グループやクラブが継続的に活動していくために、知ってもらい、人気を高めるための活動が日夜行われています。
サッカークラブにおいて“普及”というとサッカースクールやホームタウン内でのサッカー教室など、サッカーそのものを広める活動を指すことが一般的ですが、ここでは、“普及”をクラブやグループそのものを知ってもらうための活動と定義して、選手のメディア出演やSNSなど広報活動も含めた広義の範囲を“普及”と考えていきます。
近年の普及の傾向としてみられるのが、SNS等を通じた選手やアイドルを身近に感じてもらう手法です。AKB48のブレイク以降、“会いに行ける○○”というキーワードがエンタメ業界全体に広がり、同業のハロープロジェクトはもちろん、サッカークラブでも総選挙的なイベントが行われることも珍しくなくなり、親しみやすい個人(推し)にフォーカスを当ててクラブやグループの認知度を高める取り組みが増えているように感じます。
個人がクローズアップされることで、出身地や学歴、家族構成や趣味など個人の人となりの中にファンが共通点を見つけ親しみを感じたり、SNSを通じて画面やステージの向こう側の人間と直接やり取りを出来ることで、さらにクラブやグループを応援するというサイクルがアイドルでもサッカークラブでも成立し、重要な普及のツールとなっています。
このような普及の戦略は、今の時代に即したやり方とも言えますが、選手が基本的にホームタウン内で生活し、移籍が一般的なサッカークラブにおいては、リスクも孕んでいるように感じます。
SNSを通じて発信されるイメージは基本的に“キラキラした”“格好いい”“誠実な”アスリートらしいイメージです。当然、プロサッカー選手であれば、食事をコントロールしたり、生活リズムを整えたり、一般の人以上に体調に気を配り生活をしていますが、人間である以上、時にはファーストフードを食べたり、彼女と出歩いたり、娯楽を楽しんだりすることもあり、誰もが毎日品行方正な、スポ根漫画のような血のにじむような毎日を送っているわけではありません。
しかし、選手とファンサポーターが同じ生活圏でくらしていれば、上記のような“普通の”人間としての一面も目に入ってしまいます。先日、ツエーゲン金沢に『選手がコーラを飲んでいる』との苦情が入ったことが話題となりましたが、選手・クラブ側からすれば『普通に生活していればコーラくらい飲む』というのが言い分でしょうし、苦情をいれたかたからすれば『身体が資本であるアスリートがコーラを飲むなんてけしからん』といったことなのでしょう。
やり過ぎとも言えるコーラの苦情ですが、一般の方はアスリートは日々節制し巨人の星やアタックNo1のような生活を送っていると思っているとも言えるのではないでしょうか。そして、そのイメージは選手が頑張っている姿が、メディアやSNSを通じて強化されていることも否定できません。