■賃貸物件に問い合わせたら、知らない会社から大量に電話が来る理由

賃貸物件を探していて「1件だけ問い合わせたはずなのに、知らない不動産会社から何社も電話が来た」「問い合わせた覚えのない会社から連絡が来て怖い」という声は非常に多く、実はこれはポータルサイトの仕組みによる“仕様上のトラブル”が原因で起きています。
 

賃貸ポータルサイト(SUUMO・HOME’S・アットホームなど)は、物件ページの表示や問い合わせフォームのUI(画面設計)の中に、利用者が意図せず複数物件に同時問い合わせをしてしまうチェックボックスが仕込まれていることがあります。たとえば「この物件を扱っている他社にも問い合わせる」「似ている物件にも一括問い合わせ」というチェックがデフォルトでONになっているケースがあり、気づかずに送信すると複数の会社へ同時に反響が飛ぶ仕組みです。
 

また、ポータルサイト側はビジネスモデルとして「問い合わせ(反響)」が増えるほど収益が増える仕組みを採用している場合があります。特に、1件の問い合わせがあるごとに不動産会社が掲載料とは別に課金される「反響課金型」を採用しているサイトでは、より反響が増えるようなUIにせざるを得ず、結果として利用者の意図を考えない設計になっていることが多いのが実情です。
そのため、ユーザーが“1社だけに問い合わせたつもりでも”ポータル経由では複数社へ同時に情報が送信され、次々と電話が鳴る状況が発生します。
 

さらに、同じ物件でも複数の仲介会社が掲載しているため、同一物件に興味を示しただけで複数の会社が「うちでも扱えます」と連絡してくるケースもあります。中には閲覧しただけの物件が“おすすめ一括問い合わせ”に組み込まれており、ユーザーが気づかないまま送信されてしまう事例も見られます。

 

■ユーザー側ができる対策

・問い合わせ画面の 「他の会社にも問い合わせる」「類似物件にも一括送信」 のチェックを必ず外す
・電話が嫌な場合は 「メールで返信希望」 と記入する
・SUUMOの「お気に入り→まとめて問い合わせ」は自動で複数社に送られるため注意
・不審な会社から電話が来た場合は、「問い合わせていない」旨を伝えれば停止してもらえる
 

■youtube動画の台本

会話台本(セミナー風)

賃貸契約に関する初心者向けセミナー。

【登場人物】
やまだ:素朴な疑問を持った女の子(参加者)。不動産業界はまだ慣れていない。
講 師:不動産屋で働くベテラン社員。現場経験が豊富。

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<前編:問い合わせたら知らない会社から大量に電話が来る理由>

やまだ

先生…助けてください…。

賃貸物件に1件だけ問い合わせたはずなのに、知らない不動産会社からいっぱい電話が来て…ちょっと怖くて。

 

講師

あぁ、それね。実は“よくある相談”なんだよ。君だけじゃなくて、初めて部屋探しした人はみんな驚くんだ。

 

やまだ

えっ、私だけじゃないんですか?本当に問い合わせてない会社からも来るんですよ?

 

講師

うん。

それはね、不動産の“ポータルサイトの仕組み”が原因なんだ。SUUMOとかHOME’S、アットホームって使った?

 

やまだ

はい!

よく見てました!

 

講師

実はあの問い合わせフォームには、利用者が気づきにくい“デフォルトでONのチェック”があるんだ。
例えば『この物件を扱う他の会社にも問い合わせる』とか
『似ている物件にも一括問い合わせ』っていう項目がね。

 

やまだ

えっ!?そんなの知りませんでした…!気づかずに押しちゃってたかも…。

 

講師

そう。

だから“1社だけに送ったつもり”でも、裏で5社、10社に送られてることがあるんだよ。

 

やまだ

でもどうしてそんなややこしい作りになってるんですか?

 

講師

理由はズバリ、ポータルサイトの収益モデル。
ポータルって、1件問い合わせがあるたびに不動産会社から“反響課金”としてお金が入る仕組みを採用しているところがあるんだ。

 

やまだ

えっ…じゃあ、たくさん問い合わせが起きたほうが儲かるんですか?

 

講師

その通り。

だから、ユーザーの意図よりも“問い合わせを増やしたいUI”になっているケースがある。
閲覧しただけの物件が一括問い合わせに組み込まれていたり、他社にも送るチェックがONだったりね。

 

やまだ

なるほど…私の電話がいっぱい鳴ったのは、そういう理由だったんですね…。

 

以上