■グルニエとは?
賃貸物件で「グルニエ」という表記を見たら、「屋根裏の収納スペース」を意味することが多いです。「ロフト」と似ていますが、使い方や法的な扱いにいくつか違いがあります。以下、整理します。
【グルニエとは何か】
フランス語で「屋根裏部屋」を意味します。天井と屋根の間の空間を利用した、小屋裏収納という扱い。
主に収納用途で使われることが多く、季節ものの服・家電・思い出の品など、普段使わない物をしまっておくのに便利。
高さ・広さ・アクセス方法など、使い勝手や快適性に左右されます。夏は暑くなる、通気・断熱をどうするかなどがポイント。
【法律上・建築基準での基準】
「小屋裏物置等」というカテゴリに入ることが多いグルニエですが、以下のような法的制限・ルールがあります。
・天井高:1.4m以下であること。
・床面積:直下の階(下の部屋)の床面積の2分の1以下であること。
・はしご等での出入り:固定式はしごではなく、取り外し可能なもの・折りたたみ式など可動式であることが一般的。
■ロフトとの違い
グルニエとロフトは重なる部分もありますが、一般には以下のような差があります。
【ロフト】
・部屋内の一部を高さを取って2層構造風にしたスペース。居住性を持たせることが多い。
・はしごが固定式、あるいは階段に近いものを使うことが多い。
・高さや面積の法的制限を超えると居室とみなされる可能性があり、建築基準法上の扱いが変わる。
【グルニエ】
・屋根裏/小屋裏を利用した収納重視のスペース。居室というより物置的な用途。
・はしごが折りたたみ式・取り外しできるものなど、固定でないものが多い。
・既存の「小屋裏物置等」の枠内で設計されており、居室には基本ならないような仕様がなされている。
■まとめ
つまり、あなたが見た「グルニエ付き」の賃貸物件は、「ロフト付き」とは微妙に意味合いが異なり、具体的には次のようなイメージです:
・普段使う部屋というより“収納スペース”として期待する方が現実的
・座ることはできても、立って歩き回るには高さが足りない可能性大
・はしごの形状(固定か可動か)・アクセスしやすさ・断熱/換気の有無が使い勝手を大きく左右する
■youtube動画の台本
会話台本(セミナー風)
賃貸契約に関する初心者向けセミナー。
【登場人物】
やまだ:素朴な疑問を持った女の子(参加者)。不動産業界はまだ慣れていない。
講 師:不動産屋で働くベテラン社員。現場経験が豊富。
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<前編(グルニエの特徴)>
やまだ
先生、間取りを見ていたら“グルニエ付き”って書いてある物件があったんですけど、これって何なんですか?
講師
いい質問ですね。
“グルニエ”はフランス語で屋根裏部屋を意味します。日本の賃貸でいうと“小屋裏収納”と呼ばれることが多いですね。
やまだ
へぇ〜、じゃあ収納スペースってことですか?
講師
その通りです。
普段は使わない季節家電や衣類、雛人形やスーツケースなどをしまっておく場所として重宝します。普段の生活動線からは少し離れた場所にあるので、いわゆる“物置”というイメージで考えるとわかりやすいでしょう。
やまだ
じゃあ、普通のお部屋としては使えないんですね?
講師
法律上の基準があるんです。
天井の高さは1.4メートル以下でなければならない、床面積は直下の階の2分の1以下、といった条件があります。そのため、居室とはみなされず建築基準法上は“収納スペース”として扱われます。
やまだ
高さが低いんですね。立って歩けないかも?
講師
そうですね。
大人が立つのは難しいことが多いです。座って荷物を整理する程度のスペースと考えると現実的です。
やまだ
夏は暑くなりそう…。
講師
その点も注意です。
屋根のすぐ下にあるので熱がこもりやすく、断熱や換気の工夫があるかどうかで快適性が変わります。物件を見る際にはそこもポイントです。
次回は、ロフトとの違いを説明しますね。
以上