■賃貸物件の入居審査と、マイナ保険証制度の関係について
【健康保険証/マイナ保険証の動き】
2025年12月2日から、従来の健康保険証の発行が停止され、マイナンバーカードを健康保険証代わりに使える「マイナ保険証」へ制度移行が実施されています。
マイナ保険証には、勤務先名や保険組合名の記載がない(または見えない)ケースがあるとされ、この点が審査側・不動産会社側で懸念材料になり得るようです。
【賃貸入居審査における「在籍確認」「勤務先確認」の実務】
賃貸契約時の入居審査では、申込者が記載した勤務先に実際に在籍しているか確認する「在籍確認」が行われることがあります。
在籍確認の方法としては、勤務先に電話を掛ける形式が一般的ですが、申込者・貸主・管理会社の都合で、必ず電話が掛かるわけではありません。
また、勤務先名がはっきり確認できる書類(例:社会保険証/健康保険証、在職証明書、社員証など)を提出することで、電話連絡を省略・軽減できる場合も紹介されています。
入居審査時の必要書類の例として、「健康保険証(社保)、社員証、在籍証明書」などが、在職状況の証明として挙げられています。
【在籍確認の懸念点と方向性】
① 「保険証がマイナ保険証に切り替わり、勤務先名等が記載されていない場合、在籍確認はどうなるか?」
・先述の通り、勤務先への在籍確認は必ず電話で行うわけではなく、書類提出だけで対応可能なケースもあります。保険証(社会保険証)に勤務先名の記載があれば「在籍している会社に保険加入している」証として扱えるため、審査上有利に働いてきました。
・しかし、マイナ保険証では勤務先名・保険者名の記載が明瞭でない/利用者から確認できない場合もあり、そのまま従来通り「保険証=在籍証明」として使えるかは不動産会社・管理会社によって判断が分かれる可能性があります。
・審査側も「保険証が使えない/勤務先名が確認できない」場合には、代替として「在職証明書」「社員証」「給与明細」などを求めるという案内があります。
② 「バイト・非社員・会社の保険証を持っていない場合、12月以降の方が審査が通りやすいか?」
・結論から言うと、12月以降だから審査が通りやすくなるという自治的な変化は確認されていません。
が、本人確認書類や在籍確認の書類として保険証が使えなくなる場合があります。
・例えば、今までの保険証を提出できない場合でも、マイナンバーカードと代替書類(在職証明書、社員証、給与明細等)が提示できれば審査通過の可能性は十分あります。
・つまり、マイナンバーカードでは、在籍確認の必要な情報(勤務先や保険証の交付日など)がないため、保険証で一律に在籍確認をすることはできず、有利に働く可能性もあります。
■youtube動画の台本
会話台本(セミナー風)
賃貸契約に関する初心者向けセミナー。
【登場人物】
やまだ:素朴な疑問を持った女の子(参加者)。不動産業界はまだ慣れていない。
講 師:不動産屋で働くベテラン社員。現場経験が豊富。
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<中編:賃貸審査の“在籍確認”の実態>
やまだ
じゃあ先生、在籍確認って今までは保険証でしてたんですか?
講師
そうだね。
基本は申込書に書いた勤務先に本当に勤めているかを確認する“在籍確認”っていう審査があるんだ。電話で会社に連絡するケースもあれば、保険証や社員証で確認できる場合もある。
やまだ
電話で!?
なんか恥ずかしいですね…
講師
大丈夫、社名だけ軽く確認する程度だから心配いらないよ。
でも、会社によっては電話を嫌がることもあるし、保険証の提出で済むことも多かったんだ。
やまだ
なるほど。
でもマイナ保険証には会社名が入ってないなら、それが使えなくなるんですよね?
講師
そう。
だから今後は保険証じゃなくて“他の書類”で確認する流れになるだろうね。たとえば、在職証明書とか、社員証、給与明細などが代わりになる。
やまだ
あっ、そうか。そういうのを出せばいいんですね。
講師
うん。
審査は“書類の組み合わせ”で信用を判断するから、ひとつの書類が変わっても、他で補えば問題ないんだよ。
次回は、今後の在籍確認についてお話をしますね。
以上