで遊ぶ楽しさが味わえる)、クモ(ではない可能性もありますが昆虫型の異星人です)と同盟を組む人間型のヒューマノイド異星人のユニットは裏返しにしておいて(裏返しではなくダミーのユニットだったかもしれません)、攻撃のために接触してみるとダミーの場合もあるとか、地球軍部隊の帰還用の宇宙船の降下地点は自分で設定しますが、必ず誤差があって宇宙船の落下場所がズレるので(それをサイコロか何かで計算する)、撤退する前に降下地点の予測とかどの辺りに降下させるとかを計算しておかないと撤退がスムーズにいかず追撃されてしまう(追撃ではないかもしれませんが、何かがあったはず)など、かなり新鮮に感じました。

地球軍の帰還は、もしかしたら決められたターン内で帰還しなければならないなどの縛りがあったかもしれませんが、なにぶん何十年も昔の記憶で書いていますから覚えていません。

虫型異星人の巣も、たしか地球軍部隊は相手に巣の中を説明されながら進むという、まるでテーブルトークRPGのような感じで、まだテーブルトークでのゲームを知らなかったから新鮮に感じたような記憶もあります。当時はRPGゲームといえばテーブルトークしかなかったので、いちいちテーブルトークRPGとは言わない時代でした。

ちなみにこの原作小説の「宇宙の戦士」に出てくる地球軍はパワードスーツを着ていて、後のモビールスーツの原型です。ハインラインの「宇宙の戦士」は、地球人が宇宙に進出しても、軍隊の基本は歩兵だったという話で、派手な戦闘シーンよりも宇宙時代の軍隊を描いた小説だったように記憶していますが、これもうろ覚えです。

私のような一人プレーヤーのために、「アンブッシュ」というひとりプレー専用ゲームもありました。なかなか面白かった記憶があります。軍隊の小隊(陸軍)で敵と戦うゲームで、敵部隊にはヘリコプターも登場しました。奇跡的に敵のヘリコプターを銃撃で撃墜した記憶があります。こちらはマシンガンでも装備していたのでしょうか? さすがに小銃でヘリの撃墜はムリでしょう。小隊の1人ひとりにも名前がありました。

アンブッシュというのは待ち伏せという意味だったと思います。

同じ一人プレーゲームでは、空戦を扱ったゲームもありました。バトル・オブ・ブリテンのゲームだったかな? 記憶が曖昧です。おそらく私はプレーしてなくて、それで記憶が曖昧なのでしょう。たぶん遊べば面白かったはずです。

空戦ゲームといえば、お互いの飛行ルートをあらかじめ専用の用紙に書いておき、その飛行ルートに基づいてお互いの戦闘機ユニットを動かしてプレーする空戦ゲームもありました。

あらかじめ飛行ルートを書くのは、同時に戦闘機を操縦していることを再現するためで、相手の動きを見てからユニットを動かせるのは、敵の背後を取ったときだけだったと思います。

マップは単なる白マップで、事前の飛行ルートをもとにして同時にお互いの戦闘機ユニットを動かして遊ぶという独特なゲームですが、上記の「宇宙の戦士」も同じなのですが、こうやって斬新なルールを作ってその世界や戦闘を再現するのがシミュレーションゲームの面白さでもあり、そこが好きでした。

第二次世界大戦の欧州をたくさんのマップで再現したゲームもありました。これは欧州を複数のマップを使用することで、かなりの大きさで再現していて、ユニットの数も多くて、第二次大戦の欧州での戦争すべてをシミュレーションするゲームであるため、迫力がありました。

アフリカ戦線のマップも含まれていたかは記憶にありませんが、北アフリカでの戦いがなければ、欧州での第二次大戦の再現が不完全なものになってしまうので、北アフリカのマップもあったでしょう。イタリアがあれば、地中海と北アフリカ、そしてギリシャぐらいはイタリアと同じマップに描けるはずです。

トルコは? とにかくかなりマップを置くスペースが必要なゲームで値段もかなり高かった記憶があります。

初心者向けゲームとしては、「タクテクス」という架空の国同士の戦争のウォーゲームもありましたが、これは特殊なゲームで、マップのヘクス(多くのシミュレーションゲームのマップに描かれる六角形で、これによりユニットは6方向に移動できる)も採用されていなくて、果たしてこれを初心者向けウォーゲームと言っていいのか疑問です。

但しホビージャパンの方で付けた日本語ルールブックには、ルール以外のいろいろな戦争の基礎知識も書いてあって、ルールブックというよりガイドブックになっているので、読み物として読み応えがありました。

この「タクテクス」こそがアバロンヒル社の礎を築いたゲームだったように記憶していて、それ故(アバロンヒルの最初のゲーム、もしくは最初にヒットしたゲームだから)に初心者向けゲームとされたのではないでしょうか。

追記しておくと、上に書いている「タクテクス」というゲームは、正式には「タクテクスII」というらしいです。このゲームのヒットがウォーゲームの商業的販売の基礎を作ったとか、そういう理由によって初心者向けの入門ゲームとされていたようですが、要は初期に発売されたゲームなので、最初に遊ぶべきゲーム扱いされたという事でしょう。

実際は特殊なマップのゲームなので、このゲームを遊んだら他のウォーゲームの遊び方が身につくとかではなく、むしろ逆です。この「タクテクスII」というのは「タクテクス」というゲームを改良したもので、まだ後のボードウォーゲームの基礎的な約束事が出来上がっていない時期のゲームなのではないでしょうか。だから特殊なマップになっているのではと推察します。

ルールブックも正式には「シミュレーションゲーム入門ガイドブック」という名称で、あくまでメインなのはシミュレーションゲームのガイドブックの方で「タクテクスII」のルールは付属扱いのようです。

これはホビージャパンのほうで製作したガイドブックだと思います。ボードウォーゲームのパイオニア的「タクテクスII」に入門ガイドブックを付けて、初心者向けのゲームとして販売して、日本でのシミュレーションボードウォーゲームの普及を狙ったのではないかと思います。ゲーム自体よりも、この入門ガイドブックの方に価値があるように思います。

他にもシミュレーションゲームは持っていたはずですが、忘れました。上記は記憶を元に書いていますので、記憶違いがあったらすみません。いずれもタクテクス誌の付録ゲームではなく、箱入りで販売されているゲームです。

本当に、あの時代が、今となっては懐かしいです。

夢中で「タクテクス」誌を読み漁り、紹介されていた本やビデオを探して知識を深め、新しいゲームにワクワクしていました。

お恥ずかしい話ですが、自分でもウォーゲームを作ってみたくて、本を読みふけっていた時期もあります(タクテクス誌ではなく、戦争関係の本です。)

しかし素人が簡単にゲームデザインができるほど甘くはなく、そもそも少し戦争に関しての本を読んだぐらいでシミュレーションゲームのルールを作れるものではありません。ルールを作るスキルもないし、ゲーム制作なんてやったことないわけですから。才能のある人は別でしょうけど。

このウォーシミュレーションボードゲームは、いまでも専門の雑誌が発行されるなど根強いファンがいて、テレビゲームのウォーゲームとはまた違うものです。