■賃貸契約の「更新料」って礼金みたいなもの
【更新料って何?】
「更新料」とは、契約期間が満了した賃貸借契約を、再び新たな契約期間で継続する際に、入居者(借主)が貸主に支払う金銭のことです。
ただし、法律(借地借家法・民法)には「更新料を支払わなければならない」といった規定はありません。
【支払義務はあるの?】
更新料の支払い義務が生じるか否かは、契約書に更新料の支払いが明記されているかにかかっています。契約書に「更新料○ヶ月分」などの条項があれば合意されたものであり、支払い義務が生じます。
一方、契約書に更新料に関する記載がなければ、基本的には支払いを拒否できる可能性があります。
また、支払われる場合でもその金額が「著しく高額」と認められれば無効とされる可能性があります。
【「1ヶ月」が普通?相場は?】
更新料の相場としてよく言われるのが「家賃1ヶ月分」です。
ただし、物件や地域により「1~2ヶ月分」としているケースも多く、例えば「2ヶ月分」が請求されたとしてもすぐに違法・無効とは限りません。
実際、関東圏では更新料を徴収する物件が多く、地域差もあります。
【「2ヶ月」と言われた場合どう考える?】
「更新料が2ヶ月分」が、契約書にその旨の記載があれば、支払義務がある可能性が高いです。
ただし、以下の点を確認するのが重要です:
・契約書の「更新料」条項に「2ヶ月分」と明記されているかどうか。
・更新の契約期間(たとえば更新が2年ごとかどうか)と、請求額が相応かどうか。高すぎると無効となる可能性があります。
契約が「合意更新」か「法定更新」か。契約満了をもって更新手続きをしなかった場合、自動更新=法定更新となり、更新料を請求できないとされるケースもあります。
■まとめ
更新料を支払うかどうかは、法律で義務づけられているものではなく、契約書の内容による。
相場としては「家賃1ヶ月分」が多いものの、「1~2ヶ月分」が目安として挙げられています。
契約書に「2ヶ月分」と記載があれば支払義務が出る可能性あり。ただし「高すぎる」と判断されれば無効となることも。
更新料の請求条件や地域・物件の慣行にも差があるため、不明な点は契約書をよく確認、必要なら専門家(不動産会社・法律相談)に相談するのが安心です。
■youtube動画の台本
会話台本(セミナー風)
賃貸契約に関する初心者向けセミナー。
【登場人物】
やまだ:素朴な疑問を持った女の子(参加者)。不動産業界はまだ慣れていない。
講 師:不動産屋で働くベテラン社員。現場経験が豊富。
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<後編:更新料は誰に払うの?注意すべきポイント>
やまだ
先生、更新料ってオーナーさんに払うんですか?それとも管理会社ですか?
講師
実はね、支払先は多くの場合“管理会社”です。というのも、管理会社が大家さんの代理として契約更新の手続きを行っているからです。
やまだ
へぇ〜!
じゃあ管理会社に振り込んで終わりなんですね?
講師
そう。ただし、最終的にはそのお金はオーナー(貸主)に渡るのが一般的。管理会社が一時的に預かって、オーナーに送金している形です。
やまだ
なるほど。でも更新のときって、更新料だけじゃなくて“更新事務手数料”もかかることがありますよね?
講師
その通り。更新事務手数料は、手続きを行う管理会社への報酬です。これは大家さんに行く更新料とは別物です。だから“更新料+事務手数料”という請求も珍しくありません。
やまだ
えぇっ、二重でかかることもあるんですか!?
講師
ありますね。例えば『更新料:家賃1か月分』『事務手数料:0.5か月分』みたいなパターンです。金額や内訳は契約書に明記されているはずなので、そこをよく確認しましょう。
やまだ
うっかり“更新料2か月+手数料0.5か月”なんてことになってたら大変ですね。
講師
そうそう。だから、請求書が届いたら“誰に支払うのか”“何の名目か”を必ず確認。納得できないときはそのまま払わず、まずは質問することが大切です。
やまだ
なるほど〜!更新料はオーナーさんへのお礼みたいなものだけど、実際は管理会社経由で支払うってことですね。
講師
その通り。
仕組みを理解しておけば、無駄なトラブルも防げますよ。
以上