ハロープロジェクトのコンセプトの中心にあるモノは、音楽です。
ハロプロを運営する事務所のアップフロントは、堀内孝雄さんやKANさんらが所属する音楽事務所で、事務所の音楽へのこだわりを表すエピソードに、アップフロント所属のお笑い芸人、上々軍団のエピソードがあります。
これまでに3枚のCDを発売している上々軍団ですが、楽曲制作の際にお笑い芸人らしく、歌詞にボケを入れて事務所に提出したところNGが出て、やり直しとなったとのことでした。このエピソードからも、アップフロントの音楽に対する真剣な姿勢を伺うことが出来ます。
お笑い芸人にも音楽性を求める事務所の方針が示すように、ハロプロお各グループも音楽に強いこだわりを持っています。
まず、ライブやイベント・歌番組では常に口パクなしの生歌です。以前、藤本美貴ちゃんがバラエティー番組内で口パクについての話になった際に、
『下手くそでも歌わされる。事務所からは、”いつか上手くなる!”と言われる』
(口パクのアイドルに対して)『その高音、その顔じゃ出ない』
との主旨の発言をしており、ここからもアップフロントの方針を知ることが出来ます。
アップフロントの音楽へのこだわりはレコーディングのスタイルにも表われています。
事前にパート割りがなされて決められたパートのみを収録するのではなく、全員が1曲をフルで歌い、その中で歌割りを決めて、楽曲が完成する形をとっています。
つまり、レコーディングはメンバーにとって、自分の出番を賭ける真剣勝負の場であり、真剣勝負だからこそレコーディングを通じてメンバー個々の歌唱スキルが向上していくのです。
また、音楽を具体的にメンバーに落とし込むキーワードとして“リズム=16ビート”があります。
リズミカルで躍動感のあり、そしてクセになるハロプロ楽曲の根底にあるのが、この16ビートであり、メンバーは研修生時代や加入直後から、この16ビートを身体に刻み込むように日夜レッスンに励んでいます。
余談ですが、私がサッカークラブで働いていた際に、スタジアムで他界隈の大手アイドルの試合前&ハーフタイムライブが開催されたことがありました。
試合の準備をしながらリハーサルの音を耳にすることが出来たのですが、ハロプロでいう“リズム=16ビート”が刻まれていない歌唱に違和感を覚えました。もちろん、ハロプロの楽曲ではないので、そのグループの歌い方が正しいわけですが、普段から16ビートの利いた楽曲ばかり耳にしている私には、少し合わなかったようでした。
以上のように、メンバーだけでなくヲタクの身体にも刻まれているほど、16ビートはハロープロジェクトを語る上での重要なキーワードとなっています。
このような明確なコンセプトがあり、それを体現する具体的な方法があるからこそ、ハロープロジェクトは、25年の歴史を積み重ね、アイドル界においての地位を確固たるモノとしました。そして近年ではモーニング娘。のロックインジャパンフェス出演をはじめとした様々な音楽フェスへの出演を通じて、関係者やアイドルヲタクではない音楽ファンからも高い評価を得ています。
アップフロントが示す“音楽”へのこだわりは、サッカーチームの強化を考える上での大きなヒントとなるのではないでしょうか。