■不動産の間取り図にある「S」「N」「DEN」の違いとは?

賃貸物件の間取り図でよく見かける「S」や「N」、「DEN」という表記。これらは一般的な居室(リビングや寝室など)とは異なる、小規模で用途が限定された空間を示す記号です。ただし、その違いは少し曖昧で、使われ方は不動産会社や物件によってもばらつきがあります。

まず「S」は「サービスルーム(Service Room)」の略です。日本の建築基準法では、「居室」として認められるには採光や換気のための窓が一定以上必要ですが、「S」はその基準を満たしていないため、あくまでサービス的な部屋として表現されます。収納スペースや書斎、簡易的な寝室として使われることもあります。

一方「N」は「納戸(なんど)」の略で、昔ながらの日本家屋における物置的な空間を指します。最近ではSと同じ意味で使われることも多く、ほぼ同義と考えて問題ありません。どちらも間取り図上では“3LDK+S”や“2LDK+N”のように記載され、専有面積には含まれますが、あくまで「非居室扱い」となります。

最後に「DEN」は英語由来で、海外の住宅では「小部屋」や「書斎」的な意味を持ちます。日本でも高級物件やデザイナーズマンションなどでよく使われる表現で、他の部屋より少しおしゃれな印象を持たせたい場合に用いられることが多いです。実際には広さや使い道は「S」や「N」と大差なく、むしろマーケティング的な要素が強い表記と言えるでしょう。

なお、これらの部屋は“窓がない”ことが前提となっているため、換気や照明などに注意が必要です。特に寝室として使いたい場合は、空気の流れやエアコンの設置可否も事前に確認しておくことが大切です。

 

■まとめ

まとめると、「S(サービスルーム)」「N(納戸)」「DEN」はすべて“窓がなく、法律上は居室として認められない小部屋”を表し、使い方や表現は物件や不動産会社によって微妙に異なります。

どれも「居室外の付加空間」として見なされ、用途やライフスタイルに応じて有効に活用するのがポイントです。
 

■youtube動画の台本

賃貸契約に関する初心者向けセミナー。

【登場人物】
やまだ:素朴な疑問を持った女の子(参加者)。不動産業界はまだ慣れていない。
講 師:不動産屋で働くベテラン社員。現場経験が豊富。

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やまだ

あの~、先生!

間取り図に「S」とか「N」とか書いてある小さな部屋、よく見かけるんですけど…あれって何なんですか?寝室じゃないんですか?

 

講師

その「S」や「N」、それから「DEN」っていうのは、全部“居室ではない部屋”なんですよ。

 

やまだ

えっ?

部屋なのに“部屋じゃない”んですか??

 

講師

そうなんです。
ちょっとややこしいんですけど、日本の建築基準法では“居室”って認められるには、ちゃんと「窓」がついていて、決められた量の光や風が入る必要があるんです。
でも、「S」や「N」の部屋ってたいてい窓がなかったり、小さかったりするんですよ。

 

やまだ

なるほど…じゃあ、「S」ってなんの略なんですか?

 

講師

「S」は「サービスルーム(Service Room)」の略です。
本来は収納とか、ちょっとした作業部屋、場合によってはベッド置いて寝室っぽく使ったりもしますね。

 

やまだ

じゃあ「N」は…?

 

講師

「N」は「納戸(なんど)」です。

昔ながらの言い方で、意味はほぼ「S」と同じです。不動産会社によって使い分けてるだけだったりもしますよ。

 

やまだ

へぇ~、じゃあ「DEN」ってのもあった気がするんですけど、あれは?

 

講師

「DEN」は英語で「小部屋」とか「書斎」って意味。
日本ではちょっとおしゃれに聞こえるように、高級物件とかデザイナーズマンションで使われがちですね。実際には「S」や「N」と広さや使い方は同じようなものです。

 

やまだ

つまり、どれも“窓がないから正式な居室じゃない小部屋”ってことなんですね。

 

講師

その通りです!
だからこそ、使い方には注意が必要。寝室にする場合は換気が難しかったり、エアコンの取り付け位置がなかったりすることもあるので、事前にしっかりチェックしておくといいですよ。

 

やまだ

なるほどー!
なんか、間取り図の見方がちょっと分かってきました!

 

講師

いい調子ですね。
今後部屋探しする時は「S」「N」「DEN」にも注目して、自分のライフスタイルに合うかどうか考えてみてくださいね。

 

以上