■生活保護を受けていても部屋は借りられる?

・結論として 生活保護を受けていても賃貸物件を借りることは可能 です。ただし、一般の入居と違い、生活保護制度ならではのいくつかの条件・手続きがあり、自由に好きな物件を選んで勝手に契約できるわけではありません。
まず、生活保護の住宅扶助では「家賃の上限額(自治体ごとに違う)」が決まっており、その範囲内で借りることが基本となります。上限を超える物件は原則認められず、例外的に認められるケースもありますが、必ず福祉事務所の事前判断が必要です。

 

■自分で不動産会社に行って探していいの?

物件探し自体は 自分で不動産会社に行って探してOK です。ただし、一般の人と同じように「気に入ったので契約します!」という流れにはできません。
生活保護受給者が引越しや新規契約を行う場合は、
 ①福祉事務所に「転居したい理由」を説明し、許可を得る
 ②住宅扶助の範囲内で物件を探す
 ③申込前に「この物件を契約してよいか?」を 福祉事務所へ確認
 ④役所が不動産会社へ「家賃確認書」などを提出依頼する
許可後に契約へ進むという流れが一般的です。
つまり、探すのは自由だけれど 契約は必ず役所の了解を得てから でないといけない、という点が最大のポイントです。

 

■生活保護で部屋を借りる時の主なルール

生活保護の住宅扶助を利用して賃貸物件を契約する場合、次のようなルールがあります。
❶ 家賃の上限を守ること(地域ごとに違う)
 自治体ごとに「住宅扶助基準額」が決まっています。
 例として東京23区の単身者なら 約53,700円 が上限(年月により変動あり)。これを超える物件は原則NG。

❷ 敷金は支給されるが、礼金・仲介手数料は自治体で扱いが違う
 多くの自治体では 敷金の支給は可。
 ただし、礼金・鍵交換代・仲介手数料・保証会社費用は自治体により扱いが異なります。

 「必要性が認められた場合のみ支給」「原則は自費」など地域差が大きいため、必ず事前確認が必要です。

❸保証会社利用が必須の物件が多い
 近年はほとんどの賃貸物件で保証会社利用が前提。
 生活保護でも利用自体は可能ですが、役所が費用をどこまで負担してくれるかは自治体判断になります。

❹役所が「転居の妥当性」をチェックする
 

以下のような理由でなければ、転居が認められないこともあります。
・家賃が高すぎる
・現在の住まいに明確な問題がない
・生活保護費で十分生活できない可能性がある
・就労や治療に不利な場所に転居しようとしている

 

■まとめ

生活保護を受けていても、賃貸物件を借りることはできます。ただし、
家賃上限の範囲で探す
契約前に必ず役所の許可を得る
敷金・礼金・保証料などの扱いは自治体ごとに違う
というポイントを守る必要があります。
自由に好きな物件を選べるわけではなく、「役所の許可を得ながら進める」 という流れが最重要です。

 

■youtube動画の台本

会話台本(セミナー風)

賃貸契約に関する初心者向けセミナー。

【登場人物】
やまだ:素朴な疑問を持った女の子(参加者)。不動産業界はまだ慣れていない。
講 師:不動産屋で働くベテラン社員。現場経験が豊富。

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<前編:生活保護でも部屋って借りられるの?>

やまだ

先生…これすごく聞きづらいんですけど…生活保護を受けている人って、そもそも賃貸のお部屋って借りられるんですか?

 

講師

もちろん借りられるよ。生活保護だからといって“部屋を借りてはいけない”なんてルールはないんだ。ただし、一般の入居とはちょっと流れが違うから、そこを理解しておく必要がある。

 

やまだ

えっ、どう違うんですか?

 

講師

まずね、生活保護の『住宅扶助』には地域ごとに家賃の上限が決まっているんだ。例えば東京23区の単身者だと約5万3千円くらいね。その範囲内なら借りられる。ただ、上限を超える物件は原則NGだよ。

 

やまだ

じゃあ、自由に好きな物件は選べないんだ…?

 

講師

選ぶのは自由。

ただし“契約の前に必ず福祉事務所の許可を受ける必要がある”のが大事なポイント。普通の人みたいに『気に入ったので申し込みます!』って勝手に進めちゃうと、あとで家賃が認められなかったり、契約費用が支給されなかったりする。

 

やまだ

え!それは大変…事前に許可が必要なんですね。

 

講師

そう。生活保護の方が転居するときは、福祉事務所に『なぜ引っ越すのか』を説明して、妥当と判断されたら初めて探してOKになる。物件探し自体は大丈夫だけど、申し込む前に役所へ確認することが絶対条件なんだ。

 

やまだ

なんだか普通のお部屋探しより慎重なんですね…。

 

講師

そうだね。でも手順さえ守れば、きちんと賃貸生活を始められるよ。次の後編では、実際にどんなルールがあって、費用はどこまで役所が出してくれるのか解説するよ。

 

以上