日本の祝日の中で「記念」が入っている日が2つあります。
「建国記念の日(2/11)」と「憲法記念日(5/3)」です。

この2つ、「日」の前に「の」が入っているかいないか違いがあります。
発音してみると「記念日」の方が自然です。
さらに日本の祝日のうち、ほぼ全てが祝日法により規定されていますが、「建国記念の日」だけが政令で決められています。

同じ国の祝日としては不思議ですよね。
これには訳があります。

実は当初、「建国記念の日」は建国記念日として案が出されました。
話せば長くなるので要約すると、当初は

 ●かつて2月11日が「紀元節(本書紀が伝える初代天皇・桓武天皇の即位日)」と言う祝祭日であったこと。明治に入り制定され、戦後間もなく廃止された。
 ●1950年代に入り紀元節の復活の動きが始まった事
 ●「建国記念日」を制定する法案を9回の提出したが、科学的根拠が弱いなどの反発が強く廃案を繰り返した事
 ●最終的に「の」を入れて「建国記念の日」とすることで本来の意味合いを弱めるという解釈上の裏技?を使い、さらに有識者の審議会を通すことで中立な意味合いを強めることで反対グループの妥協を引き出し、その上、奥の手の政令として決まりました。

この過程だけを見ると、言い出しっぺが意地を通したように見えるのは私だけでしょうか(笑)。
何にしても「建国記念の日」という響きは、その成り立ちを知らない人にとっては自国の誇りにも聞こえますが、実はその成り立ちからすると政治的な意味合いが濃い祝日なのであります。