■追い焚き機能がない賃貸物件ではどうお湯をはるのか?みんな追い焚きしないのか?

【追い焚き機能がない物件ではどう使われているの?】
・追い焚きをしない人が多い?
多くのワンルームや一人暮らし向け物件では、追い焚き機能が付いていないことが一般的です。

「追い焚き」は、浴槽に一度張ったお湯を再度温め直す機能なので、そもそも生活スタイルに合わないと判断され、省かれているケースが多いようです。

【お湯張りボタン」のある場合は?】
物件によっては、「お湯張りボタン」がリモコンにあっても、実際には半自動で、蛇口を開いて設定温度・湯量に達したら止まるタイプのものもあります。

ボタンを押すと蛇口を捻るように案内が出たりする仕様もあり、完全な自動給湯ではないことも。つまり「自動お湯張り」=「完全自動」ではないケースもあるようです。

【追い焚きがない場合のお湯の入れ方・対策】
A. 高温のお湯を足す(足し湯)
冷めたお湯に高温のお湯(約50〜60 ℃)を足す「足し湯」は一般的な対策。浴槽のぬるくなったお湯を温め直すのに使われます。

ただし、追い焚きと比較すると、以下のようにコストは高くなります:
・追い焚き:約7.4円(ガス代)
・高温足し湯:ガス代+水道代で約24.7円(合計)
➡ 追い焚きに比べて3倍以上高い

B. 保温グッズを活用する
電気やガスを使わず、湯温を保つ工夫もあります:
・保温シート:浴槽の表面にシートを浮かべておくだけで、蓋と併用すれば高い保温効果を期待できます。
・お風呂用湯たんぽ:電子レンジで温めて使うタイプで、4~6時間ほど温度を保てる商品もあります。
・追い焚き風グッズ(後付け):「沸かし太郎」や「湯メイク」など、浴槽に沈めたり浮かべたりして湯を加熱・保温する電気グッズも登場。工事不要で使える手軽さが魅力です。

C. 追い焚き機能の後付けは難しい
追い焚き機能を賃貸に後付けするのは、構造的にも工事的にも難しいケースが多いです:
・配管が未設置:追い焚きには「往き」と「戻り」の配管が必要ですが、元々その配管がない物件では、新たに通すのが困難な場合があります。
・管理規約や構造制限:マンションではコンクリート躯体に穴を開けられないケースも多く、工事やリノベーションでの導入は難しいです。
・オーナーの許可が必要:そもそも賃貸なので、給湯器の変更や工事を借主が自由に進めることは基本的にできず、許可も得づらいケースが多いです。

 

■まとめ

日本の賃貸市場では、一人暮らし用の物件に追い焚き機能が付いていないケースが多く、追い焚きなしでも特段困らないという人も多いのが現状です。

多くの人は、以下のような方法で対処しています:
・高温の湯を足す「足し湯」:手軽にできるがコストはやや高め。
・保温グッズの活用:保温シートや湯たんぽで湯温を維持し、ガス・電気代を抑える。
・後付けグッズ:「沸かし太郎」など工事不要の電気式保温機器で、さらに快適に。
・追い焚き機能の後付け:構造的制約や管理規約の制限があるため、実現は難しいことが多い。
また「お湯張りボタンがあるから便利」と思いがちですが、実際には蛇口との連動で半自動タイプの場合もあり、自動給湯とは限らない点にも注意が必要です。
もし「毎回温かいお風呂にゆっくり入りたい」「入浴のタイミングがバラバラ」という生活スタイルであれば、追い焚き機能付き物件を探したほうが便利かもしれません。ただし家賃は高め、清掃などの手間もある点は要検討です。

 

■youtube動画の台本

賃貸契約に関する初心者向けセミナー。

【登場人物】
やまだ:素朴な疑問を持った女の子(参加者)。不動産業界はまだ慣れていない。
講 師:不動産屋で働くベテラン社員。現場経験が豊富。

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やまだ

先生、いま実家に住んでるんですけど、賃貸探しを始めてみたら“追い焚き機能なし”って書いてあるお部屋が結構あるんです。
みんな追い焚きって使わないんですか?

 

講師

実はワンルームや一人暮らし用の賃貸では“追い焚きなし”が普通なんだよ。
というのも、ひとり暮らしだとお風呂をためても長く放置しないし、毎日お湯を張り替える人が多いからね。

 

やまだ

へぇ。
でも追い焚きがなかったら、お湯が冷めたときどうするんですか? ずっとぬるいまま?

 

講師

そこは“足し湯”っていう方法で解決するんだ。
給湯器から50〜60度くらいの高温のお湯を注ぎ足すことで温度を戻せる。
ガス代と水道代はかかるけど、簡単に温め直せるんだよ。

 

やまだ

なるほど!
でも、毎回お湯を足すのはもったいない気もしますね…。

 

講師

その通り。

だから保温グッズを使う人も多いよ。
例えば浴槽に保温シートを浮かべておくと湯温が冷めにくいし、フタと併用すれば効果大。最近は“お風呂用湯たんぽ”とか、“沸かし太郎”みたいな電気式ヒーターを沈めて保温するアイテムも人気なんだ。

 

やまだ

そんな便利グッズがあるんですね!
でも、追い焚き機能を後から付けることはできないんですか?

 

講師

残念ながらほとんど不可能だね。
追い焚きは浴槽と給湯器を“往き・戻り”2本の配管でつなぐ必要があるから、配管工事が必要になる。マンションだとコンクリートに穴を開けられないし、賃貸ではオーナーの許可も難しいんだ。

 

やまだ

そうなんですね…。
じゃあ、お湯張りボタンがついてる物件なら安心ですか?

 

講師

実はそこも注意が必要。

リモコンに“お湯張り”ボタンがあっても、完全自動ではなく、設定量で自動停止するだけの“半自動タイプ”も多い。結局は蛇口からお湯をためるのと同じような仕組みなんだ。

 

やまだ

わぁ、思ってたより奥が深いですね!
結局どう考えたらいいんでしょう?

 

講師

まとめるとね—、一人暮らし物件は追い焚きなしが一般的。
冷めたら“足し湯”か“保温グッズ”で対応。
もし“毎回温かいお風呂でゆっくり入りたい”“家族で時間差で入る”っていう生活なら追い焚き付き物件を選んだ方が快適。
逆に“シャワー中心”や“短時間の入浴”が多いなら、追い焚きなしでも十分だよ。

 

やまだ

なるほど!
自分の生活スタイルに合わせて選ぶのがポイントなんですね♪

 

講師

そういうこと。
物件探しは“暮らし方に合う設備かどうか”を意識するのがコツなんだよ。

 

以上