■ベットルーム(居室)の条件とは?
不動産の間取り図において「窓がない部屋」が「ベッドルーム(居室)」として扱われる場合と、「納戸(サービスルーム)」として表示される場合があるのは、建築基準法と不動産広告のルールに基づいた表記の違いです。
まず、日本の建築基準法では「居室」として認められるためには、一定の採光・換気・天井高などの条件を満たしている必要があります。特に採光に関しては、原則として床面積の1/7以上の大きさの窓(または採光設備)が必要です。窓がない部屋はこの条件を満たさないため、原則「居室」として扱えません。
しかし実際には、使い方としてはベッドルームや書斎として活用されることも多く、間取り図に「納戸(N)」「サービスルーム(S)」「書庫(SC)」などの表記で示されます。
これらの表記は、建築基準法上は居室ではないものの、実際の利用価値が高い空間に対して使われる慣用表現です。特に「1LDK+S」「2LDK+N」などと表記されている物件では、この「S」や「N」が窓なしの部屋であることが多いです。
一方で、厳密な広告規制を受けていない情報媒体では、窓がないにもかかわらず「ベッドルーム」として掲載されているケースも見受けられます。
これはユーザーの検索ニーズや部屋の実際の使い方を意識した柔軟な表現ですが、誤認を招く恐れがあるため注意が必要です。
■まとめ
なお、「納戸」とは本来、収納や物置として設計された部屋で、採光・換気の基準を満たしていないスペースを指します。
「書庫」も同様に、主に本や資料を収納する目的の部屋で、こちらも通常は居室としてはカウントされません。
こうした部屋をどう使うかは入居者の自由ですが、法的な定義や広告表記との違いを理解しておくことが大切です。契約前には「この部屋には窓がありますか?」「居室としてカウントされていますか?」などをしっかり確認しましょう。
■youtube動画の台本
賃貸契約に関する初心者向けセミナー。
【登場人物】
やまだ:素朴な疑問を持った女の子(参加者)。不動産業界はまだ慣れていない。
講 師:不動産屋で働くベテラン社員。現場経験が豊富。
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やまだ
先生、ちょっと不思議に思ったんですけど……。
講師
どうしたんですか?
やまだ
ネットで間取りを見てたら、窓がないのに「ベッドルーム」って書いてあるお部屋もあれば、「納戸」って書いてあるお部屋もあるんです。
これってどういう違いなんですか?
講師
いいところに気がつきましたね。
実は、建築基準法という法律で、「居室」って呼べる部屋には窓や採光が必要って決まってるんです。
やまだ
へぇー、じゃあ窓がないとベッドルームにしちゃダメなんですか?
講師
基本的にはその通りです。
例えば、お部屋の床面積の7分の1以上の大きさの窓がないと「居室」として認められません。
だから、窓がないお部屋は「納戸」や「サービスルーム」って名前で表示されることが多いんですよ。
やまだ
あ、サービスルームって「S」って書いてあるやつですか?
たまに「1LDK+S」とか見たことあります!
講師
そう、それです。
あの「S」はたいてい窓がない部屋のことですね。
他にも「N(納戸)」とか「SC(書庫)」なんて表記もあります。
こういう部屋は収納や書斎、趣味部屋などに使うのが一般的です。
やまだ
でも実際にはベッドを置いて寝室っぽく使ったりもできますよね?
講師
もちろん使い方は自由です!
ただし、不動産広告では法的に「居室」と言えないから、名前を変えて表示してるんですね。
だから物件を見るときは、「この部屋には窓がありますか?」ってきちんと確認するのが大事ですよ。
やまだ
なるほどー。
表記の違いにはちゃんと理由があるんですね。今度から間取り図もちゃんと見てみます!
講師
えらいですね。
見た目だけじゃなく、法的なルールや用途も考えてお部屋選びをすると、住んでからの後悔も減りますよ。
やまだ
はいっ、がんばって理想のお部屋探します!
以上