毎年、頭を悩ますのが新製品開発。
デザイン面の広い壁掛けカレンダーでは、絵柄やテーマを変えることで「変化」を演出する事はできますが、卓上カレンダーのデザイン面では、そこまでの効果は生み出せません。

一方、卓上カレンダーの4つの構成要素である「デザイン」「素材」「サイズ」「機能性」のうち、実際には未だに存在していないものは多々有りますが、現実的な価格で仕上げようとした場合に、使える要素はかなり絞られてきます。
特に、卓上カレンダーのデザインについては、概ねスタイルが決まっており、世の中では奇抜な物は認知されないため、さらに選択肢は限られます。

さらに、卓上カレンダー製作の経験を積むほど、過去の形状に対して「アンカリング」や「認知バイアス」に陥り易く、新たな思考性が生まれ難いという土壌も存在するのも悩みの種です。

いずれにしても、新製品の企画を「卓上カレンダー」の姿・カタチ、または機能面から始めると「どこかで見た様な製品」に行き着く事は想像に難く有りません。
例えそれが、ユーザーのヒアリング(ニーズ)を元に企画したとしても、その情報取得が容易であればなおさらです。

そうならないためにも、私は出来る限り「言葉」先行で新製品を企画するようにしています。

「言葉」とは、
もともと人々の中に存在していた要素が顕在化したものです。
その「言葉」の中から、文化的意味合いを含むものを抽出します。
それをそのまま「卓上カレンダー」に冠します。

例えば“ソーシャル卓上カレンダー

これはデジタルでは既に存在していますが、これをリアルな卓上カレンダーで、どのようにデザインするか。

あくまで一例ですが、実際にこの方法で製品化できたとすれば、世の中との距離感は抜群に近づくことになり、受け入れられる可能性は高くなります。

ただし、これは今までの卓上カレンダーの製品化の過程と真逆なので、かなりのスキルを要しますし、現在の実情に合った商品として市場に出せるのは、ほんの一握りだと思います。

それでも、それを追求する事に、私はやりがいを感じています。
すでにアイデアはたくさんありますが、現時点では実現不可能はモノがほとんどです。

でも、これが1年経った時。3年経った時。はたまた5年経った時。
自分の思考スキルが上がり、現在とは違う汎用技術が世の中に出現し、生産体制が構築できるなどの条件が整えば、実現する可能性はあります。

その時まで、思い続け、挑戦し続ける事。
それが私のモチベーションです。