■管理規約の閲覧について
分譲マンションの「管理規約」は管理組合のルールであり、居住者(=区分所有者)は当然従うもので、賃貸で入居している場合でも、その建物のルール(管理規約/使用細則)は適用されます(=ペット可否・改装制限などは規約に従う)。
入居者でも管理規約(またはハウスルール)の内容を確認できます。
賃貸契約時に渡される重要書類(賃貸借契約書・重要事項説明書)に概略があることが多く、詳細は貸主(大家)・管理会社・管理組合に請求して見せてもらえます。
管理会社の連絡先は契約書・エントランスの掲示板・仲介業者で確認が可能で、連絡先が分かれば閲覧請求がしやすくなります。
もし貸主/管理会社が正当な理由なく開示を拒む・説明が不十分なら、市区町村の消費生活センターや国民生活センターに相談するのが実務的な次ステップです。
■具体的な手順(やることリスト)
【契約書・重要事項説明書を確認】
・賃貸借契約書や重要事項説明書に、管理会社名・管理ルールの記載がないかチェック。ペット、ゴミ出し、駐輪場、共用部利用などの注意が書かれていることが多い。
【管理会社/大家/仲介会社に問い合わせる】
・管理規約(分譲マンションなら管理規約・使用細則、賃貸ならハウスルール)を閲覧したいと伝える。管理会社が窓口であることが多い。連絡先は契約書・エントランス掲示・仲介業者で確認。
【閲覧・写しの請求】
・「確認したい項目(例:ペット規約/バルコニーでの洗濯物/リフォーム可否)」を具体的に伝えると早い。多くの場合、閲覧は可能で、コピーをもらえることもある。渡してくれない場合はその旨を記録(日時・担当者名)しておく。
【掲示物・管理人室・組合資料もチェック】
・建物のエントランスや管理人室にルールが掲示されている場合がある。管理組合の会報や掲示板も要確認。
【拒否・不明点があるとき】
・正当な理由なく開示拒否・説明不足なら、消費生活センターや国土交通省の窓口、最寄りの市区町村相談窓口に相談すると良い。事実関係を整理して相談すると助けになる。
■注意点(知っておくべきこと)
分譲マンションの管理規約はオーナー(区分所有者)にも拘束力があり、オーナーが賃貸で貸していても入居者はその規約に従う必要があります。(規約に反する行為は大家さんに注意されるケースあり)。
管理規約の中には、居住ルールのほか「管理費・修繕積立金」「理事会の運営」等、入居者が直接関わりにくい事項も含まれるため、自分に関係する部分(ペット・楽器・ゴミ出し・共用部使用など)を重点的に確認すると効率的です。
■youtube動画の台本
会話台本(セミナー風)
賃貸契約に関する初心者向けセミナー。
【登場人物】
やまだ:素朴な疑問を持った女の子(参加者)。不動産業界はまだ慣れていない。
講 師:不動産屋で働くベテラン社員。現場経験が豊富。
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<前編:管理規約って入居者も見られるの?>
やまだ
先生、あの…“管理規約”って言葉をよく聞くんですけど、これはマンションの所有者だけが知っていればいいものなんですか?私みたいに賃貸で借りてる人は関係ないんでしょうか?
講師
とても良い質問ですね。
実は関係大ありなんです。分譲マンションには建物のルールを定めた“管理規約”と“使用細則”があります。例えば“ペットを飼っていいかどうか”“楽器を弾いていいか”“ベランダに物を置いていいか”など、日常生活に直結するルールが書かれています。そして、これは区分所有者であるオーナーだけでなく、そこで暮らす賃貸入居者にも当然適用されます。
やまだ
えっ、じゃあ借りてるだけでも規約に縛られるんですか?
講師
そうです。
規約に反した行為をすると、大家さんから注意を受けたり、最悪の場合は契約違反とみなされることもあります。例えば、規約でペット禁止なのに内緒で飼ってしまうと、入居者だけでなく貸主であるオーナーまで管理組合から責任を問われてしまうんです。だからこそ入居者も規約を理解しておく必要があります。
やまだ
でも、入居のときに“管理規約です”って冊子を渡された記憶がないんですけど…?
講師
その通りです。
契約時に詳細な規約が配布されるケースは少なく、重要事項説明書や契約書に要点だけ書かれていることが多いんです。だから“賃貸の住人は規約を知らされないまま住んでいる”という状況が少なくありません。
やまだ
それってちょっと不安ですね…。
ルールを知らないまま生活して違反してたら困るし。
講師
だからこそ、“規約を見たい”と声をあげることが大事なんです。
入居者にも見る権利があり、実際に確認できる方法もちゃんとありますよ。
次回は、閲覧方法についてお話しします。
以上